プロアルテのノーマルテンションを張っていい感じだったので他のプロアルテのレビューです。
最も最近に出たカーボン弦であるEJ45FFです。
サバレスのアリアンスと同じフロロカーボン製の弦ですが、音質は違っていました。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
高音カーボン、低音ダイナコアのセット
以前まとめたプロアルテ製品一覧によると、EJ45FFは高音がカーボン弦、低音がダイナコアのノーマルテンションのセットです。
名前がいまいちだと思うのですが、「ダイナコア(Dynacore)」が高音チタニウム、低音ダイナコアのセット、「カーボン(Carbon)」が高音カーボン、低音ダイナコアのセットで、どちらも低音はダイナコアです。
製造元のダダリオのHPによると、もっとも「輝かしい」音のセットなのだとか。これまで使っていたEJ45が普通なので違いが楽しみです。
パッケージ裏を見ると、ダダリオは100年以上の弦の歴史がある!と言ってますね。地味に知らなかったです。
中袋。ちゃんと空気を遮断する袋に入っています。サバレスのカンティーガシリーズはこうなってないので、湿気が多い日本ではプロアルテの方が安心感があります。
下の方に「世界初の弦のリサイクルプログラム!」と宣伝してますね。なんかポイント的なのがあるみたいですが、ホームページを見るとアメリカだけの開催のようです。残念。
低音弦は見た目は普通のプロアルテと変わらず、高音は細いけどそれほどでも?
早速張って行きます。今張っているのがプロアルテノーマル(EJ45)なので比較していきます。
6弦の比較。見た目は一緒です。多少、ダイナコアの方が銀色の輝きが強い気もしますが、経年劣化の可能性も。
見た目はあまり違わないですが、弦そのものはダイナコアの方がしなやかです。極細の繊維をより合わせているようなので、そのためでしょうか。はやりのサバレスのカンティーガもしなやかなので、今はこういうのが流行なのかもしれません。
カーボン弦をよく使う3弦の比較。こちらは全然太さが違う!というほどではありませんが、やはりカーボン弦の方が細いです。ちなみに、ノーマルが1.0236mm、カーボンが0.84074mmだそうです。
1弦の比較。こちらはもっと差が小さいです。ノーマルが0.7112mm、カーボンが0.6096mmです。
高音弦もナイロン弦より細いせいかしなやかで、張りやすいです。
低音弦も高音弦も輝かしい
張った感想は…とにかく低音弦も高音弦も輝かしいです。
ノーマルの低音弦は暖かさがあるというか、柔らかいというか、少しこもったところもありますが、ダイナコアはとにかく明るくよくなります。金属的な音もしつつ、ハイポジションでもこもらずに開放的に鳴るのは弾いていて楽しいです。
高音弦はさすがカーボン弦というべき音で、こちらも開放的でよく鳴ります。しかしながら、サバレスのアリアンスのように音質の差がつけづらいとか金属的な音がしすぎるということはなく、ナイロン弦に対する音質上の違和感は少ないです。開放的に鳴りすぎるところは好みは分かれるかもしれません。
個人的には2弦、3弦はカーボンで良いかな、と思いました。1弦はカーボンでもいいし、ナイロンでもそれぞれに良いところがあるような。。。もうちょっと弾きこんでから考えたいと思います。
ちなみに、1弦がナイロン、2,3弦がカーボンとか、1,2弦がナイロン、3弦がカーボンという高音弦セットもあります。上記で紹介したプロアルテまとめページにあるので参照ください。
気になるのは1弦のテンションが高い点です。スペック上もノーマルの7.360㎏に対して9.665㎏とかなり高くなっています。9㎏台後半の弦ってなかなかないです。何しろプロアルテのエクストラハイテンションですら7.9㎏。弦が細いの抑えづらいということはなく、弾けないというほどではありませんが、やはりそれなりの抵抗を感じます。ちなみにハイテンション(EJ46FF)になると10.323kgと堂々の10㎏越えです。プロアルテの張力表示は理論値のようですが、さすがにちょっと怖くて張れません。
2弦~6弦もやはりノーマルに比べるとテンションが高く、抵抗を感じますが、反応が良くて1弦も含めて力を入れたら入れただけよく鳴るのでそれほど気にはなりません。サバレスのニュークリスタルもいい弦なのですが、力を入れていってもどこか鳴りきらない感がしていたので、そこはさすがカーボン弦です。
特筆すべきは低音弦の安定の速さ。ちょっと弾いていたらほとんど音が下がらなくなりました。高音弦も2,3弦の安定は早いです。1弦だけはだらだらと下がり続けているのがちょっと気になります。
1弦が切れた!!
と、思ったよりもいい感じで気に入って弾いていたのですが、突然バチン!という音とともに右手小指の付け根に痛みが。
なんだこれは!と思ってみると1弦が切れてました。
私のギターはダブルホールなのですが、どうも二度目に穴に通す前の駒飾りに当たる部分で切れたみたいです。駒飾りが今まで張った弦で少し削れており、その鋭い部分が細いカーボン弦にあたって切れたのでしょうか?
幸い、被害は右手小指付け根がちょっと流血しただけでしたが、ちょっと怖いです。弦が細い分、ちょっとした傷にも弱いのでしょうね。
張る前からあった傷のせいなのか、駒飾りとの相性なのか、ただの偶然なのかわかりませんが、しばらくはびくびくしながら弾くことになりそうです。
追記:張りなおした弦を翌日見てみると大変なことになってました。
1弦のブリッジと当たるところがつぶれたようになっており、白くなっています。サドルと当たる部分もやはり白くなっています。切れた時もここが切れたのではないかと。
弦を外してみるとこんな感じです。見事に白くなっています。
輸入元にも問い合わせてみたのですが、そのような事例はないとのことで、ギターとの相性かもしれません。。。初めてこの弦を張る方は注意した方がいいかもしれません。私はもう一回同じ弦を買って試してだめならあきらめようかと思います。
今は一度外したプロアルテ ノーマル(EJ45)の1弦を張りなおしました。この組み合わせもいい感じです。
音がこもらない弦を探している人には最適なセット
個人的には輝かしく、こもらず、開放的に鳴るこの弦は気に入りました。
気になるのは価格です。定価は何と堂々の4,500円+税。半額でも2,500円近くします。
安いところを探すと2,000円を切る価格で買えますが、それでも弦の中では高価な方です。ちなみに、地味にアマゾンが安いです。
現地アメリカでは12ドルくらいで売ってるみたいなので、それでも高いのですが。。。
メーカーの言うように寿命が2,3倍持つようであればお得かもしれません。交換するときになったら振り返って追記したいと思います。
(追記): 3週間ほど張ってみました。低音弦の金属的な音はだんだん収まってきて、いい感じになりました。高音、低音ともに安定は早いです。低音弦の寿命は触れ込みほどは持たないかな?と思いました。音自体は急激に劣化しませんが、フレットにあたるところがへこんでくるのは変わりません。