弦の評価: ドーガル マエストラーレ レギュラーテンション(Dogal Maestrale Regular NR168B)

2.5
ドーガル ディアマンテ NR168Bのパッケージ

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最近登場した高級な弦を試してみました。ドーガルのマエストラーレです。

高音弦が青いところが特徴的でよく鳴る弦だそうですが。。。

結論としてはとにかく個性的な弦でした。

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美しいパッケージ、厳重に密封された低音弦

ドーガル ディアマンテ NR168Bのパッケージ

価格は何と約3,000円。数ある弦の中でもかなり高級な部類に入るのではないでしょうか。

高級なだけあってパッケージも金色だったり、しっかりした箱だったり、高級感があります。

弦の名前であるマエストラーレ(Maestrale)とは、いわゆる巨匠を表す「マエストロ」からきているのではなく、イタリアの北東から吹く風のことだそうです。Wikipediaによると、

イタリアで北東から吹く地方風。主となる(風)という意味で、イオニア海においてローマヴェネツィアの方角から吹く風を敬意を示してそう読んだことによる。日本語では一般的にフランス語での名前ミストラルを使用する。

とあります。てっきりマエストロから来たのかと思っていました。

ドーガル マエストラーレ の中身

中身はこんな感じです。低音弦は3本まとめて厳重にビニール包装されています。長期保管しても安心です。

あれ、弦が7本ついている…?

上の写真をよく見ると、高音弦が4本あることに気づくかと思います。

なんだこれ?と思って同封されていたメッセージを読むと、

1弦は気に入らない人もいるから無料でドーガルのディアマンテの1弦をつけておいたよ。

と書いてありました。そういえば、プロアルテのコンポジットも3弦がコンポジット弦とナイロン弦と両方ついてたなぁと思いだしました。「無料で」(complimentary)とはありますが、高い弦なのでその分値引きしてほしいなぁというのが正直なところでです。

思ってたより美しい見た目ではない高音弦

でも、せっかくなので見た目を比べるとこんな感じです。

ドーガルのディアマンテとマエストラーレの見た目比較

ちょっと明かりが赤っぽいですが、明らかに見た目が違います。ディアマンテ(左上)は普通のナイロン弦の見た目ですが、マエストラーレは青いです。それも、透明な青ではなく、不透明な青です。イタリアの風とか空を表す青とかいう触れ込みだったので、てっきりさわやかな透明な青だと思っていたのですが、まさか透けていないとは。。。新しいポリマー素材ということでしたが、その素材の色なのか着色したのか。。。

ディアマンテは別途セット弦を買ってあるのでそこでレビューしようと思いますが、割と細くてしなやかな弦です。カーボンを混ぜたナイロンということなので変わった感触かと思いましたが、普通でした。というか、マエストラーレが特殊すぎてほかのがすべて普通に見えます。

また、太さはマエストラーレの方が太く、しなやかさも少ないです。なんだろう、なかなか最適な表現が見つけられませんが、プラモデルのプラスチック的な感触です。あえて言うならプロアルテコンポジットのコーヒー色の3弦に近いです。

すべての弦を張るとこんな感じの見た目になります。

ドーガルのマエストラーレを張った写真

すごい違和感です。なんか、おもちゃのギターというか、エレキとかアコースティック系のギターに見えます(笑)。こういったらなんですが、もう少し高級感のある見た目にしてほしかった。。

低音弦は普通の見た目

一方、低音弦は普通の見た目です。以下の写真はプロアルテのダイナコアとドーガルのディアマンテの6弦を比較したものです:

弦がちょっと赤っぽく見えるのはライティングの問題です。どちらもきれいな銀色です。

芯線が青いということもなく、普通の巻弦の見た目です。太さも多少太いかな?という程度で普通です。

というか、繰り返しになりますが、高音弦のインパクトがすごくて他のすべてが普通に見えます。

1,2弦がすごく伸びる

早速張ってみると、上の写真のように見た目は違和感が大きいです。

それはさておき、1,2弦がどんどん伸びるのが印象的です。3弦はなぜかそうでもないのですが、1,2弦が1時間ほど弾いてもまだまだ伸びます。カーボン弦でもナイロン弦でもだいたい1時間も弾けばそこそこ安定するのですが。。。

