軽量ハードケースの代名詞!カーボン製の「アランフェスギターケース カムフラージュ」をレビュー

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アランフェスギターケース カムフラージュ カーボン ギター用品

チェロやコントラバスに比べれば軽いものの、クラシックギターは意外に重いです。丈夫なハードケースに入れて持ち歩くなら、できるだけ軽いケースが正義。今回は軽量なカーボン製の「アランフェスギターケース カムフラージュ」を手に入れましたのでレビューしたいと思います。

意外と重いクラシックギターの持ち出し

クラシックギターを外に持ち出そうと思うと意外と重いです。

ギター本体は1.5kgから2kgほどなのですが、それにケースの重みが加わります。木製の楽器なのでしっかりと守る必要があるのですが、丈夫なハードケースは3kg~5kgほど。あわせるとかなりの重さになります。

このほかにも足台、楽譜、爪の手入れ用品などを持ち出そうと思うとそれなりに重くなり、目的地に着いた頃には汗だくで疲れているという方も多いでしょう。

軽量なカーボン製クラシックギターケース「アランフェスギターケース カムフラージュ/ナチュラルカーボン」

丈夫でかつ軽いという贅沢な要求をかなえてくれるクラシックギターケースが、「アランフェスギターケース カムフラージュ」と「アランフェスギターケース ナチュラルカーボン」です。

どちらも外装に軽量で丈夫な素材であるカーボン繊維を使用しており、同等の強度をより軽量に実現しています。

これら2つの違いは形状と色使い。

カムフラージュはネック部分がなめらかな曲線を描いており、かつ本体の色が迷彩調の「カムフラージュ」色です:

色はブルー、レッド、ミックスの3色展開となっています。

一方、ナチュラルカーボンはネックが細く、ヘッドが大きくなっている昔ながらのアランフェスギターケースの形状で、単色の色となっています:

色はブラック、ブルー、レッドの3色展開です。

どちらも重さは同じ2.3kgであり、色や形状の好みで選ぶとよいでしょう。

アランフェスギターケース カムフラージュをレビュー

それでは私が手に入れたアランフェスギターケース カムフラージュをレビューしていきます。色はブルーです。

意外と扁平で愛嬌のあるデザイン

このアランフェスギターケース カムフラージュ、SIEの公式サイトの写真を見ると以下のようにスッキリとしたスマートなデザインに見えます:

出典:モデル一覧:クラシックギター:ケース:アランフェス(Aranjuez)|クラシックギターやケース・バイオリンなら古銘器の弦楽器専門輸入卸のSIE(エス・アイ・イー) (siejapan.com)

ところが、実際に現物を見てみると扁平で愛嬌のあるデザインでした:

上の写真でも扁平さが表し切れていませんが、BAMケースと並べるとわかりますでしょうか?

なんというか、誤解を恐れずにいえばアランフェスギターケースのほうはオオサンショウウオのような見た目です。

このように感じる理由は2つあります。1つはアランフェスギターケースのほうが横幅が広いこと。もう1つはアランフェスギターケースのほうが高さが低いことです。

このデザインが悪いということはまったくないのですが、宣伝写真から受ける印象とは少し違うので、デザインにこだわる方は現物を見た方がよいかと思います。

軽さは正義!2.3kgはかなり軽い

肝心の軽さですが、スペック上は2.3kgとされています。

この数値、BAMケースの2.8kgと0.5kgしか違わないのですが、実際に持ってみるとかなりの差を感じます

特に長時間背負ったり手で持ったりして歩いたときの疲れはかなり違うのではないでしょうか。

3kg以上の重さのハードケースを使っている方はもちろん、BAMケースが重いと感じている方も検討の価値ありです。

ちなみにギターケースはカーボンだから軽いというわけではありません。たとえば、ヴィセスナットのカーボンケース(日本未発売)は4.2kgありますし、GEWAのカーボンケースは2.8kgあります。

カーボンという素材を軽さに使うのか、それとも丈夫さに使うのかという思想の違いであり、カーボンだから軽いと考えるべきではありません。

厚みが薄くて電車やバスに持ち込みやすい

アランフェスギターケース カムフラージュのもう1つのメリットとして、ケースの厚みが薄いという点が挙げられます。

BAMケースと比べるとこの通り:

薄いということは人の邪魔になりづらいということでもあるので、電車やバスと行った公共交通機関に持ち込みやすいといえるでしょう。

楽器の保護性能はそれなり

一方、軽さを重視している設計のため、楽器の保護性能はそれなりです。

特にそれを感じるのがケースの蓋側の構造。本当にカーボンの蓋分の厚みしかありません

これだけ薄いので手でひねればたわみます。

ギターを収める側にはそれなりの厚みのクッションがありますが、蓋側はブリッジとネックが当たる部分にクッションがあるだけ:

また、厚みも薄く、ギターを収めると上の3分の2くらいが収まらずに出ています:

徹底して軽さを重視している構造といえるでしょう。

ちなみにいろいろなサイトを見ると、クッションの構成や構造はロットによって異なるようです。最新版ではまた違ったものになっているかもしれません。

金具は開けやすく閉めにくい

ケースをロックするための金具はこんな見た目です:

この金具、開けるのはワンタッチなのですが閉めるときは部品を指で引っかけなくてはなりません

しかも金具が5カ所もあります。不意にケースが開いてしまう事態は避けやすいかもしれませんが、閉めるときは少々面倒といわざるを得ません。

また、鍵はありません。ケースごと持ち去られたら鍵がついていてもしょうがないので鍵の有無はあまり気にしなくてもよいのかもしれませんが、満員電車などで人と触れあって金具が開いてしまうということは起きるかもしれません。

手に入れやすくて軽いクラシックギターケース

アランフェスギターケース カムフラージュはカーボン製かつ割り切った設計で2.3kgという軽さを実現しています。

全国の楽器店で購入できるので入手性もよく、ハードケースが使いたいけど重さが・・・と悩んでいる方におすすめです。

注意点としては軽さにこだわった設計のため、楽器の保護性能は必ずしも完璧ではないという点。軽さと保護性能は相反するところがあるので、ここは割り切るしかありません。

とはいえ、ほかの素材に比べれば同じ軽さで高い保護性能を実現しているのは間違いありません。楽器を持ち出す機会が多い方はぜひ候補の1つに加えてみてください。

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