ハナバッハのリーズナブルな弦第2弾です。前回の500MTよりも1段高い600MTです。コンセプトが似ている2つの弦ですが大きな違いはあるのでしょうか。レビューしていきたいと思います。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
https://cooksealphoto.com/%E5%BC%A6%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%83%B3%E3%80%81%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81/
低音弦が耐腐食コーティングされている
まず、500シリーズとのスペック上の大きな違いは低音弦が耐腐食コーティングされているという点です。クラシックギターの低音弦は錆びやすく、錆びると音が劣化します。これを防止するにはコーティングを施すのが有効であり、以下の記事でも紹介している通り、寿命の長さをうりにしている弦の多くがコーティングを施しています:
リーズナブルにもかかわらずコーティングが施されているハナバッハ600シリーズはそれなりに寿命にも期待ができるかもしれません。
一方、ハナバッハの標準品であるシルバースペシャルから比べると価格は以下のようになっています:
品名 | 価格 |
500 | 1,000円 |
600 | 1,700円 |
シルバースペシャル | 2,700円 |
価格的にはシルバースペシャルと500シリーズの間を埋める存在、といったところでしょうか。
2弦と5弦に判別のためのマークあり
それではパッケージを開けていきます。
パッケージはこれまでのハナバッハのパッケージに比べてやたらとポップです。ハナバッハというとドイツっぽいもっと重厚なイメージなんですけどね。
ところで、ハナバッハのロゴとかMADE IN GERMANYとかの円形の部分が立体的に見えるかもしれませんが、実際にはこれはただの印刷です。まあ、廉価版の弦ですからそんなものですね。
裏面にはこの弦の特徴とテンションがのっています。新素材とパッケージを簡単にすることで安くしていると書いてあります。500の方は新素材は書いてなかったので、音は違うかもしれません。
中には空気を遮断するパッケージに入った弦が納められています。見た目は普通の銀メッキ巻弦とナイロン弦です。コストを抑えるため6弦すべてが1つのパッケージに入っています。
これじゃどれがどの弦かわからないのでは?と思う人もいるかもしれませんが、実は2弦と5弦には判別のためのマークがあります。上の写真のように、2弦は片方の弦の端が黒く塗られており、5弦は巻きを甘くした部分があります。
前回レビューした500MTは2弦は同じですが低音弦は違う判別の仕方でした。ブランドで同じ判別方法に統一すればいいのに、と思うのですが、どうなんでしょう?素人考え的には500シリーズのやり方の方がコストがかかりそうに思うのですが。。。
ちなみに、600MTも500MTと同様、バラ弦での販売はありません。これもコストを抑えるためだそうです。
元気があってわかりやすい音、500シリーズとは音が違う
それでは実際に音を出した感想です。
500MTと同じような音なのかな?と思いきや、いい意味で裏切られました。500MTはおとなしくて太い音という印象でしたが、600MTは元気な音がします。これが低音弦に新素材を使った効果でしょうか?
まだこれから使い込んでいくと変わるかもしれませんが、ハナバッハらしくないといえばらしくない元気な音です。
おそらく、600MTの方がわかりやすくいい音で、万人受けするような気がします。これで寿命も長かったらなかなか良い弦です。
寿命も意外と長かった、結構お勧めの弦
3~4週間使いましたが意外と寿命も長くて良い弦でした。
低音弦のコーティングのおかげか全然錆びないですし、音の芯もしっかり残っています。
むしろ、最初の1週間くらいは元気が良すぎて、そこからが本番のような気がします。
一点だけ気になるのは1弦が2,3弦に比べて音がキンキンするところ。ここのバランスがもう少し良くなると良いのですが。
とはいえ、値段からすればいい感じの弦でした。
コストパフォーマンスの高い弦
今のところの感想はコストパフォーマンスの高い弦、というものです。
安いのにちゃんと低音弦は錆防止のコーティングが施されていますし、音も元気で分かりやすくいい音。同じ価格帯ではプロアルテやオーガスチンがあるかと思いますが、それらに負けない弦だと思います。
ハナバッハを試したことない人や試したけどあまり気に入らなかった人にも試してほしい弦です。