確か現代ギターのレビューでも安定までに3,4日かかるようなことが書かれていましたが、本番が近い場合は張り替える時期に注意した方が良さそうです。

太く、良く鳴り、音量大

肝心の音ですが、高音弦は触れ込み通りやたらとよく鳴ります。それも、カーボン弦のように細く鋭くなるのではなく、太い音でよく鳴ります

このため、カーボン弦のようにハイポジションでも鋭く鳴るということがなく、ナイロン弦っぽい柔らかい音で鳴ってくれます。でも、ナイロン弦みたいにこもってしまうことがなく、しっかり大きな音で鳴ってくれます。

音質の変化という意味では、カーボン弦なみ、あるいはそれ以上に変化がつけづらいです。指板にちかくても遠くても同じような音で鳴る感じです。

低音弦も良く鳴ります。これはギターにもよるかもしれませんが、6弦が良く鳴るのが印象的です。サバレスやプロアルテでは、6弦は多少大人しめになるところが、しっかりなってくれます。それも、金属的にじゃりじゃりなるのではなく、ギター自体の音が大きく出ます。

張りはちょっと強めに感じます。太いせいもあるかもしれませんが、特に高音弦が気になります。ギターにやさしいとパッケージ裏には書いてあったのですが。。。これは弦が安定するとまた印象が変わるかもしれません。

唯一無二の弦、はまれば最高

全体的な感想としては、とにかく個性的な弦です。

特に高音弦に関しては素材も全然他と違うこともあり、見た目も音もほかにはないものを得られます。この音や鳴りが気に入った場合にはもう他は使えないでしょう。

低音弦も良く鳴ります。こちらは見た目も音もそれほど変わっていませんが、これだけ鳴る弦は他に経験したことがありません。

個人的には低音弦は気に入りました。高音弦は、、、きらいじゃないですが、見た目と値段を考えると今のところあまり気に入らないかな?と思います。

弦が安定してくるとまた感想も変わるかもしれないので、寿命のことも含めて追記したいと思います。

追記: 1弦の金属音に耐えられずディアマンテに変更

最初は1~3弦すべて青色のマエストラーレを使っていたのですが、どうも1弦の金属的な音が気になってきました。2,3弦はそうでもないのですが1弦はちょっときついです。

しょうがないので付属していたディアマンテの1弦を張ってみました。

1弦だけディアマンテ、ほかはマエストラーレ

1弦だけ普通の弦にするだけでこんなにも見た目が落ち着くとは。

音はマエストラーレのすごく良く鳴る感じではなく落ち着いた感じです。意外と違和感はないですが、2,3弦が1弦よりも前に出るのは不思議な感じです。

追記: 青いポリマー弦がキュッキュッと鳴る、全体的に荒っぽく大味

青いポリマーでできた高音弦がこのセットの特徴なのですが、弦の滑りが悪く、左手のスラーや右手の肉の部分が弦の上を滑った時にキュッキュッと気持ち悪い音が鳴ります。

良いたとえが見つからないのですが、新品の家電のつるっつるのプラスチックの上で指を滑らせたような、といえばわかるでしょうか。

雑音にしかならないのと、滑りが悪くて弾きづらいのでちょっと気になります。

また、ずっとこの弦を使っていると、良く鳴りすぎて逆に荒っぽく思えてきます。合う曲、合わない曲がありそうです。

追記: 低音弦の寿命は普通でした

高い弦なので寿命が長いといいなぁと思っていましたが、寿命は普通でした。平日に1時間、休日に2時間弾くというペースで2週間すると低音弦の輝きがなくなります。

良く鳴って面白い弦ではありますが、ちょっと高いかなぁ。

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