ヤマハのクラシックギター用の弦を全種類紹介!特徴や違い、レビュー、評価についても解説

ヤマハのグランドコンサート弦

数少ないクラシックギター弦を製造する日本メーカーであるヤマハには3種類のラインナップがあります。なかでもNS110は価格の安さから人気があるようです。この記事ではヤマハのクラシックギター弦について紹介します。

初心者向けからプロ用まで幅広いクラシックギターを販売するヤマハ

ヤマハといえば世界的な楽器メーカーとして有名ですが、クラシックギターにも力を入れています

そのラインナップは幅広く、最も安価なCG102(定価27,500円)から最も高価なGC70シリーズ(定価1,760,000円)まで多彩です。

さらに、共鳴胴を無くして音を抑えたサイレントギターシリーズや、ギターの表面板を振動させてリバーブやコーラスなどのエフェクトをかけられるトランスアコースティックギターなど、個性的な製品もラインナップしています。

3種類のラインナップがあるヤマハのクラシックギター弦

そんなヤマハは自社でクラシックギター弦の販売もおこなっています

日本の企業でクラシックギター弦を販売しているメーカーは貴重で、ヤマハとフィガロくらいでしょうか。

現在のヤマハのクラシックギター弦は3種類あります。

モデル概要
NS110低価格版の弦
グランドコンサート S10高級版の弦
GSC282024年に発売された新製品

それぞれの詳細を以下で紹介します。

NS110

1つ目が安価なクラシックギター弦であるNS110です。

価格が安い

NS110の特徴はなんといっても、価格の安さにあります。

定価は990円で、大手ネットショップでは600円台で入手可能です。

ヤマハという大手メーカーが製造しているとあって、クラシックギター弦販売数ランキングでトップになることも多く、人気があるといえます。

バラ弦で売っている

また、安価な弦の場合はセット売りしかしないことが多いのですが、NS110はバラ弦での販売もおこなっている点が特徴です。

弦番号型番太さ価格
1弦NS1110.72mm110円
2弦NS1120.83mm121円
3弦NS1131.03mm154円
4弦NS1140.78mm187円
5弦NS1150.92mm198円
6弦NS1161.13mm220円

このため、へたりやすい4弦だけ先に交換したり、音程が悪い弦に当たったらその弦だけ交換したりなどの方法をとることができ、さらにコストパフォーマンスが良くなります。

世界のヤマハだけあって数が出るので、バラ元で売っても利益が出るのでしょうか。

テンションは一般的なノーマルとハードの間くらい?

テンションは不明ですが、弦の太さをプロアルテのハードと同じくらいなので、ものすごく柔らかいということはなさそうです。

ただ、プロアルテのハードは現代の弦のなかではそれほどテンションが高い方ではないので、NS110もそれほどテンションが高いというわけでもないと思います。

グランドコンサート S10

ヤマハのもう1つのクラシックギター弦がグランドコンサート S10です。

一般的なクラシックギター弦と同じくらいの価格

こちらは「高級クラシック弦」とヤマハが位置づけており、定価は1,870円と一般的なクラシックギター弦と同等となっています。

Amazonなどの大手ネットショップでは1,200円くらいで入手可能です。

さすがに国産ではない

ヤマハという日本企業が販売する弦ではありますが、さすがに国産ではありません

私が以前試したときはインドネシアで製造されていました。

こちらもバラ弦で購入可能

ヤマハのグランドコンサート弦もバラ弦で購入できます。

弦番号型番太さ価格
1弦S110.72mm176円
2弦S120.83mm209円
3弦S131.03mm242円
4弦S140.742mm385円
5弦S150.912mm407円
6弦S161.125mm451円

高音弦はNS110と全く同じ太さなので同じ弦と思いましたが、値段が全然違います。

もしかすると、高音弦のなかの選別品がグランドコンサート弦、質の悪いものがNS110として売られているのかもしれません。

「クラシックギターらしい」音がする

肝心の音は、非常に「クラシックギターらしい」音がする。

古き良き日のクラシックギターという感じで、癒やされる音です。詳細は以下の記事を参照ください。

2024年に発売されたGSC28

ヤマハは2024年にGSC28というクラシックギター用弦の新製品を発売しました。

位置づけはわからないのですが、実売価格からするとグランドコンサートS10より上で、NS110やS10よりも低音弦のテンション感が強いのだとか。

詳細はこちらの記事を参照ください:

ヤマハのプロ向けクラシックギターはヤマハの弦を使っていない

ヤマハ製のクラシックギターはやはりヤマハの元を使っているのかな、と思って調べてみたところ、なんとプロ向けのGCシリーズは軒並みオーガスチンやサバレスの弦を標準搭載しています。

モデル標準搭載弦
GC82S/GC82Cオーガスチン リーガルブルー
GC70/GC70C/GC71オーガスチン リーガルブルー
GC60オーガスチン リーガルブルー
GC42S/GC42Cサバレスアリアンス (高音)+ グランドコンサート(低音)
GC32S/GC32Cサバレスアリアンス(高音) + グランドコンサート(低音)
GC22S/GC22Cサバレスアリアンス(高音) + グランドコンサート(低音)
GC12S/GC12Cサバレスアリアンス(高音) + グランドコンサート(低音)

GC42S/GC42C以下のモデルになると低音弦がグランドコンサート弦になるものの、上位はすべて他社製です。

ヤマハとしても、グランドコンサート弦を含め、音に絶対の自信があるというわけではないのかもしれません。

ヤマハのクラシックギター弦を使っているプロは不明

ヤマハのクラシックギター弦を使っているプロのギタリストは不明です。

クラシックギター自体は鈴木大介など、複数のギタリストが使っています。

そもそもプロ向けのGCシリーズがヤマハの弦を使っていないので、ヤマハ自体もあまり推していないのかもしれません。

その他の弦メーカーについて使用しているプロの情報は以下の記事を参照ください。

数少ない日本メーカーのクラシックギター弦

ヤマハは日本の数少ないクラシックギター弦メーカーであり、特にNS110は価格が安いことから人気があります。

ただ、プロの間で使っているという声はあまり聞こえてこず、音に関してはそれほど高い評価ではないようです。

グランドコンサート弦は良い弦だと思うので、個人的にはもっと普及しても良いと思います。

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