弦の評価: サバレス ニュークリスタル・コラム ノーマルテンション(Savarez New Cristal Corum Normal Tension 500CR)

3.5
サバレス ニュークリスタル・コラム ノーマルテンションのパッケージ
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サバレスのコラムといえば、高音弦としてカーボン弦のアリアンスを組み合わせたり、村治佳織はオーガスチンのインペリアルを組み合わせたりしている低音弦ですが、実はサバレス公式のセットとして、高音弦にニュークリスタルを組み合わせたものが存在しています。今回はそんなニュークリスタル・コラムのノーマルテンションを試してみたのでレビューしたいと思います。

高音弦がニュークリスタル、低音弦がコラムのセット

このニュークリスタル・コラムはその名の通り、

  • 高音弦: ニュークリスタル
  • 低音弦: コラム

を組み合わせたセットです。

最近のサバレスは高音弦と低音弦で別のブランド名にしており、それらをさまざまに組み合わせたセットを販売しています。そのあたりの事情は以下の記事を参照ください。

日本ではコラムというと、高音弦にフロロカーボンを使用したアリアンスを組み合わせるのが一般的です。

また、村治佳織はコラムのハイテンションにオーガスチンのインペリアルを組み合わせて使っています。

今回はちょっと変わり種ということで、ニュークリスタル・コラムを試した次第です。

ニュークリスタルとコラムを組み合わせたデザイン

ニュークリスタル・コラムのパッケージはこんな感じです:

コラムとニュークリスタルのパッケージは以下のようなものであり、まさにこれらを一緒にしたようなデザインとなっています。

このあたりのデザイン感覚はさすがフランス製というところでしょうか。

パッケージ裏にはニュークリスタルとコラムのそれぞれの特徴が書かれています。

訳すと以下のような感じでしょうか。

特徴
ニュークリスタル完璧なバランスとクリアで力強いサウンド。
柔軟、快活、繊細、そして正確なレスポンス。
コラム他のサバレスの硬い弦と同じように速いレスポンスと音質を持つ、柔軟な弦。
表現の幅が広がる。

パッケージの中身は、それぞれの弦が個別のエンベロープに入っています。

ニュークリスタル・コラムのために専用のエンベロープを用意するのではなく、ニュークリスタルとコラムそれぞれ別に生産し、それらを1つのパッケージに入れるだけという合理的なやり方です。

意外と柔らかい音がするコラム

コラムというと日本では、速いレスポンスが特徴の弦とされています。

しかしながら、今回使って思ったのは、意外と柔らかく広がる音がするというものです。

上で説明したとおり、サバレス自身は「他のサバレスの硬い弦と同じように速いレスポンスと音質を持つ、柔軟な弦。」といっており、コラムが他に比べてレスポンスが速いとはいっていないのですよね。

あくまで、柔軟な弦なのにレスポンスが速い、といっているだけです。

この感想は以前村治佳織セットを試したときも同じでした。

荒い貿易は「速いレスポンスが特長」といっていますが、これを信じてはいけないかもしれません。

もしかすると、コラムと組み合わせるのはカーボン弦のアリアンスが一般的のため、そちらの印象に引きずられて「レスポンスが速い」という印象が出回ってしまったのかもしれませんね。

テンションは、ノーマルテンションの上に弦が細めなので、柔らかくて弾きやすいです。

太くて深い音がするニュークリスタル

ニュークリスタルはもはやカンティーガとの組み合わせで定番となっている高音弦であり、安定感があり、太くて深い音がします。

もはやナイロン弦としては定番といっても過言ではないでしょう。

コラムと組み合わせると両方とも柔らかめの音で、ガツガツと弾くよりもまったり弾きたい人におすすめです。

テンションも柔らかめで弾きやすいといえます。

柔らかい音が好きな人におすすめのセット

このニュークリスタル・コラム ノーマルテンションはテンションが低く、音も柔らかいため、クラシックギターらしい柔らかい音を好む人におすすめです。

コラムはちまたでいわれているような「レスポンスの速い音」ではないので注意してください。

あまりメジャーなセットではないですが、このセットでしか出せない音がするので、はまればはまる弦だとおもいます。

最近の弦は、どちらかというと大きく、前に出る音のものが多いですが、そのような音に飽きた人も一度試す価値があると思います。

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