弦の評価: 村治佳織使用セット オーガスチン・インペリアル + サバレス コラム 青(ハイ) (Augustine Imperial + Savarez Corum High)

4.0
村治佳織が使っているクラシックギター弦: オーガスチン・インペリアルとサバレス・コラムのセット
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あこがれのギタリストと同じ音が出したいという気持ちはギターを弾く人は誰もが持っているものかと思います。同じギターとなると価格の面からなかなか難しいものがありますが、弦であればそれほど高くないので簡単にまねができます。そんなあこがれが多いギタリストの一人である村治佳織の使用弦セットのレビューです。

以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています:

サバレスについては以下の記事も参照ください。

オーガスチンの弦については以下の記事も参照ください。

高音がオーガスチンのインペリアル、低音がサバレスのコラム(青、ハイテンション)

村治佳織は複数のギターを持っていますが、使っているのはすべて以下のセットだそうです:

高音弦オーガスチン・インペリアル
低音弦サバレス・コラム 青(ハイテンション)

ずっと前からこのセットだったので今は変わっているのかな?と思いきや、現代ギター2019年12月号のインタビューによると今でも変わっていないそうです。

この村治佳織が使っている弦のセットはやはり需要があるらしく、いろいろな店でこのセットが売られています。店によってはイニシャルをとって”KMセット”(==Kaori Muraji)とか呼ばれています。

このような売られ方をされる弦は他にあまりないので村治佳織の人気の高さを物語っています。さすがはエッセイも出しているクラシックギターだけにとどまらない人気のアーティストです。

セゴビアも使用していたオーガスチン・インペリアル

高音のオーガスチン・インペリアルはあのセゴビアも使用していたといわれている高音弦です。

オーガスチンの高音弦というと、黒・赤・青に共通で使われているクラシックといわれる弦と、音程を改善したリーガルといわれる弦が有名ですが、インペリアルも昔からある弦です。

素材はリーガルと同じですが、少し細くしてテンションを落とした弦となっています。

とはいえ、以下の記事でも書きましたが、実はそれほどリーガルとのテンション差はないです。にもかかわらずリーガルとの差を感じるのは面白いです。

テンションはハイテンションといっていいかと思います。

とにかく細くてしなやかなサバレスのコラム

一方、低音弦のコラムはかなり個性的な弦です。

特徴はとにかく細くてしなやかなところ。他の弦と比べて細くてしなやかなので、巻弦は太くて弾きづらいと思っている人にもお勧めです。

日本では高音弦はカーボン弦のアリアンスと組み合わされることが多いですが、ナイロン弦のニュークリスタルとのセットもラインナップにあります。

テンションはノーマルとハイの2種類があり、村治佳織はハイテンションを使用しているそうです。高音弦も低音弦もハイテンションですね。

実際に張ってみた

この村治佳織使用セット弦を入手して張ってみました。

まず、高音弦は非常に透明度が高いです。

上に乗っているのがインペリアルの3弦、貼ってあるのがラベラの2001ですが、透明度が全然違います。また、透明度だけでなく表面の平滑度も高いのかきらきらと光を反射します

低音弦は前評判通りしなやかで細いです。硬い低音弦だと指でつまんで持っても形を維持しますが、コラムは糸か?と思うほど柔らかいです。

また、細さも結構なもので、よく見るとなんとなく弦の太さのバランスに違和感を覚えます。

こちらが張った後の写真です。違和感がありますか?

木が響く素朴な音がするインペリアル

では肝心の音の方を。

高音弦のインペリアルは非常に素朴な音がします。一言でいうなら木が響いている音がします。

といっても柔らかい音ではなく、木の硬さを出しつつ、その中にある柔らかさも感じさせる音です。そのような音がまっすぐ前に飛ぶのではなくふわっと広がる感じです。

また、オーガスチンらしく色気と艶のある音がします。

一方、今時の弦と比べて最大音量が低い気がします。カーボン弦などは力を入れれば入れるほど音が出る印象ですが、インペリアルはある程度まで音量を上げるとそのあとは音量ではなくノイズ的な成分が増えてくる感じがします。

柔らかくて音色の変化がつけやすいコラム

一方、低音弦のコラムはそのしなやかさのおかげで非常に音色の変化がつけやすい弦であると感じました。

細い弦ということでもっとキンキンと金属的な音がするのかと思いきやそんなことはなく、むしろ柔らかい音がします。かといっておとなしくてぼんやりした音かというとそんなことはなく、明るくて元気ではっきりした音です。

ただ、こちらもやはり今時の音量がガンガン出る弦ではないと感じました。

今まであまりサバレスのコラムは使ってこなかったですが、意外と良い弦です。

相性も良さそう

さすがに村治佳織が使っているだけあってインペリアルとコラムの相性は良さそうです。

どちらも今時はやりの音量が大きくて前に出てくる弦ではありませんが、しっかりとその楽器の良さを引き出してくれる弦だと思いました。

音量とか迫力を求めるなら他に弦がありますが、音色とかギターという楽器本来の音を楽しみたいならいいセットではないでしょうか。

後は寿命がどれくらいか、かな

村治佳織が使っている!ということもあって使う人が多いのかと思いきや、普通にいいセット弦でした。

後は低音弦のコラムの寿命がどれくらいかが気になるところでしょうか。元気の良い弦は寿命も短いような気がするので。

寿命についてはまた追記したいと思います。

(追記) 寿命は意外と長かった、安定は遅め

その後使っていると、コラムの音はだんだんと落ち着いていきました。グォーンといった感じの低音ではありませんが、音の変化がつけやすい素直な低音が出ます。

そして、その状態が意外と長く続き、寿命が長いといわれているサバレスのカンティーガプレミアムと同じくらい持ちました。これなら上々だと思います。

一方、コラムの音の安定は遅く、高音弦のインペリアルと同じくらいの日数がかかりました。これは今まで使ってきた中でも安定が遅いほうです。

総じて良い弦であったというのが感想です。

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