クラシックギター弦各社から廉価版の弦が出ており、普段使いにそのような弦を選ぶ方も多いかと思います。今回試すのは日本ではあまりメジャーとは言えない、ラベラの廉価版弦です。思っていたよりもずっと品質の高い弦でした。自称「世界で一番売れているクラシックギター弦」です。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
1640年代の老舗弦メーカー、ラベラ
ラベラというと、日本では昔ながらの弦という印象があります。
そもそもラベラの創業は1640年代とかなりの老舗。世界最古の家族経営弦メーカーであるとうたっています。
ラベラの弦についてはこちらを参照ください:
スイートワン?スイートーン?
そんなラベラが製造する廉価版の弦がSweetoneです。
Sweetと、Oneと、Toneから作った造語ではないかと思いますが、どう読むのが正解なんでしょうね?型番が「Model 1-S」とあり、「1」が入っているので、この記事ではスイートワンと読むことにします。
パッケージで損をしているような
そんなスイートワンのパッケージがこちら。
…なんというか、悪い意味でクラシックギター弦らしくないパッケージです。子どものおもちゃとか、アコギとか、そういう感じのポップなデザインといえるかと思います。ギターの前後にあるシンバルのような4つの丸は何なのでしょう?
世界で一番売れているクラシックギター弦セット、らしい
パッケージ裏はこちら:
「ラベラのスイートワンは世界で最も売れているクラシックギター弦セットです」と堂々と書いています。客観的な指標がないので本当なのかは分かりませんが、少なくともラベラのなかでは最も売れているセットなのでしょうね。
ラベラのHPには、スイートワンはクラシック学習者向けのセットであり、初心者に向いているとあります。クラシックギターをよく弾く学生はすぐに弦がへたるので、弦交換費用が馬鹿にならないのでしょうね。
そしてさらに、明るい音が特徴と書かれています。
1~3弦はナイロン、4~6弦は銀メッキの巻き弦です。
廉価版なのに弦番号識別がついている
弦は空気や湿気を遮断するパッケージに入っています。
中身はこちら:
廉価版らしく、6本の弦がすべて1つのエンベロープに入っています。しかしながら、普通の廉価版弦は特に何も書かれずに6本の弦がまとめて入っていますが、スイートワンには1つ1つにサイコロ状の弦番号を示すものがついています。
何もついていないと、1弦と2弦、2弦3弦など、意外と見分けるのが面倒ですが、これはうれしいサービスです。
確かに明るい音、深みは出てくるか?
テンション情報はありませんが、張ってみた感想はノーマルテンションくらいの印象です。
そして、売りにしている「明るい音」は確かに感じられました。明るく、よく鳴る、弾いていて楽しい弦です。
ただ、一方で音の深みという点では一歩劣るような気もします。廉価版だから仕方ないところもあるかもしれませんが、もしかすると2,3日で音が変わる可能性もあるかもしれません。また追記したいと思います。
(追記): 最後まで元気のいい音を見せてくれましたが、音の深みという意味では高い弦には一歩劣るかな、という印象でした。とはいえ、寿命も普通以上でしたし、コストパフォーマンスは高いと思います。
安くて使えるコストパフォーマンスの高い弦
ラベラのスイートワンは、安いのに使える、コストパフォーマンスの高い弦であるように感じました。
価格はかなり安く、サウンドハウスでは800円ほどで売っています。
クラシックギターの弦のコストを抑えたいけど、一方で音にもこだわりたい方にぜひ使ってほしい弦です。