日本のクラシックギター弦といえば今一番頑張っているのはフィガロ弦だと思いますが、実は大手メーカーのヤマハもクラシックギター用弦を出しています。実はこれまで私はなんとなくのイメージでヤマハの弦を避けていました。これではいけないと使ってみることに。すごく昔ながらの音がして良い弦でした。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
ヤマハ製のクラシックギター弦についてはこちらの記事で詳しく紹介しています:
2種類の弦を販売しているヤマハ
ヤマハは現在2種類のクラシックギター用弦を販売しています。
1つはNS110と呼ばれる廉価版の弦:
もう1つが今回レビューする高級版のグランドコンサートです:
高級版といっても千円そこそこなので最近の弦の中ではかなり安いほうです。
これらの弦はヤマハ製のクラシックギターに標準でセットされているようです。社内で十分な数が出るから自社製造できるのかもしれませんね。
ヤマハ製クラシックギター弦の詳細はこちらの記事を参照ください。
パッケージがやたらと豪華なグランドコンサート弦
パッケージをもって最初に思ったのは、やたらと分厚いな、という感想です。横から見るとこんな感じ。
普通のクラシックギター弦のセットはもっとペラペラで薄いのですが。。。箱に入っていないのに箱入りのクラシックギター弦よりもぶ厚いです。
開けてみてわかりましたが、1つ1つの弦が入っているエンベロープが厚紙でできておりやたらとぶ厚いのです。弦を保護するためだと思われますが、こんなにぶ厚いのは初めてです。
ちなみに、それぞれのエンベロープに書いてありますが、弦は日本製ではなくインドネシア製だそうです。さすがに国産は厳しいか。。。
パッケージの裏には型番が書いてあります。セットがS-10、1弦から6弦がS-11, S-12, …, S-16となっています。それぞれの弦に独立したバーコードがついており、バラ弦でも売っているようです。さすが天下のヤマハ、素晴らしい。
落ち着いた暖かみのある音がする低音弦
低音弦は普通の銀メッキされた銅巻きの弦です。
見た目的には何の変哲もない低音弦ですが、弾いた感じも昔懐かしい、いわゆるクラシックギターの音がします。
最近はやりのクラシックギター弦のように立ち上がりが早い音がするわけではなく、太く暖かみのある音がします。そうそう、クラシックギターってこういう音だよね、という音です。
昔からクラシックギターをやっている人にとっては、この音にあこがれてはじめた、そんな音なのではないでしょうか。
張りは強くなく、ミディアムからミディアムローのテンションといった感じです。
一点気になったのは、6,5弦に対して4弦がやたらと細くてふにゃふにゃな点です。なんか耐久力がなさそうな雰囲気があります。
キンキンなんてまったくしない高音弦
この特徴はナイロン弦である高音弦も同じです。
立ち上がりが早い音ではなく、音量が稼げるわけではありません。3弦はいわゆるぼけた系の音です。それでも、クラシックギターってこんな音だよね、と思わせる音です。キンキンなんてまったくしません。
日ごろカーボン弦ばっかり使っている人も、たまにこの弦を使うと癒されそうです。
3弦は割と太いですが、全体的にそれほどテンションの高さを感じず、弾きやすいと感じました。
現代的な音を追い求めている人も一度は使ってほしい
最近はとかく立ち上がりが早く、大音量の弦がもてはやされます。
そんな音を追い求めている人も一歩立ち止まってこの弦を使ってみてほしいと思います。
昔ながらの弦であるオーガスチンやプロアルテとも違った、日本人にとってのクラシックギターの音が感じられるかと。価格が安いのもうれしいところです。
ヤマハなんて、とメーカー名だけで敬遠している人、損をしているかもしれませんよ。