昨年発売されたものの、しばらく在庫がどこにもなくて買えずレビューできていなかった弦をようやく買えました。久々の日本メーカーの新作クラシックギター弦 「ヤマハ GSC28」 です。もしかしてプロアルテノーマルと同じ弦?という疑いもありますが、悪くない弦です。

以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
ヤマハ製のクラシックギター弦についてはこちらの記事で詳しく紹介しています:
GSC28の特徴について
GSC28は2024年7月に発売されたヤマハのクラシックギター用新作弦です。
これまでヤマハは廉価版のNS110と、高級品のS10(グランドコンサート弦)という弦を販売していました。
GSC28はこれらを置き換えるものではなく、少なくとも今のところはこれら3つの弦が併売されている状況です。
低音弦のテンション感が高い
ヤマハはこのGSC28について、
・リッチなトーンと快適な弾き心地
・NS110やS10と比べて、低音弦のテンション感が高いのが特徴です
と述べています。
最近はスピード感がある音が求められるので、硬めの弦にしたのでしょうか。
高音弦と低音弦の芯線は伝統的なナイロンです。
ヤマハのクラシックギターの標準弦にはなっていない
ヤマハは多くのクラシックギターを販売していますが、サイトを確認する限り、GSC28はヤマハ製ギターに標準で張られている弦にはなっていません。
本記事執筆時点での状況をざっくりまとめると以下のようになっていました:
楽器のクラス | 高音弦 | 低音弦 |
廉価品(CG/CGXシリーズ) | ヤマハ S10 | ヤマハ S10 |
中級品(GC22C, GC12S) | ヤマハ S10 | ヤマハ S10 |
高級品(GC42, GC32シリーズ) | サバレス アリアンス | ヤマハ S10 |
最高級品(GC82, GC70シリーズ) | オーガスチン リーガル | オーガスチン 青 |
最高級品に自信を持って張れるような弦を期待したいところでしたが、GSC28は価格的にはS10のバリエーション弦といったところなのかもしれません。
本記事執筆時点でヤマハのクラシックギター弦の希望小売価格は以下のようになっています:
弦 | 税込希望小売価格 |
GSC28 | 1,760円 |
NS110 | 1,430円 |
S10 | 1,870円 |
GSC28を実際に張ってレビュー
それでは実際にGSC28を張って弾いてみます。
おしゃれなパッケージ、生産国はアメリカ
パッケージは以下の写真のようにおしゃれです:

6本の線がそれぞれの弦を表しているのでしょうか?
パッケージ裏には弦の太さが書かれています。残念ながら張力についての記載はありません。

太さをダダリオのプロアルテノーマル EJ45と比べると以下のようになっています;
GSC28 | EJ45 | |
1弦 | 0.028インチ | 0.028インチ |
2弦 | 0.032インチ | 0.032インチ |
3弦 | 0.040インチ | 0.040 インチ |
4弦 | 0.029 インチ | 0.029 インチ |
5弦 | 0.035 インチ | 0.035 インチ |
6弦 | 0.043 インチ | 0.043 インチ |
・・・あれ、GSC28とEJ45の弦の太さが小数点第3位まで一致してしまいました。
そして、ダダリオのプロアルテってアメリカ製であることをアピールしてますよね・・・。
昔ながらの透明感の低い高音弦、少し黄色がかった低音弦
パッケージを開けると、すべての弦が1つのビニール袋に入っています。

そして、それぞれの弦には弦番号が書かれた黒いシールがつけてあります。
あれ、このシール、プロアルテでよく見たやつだ・・・。
下の写真の巻いてあるのがGSC28、上に置いてあるのがサバレス カンティーガプレミアムの低音弦です。

違いがわからないのはスマホカメラと私の腕の限界なのですが、実際に見ると低音弦は少し黄色がかっています。
最近の低音弦は銀色が強い印象ですが、プロアルテやオーガスチンなどの昔ながらの弦は黄色がかかっていました。
高音弦も昔ながらの透明感が低い、白色の弦です。
テンションが低くて弾きやすい高音弦、癖がなくてシャリ感が強い低音弦
実際に張って弾いてみた感想です。
張った直後はかなり音がぼやけています。その後時間とともに高音/低音ともはっきりした音に変わり、3日ほどで低音弦の音にかなりシャリ感(金属的な音)が生まれました。
高音弦はテンションが低くて弾きやすいです。ただ、3弦はそれなりに太く、昔ながらのナイロン弦なので音がぼやけ気味ではあります。
低音弦は、重みは少ないですが癖がなく、こちらもやはり弾きやすいです。
癖がないとはいってもスッキリと見通しがよいわけではなく、どちらかというと音が混じり合う印象を受けました。
クラシックギター弦のメーカーとしてはメジャーでないヤマハですが、普通に使える弦という印象です。
・・・定かではありませんが、なんかプロアルテ感があるのですよね。
GSC28はプロアルテノーマルと同じ弦?
ここまでレビューしてきて、ヤマハ GSC28はダダリオ プロアルテノーマルのOEM製品ではないかという疑いが強くなってきました。
状況証拠は、
- 弦の太さが小数点第3位までまったく同じ
- アメリカ製
- 弦番号を黒いシールで示している
- 昔ながらの白いナイロン弦
- 癖のない音
とかなりそろっています。
今のところ確信を持ってGSC28とプロアルテノーマルが同じ弦だとは言い切れません。たぶん、ヤマハに聞いても教えてくれないでしょう。
GSC28の次にプロアルテノーマルを張ってみて、この疑問についてもう少し確かめたいと思います。
ちなみに、世の中ではプロアルテノーマルよりもGSC28のほうが安く売られています:
もしGSC28を使ってみてプロアルテノーマルとの差が感じられないなら、GSC28を使うのも1つの手かもしれません。