新製品の弦です。ダダリオから寿命の長さにこだわった弦がリリースされました。それでいて音を犠牲にしていないところを売りにしています。まだ日本では発売していないようですが海外から取り寄せて試してみました。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
https://cooksealphoto.com/%E5%BC%A6%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%83%B3%E3%80%81%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81/
実はプロアルテではない
このXTシリーズ、詳細については以下の記事を参照ください。
従来の弦の4倍長持ちするということをうりにしています。
実はこのXTシリーズ、プロアルテではありません。これまではクラシックギター用の弦は”プロアルテ”という商品名がついていました。
これに対してXTシリーズはクラシックギターだけでなくアコギ、エレキ、バンジョー、マンドリンなどのすべての楽器で共通のシリーズ名となっています。
それだけこのXTシリーズに力を入れているのでしょうね。
クラシックギターとは思えないパッケージ
では早速開けていきたいと思います。
パッケージはこのような感じになっており、クラシックギターとは思えない近代的な見た目です。
XTシリーズを示す”X”が浮き出た形で出ています。
プロアルテシリーズのパッケージと比べるとこんな感じです。プロアルテはどこか古風な感じのデザインですが、XTはサイバーな雰囲気すらあります。
パッケージ裏もこのような感じで、かっこいいパッケージになっています。
パッケージを開けるとテンションの情報が書いてあります。この情報、買う前に欲しいので開封前に書いておいてほしいのですが。。。
弦はちゃんと空気を遮断するパッケージに入っています。このパッケージ、再利用可能なジッパーがついています。プロアルテの時はなかったような。。。
見た目は普通の弦と全く変わらない
弦の見た目は普通の弦と全く変わりません。
コーティングされていることがわからない低音弦
XTC45は低音弦にコーティングがされており、これにより寿命が4倍になるといわれています。
上に置いてあるのがXTC45の6弦、張ってあるのがラベラ2001のミディアムハードテンションです。まったく変わりません。
手に持った感じも多少滑りがいいかな?という程度で渡されてもまったくわからないと思います。
上の写真は6弦だけXTC45に張り替えた状態です。まったくわかりません。
普通のプロアルテと同じナイロン弦の高音弦
一方、高音弦は従来のプロアルテと変わらず、ナイロン弦が使われています。
これだけ新技術が使われていることをアピールしている弦なのでチタニウムとかカーボンとかでもいいと思うのですが、伝統的なナイロン弦になっています。
当然見た目も変わりません。
もしかするとXTC45が好評ならコンポジットのXTC45Cとか、チタニウムのXTC45TTとか、カーボンのXTC45FFとか出すのかもしれませんね。
テンションはEXP45と全く同じ
XTC45はEXPコーティングが使われているEXP45からコーティングをXTコーティングにしたものになっています。
高音弦は前述の通りナイロン弦、低音弦はコンポジット素材の芯線が使われています。
このため、テンションはEXP45と全く同じです。
EXP45はノーマルテンションと言いながらどちらかというとテンションが低めなので、XTC45も低めということになります。
低音弦はコンポジット素材らしく音程の安定が速い、高音弦はナイロンなので長い
張っていて思ったのが、低音弦の音程の安定が速い一方で高音弦は長いという点です。
低音弦は新素材であるコンポジット素材の芯線を使っているので安定が速いです。
一方で高音弦はナイロン弦なのでなかなか安定しません。
この辺りの特性を考えて弦を張り替える必要があるかもしれません。
低音弦の音が輝かしい
XTシリーズのコーティングはEXPコーティングに比べて音の輝かしさが犠牲にならないところを売りにしています。
まだ張った直後ではありますが、確かに輝かしい音がしっかりと出てくれます。
音自体は新素材らしく、反応の速い音がまっすぐ飛んでいく感じで、太い音を響かせる系ではありません。
音自体はなかなかいい、あとは寿命が4倍かどうか?
音自体はなかなか好印象を受けました。高音弦は音程に定評があって暖かい音がするプロアルテの高音弦ですし、低音弦は安定も速くて輝かしいコンポジット弦です。
あとはXTコーティングが宣伝文句通りの効果を発揮してくれるかでしょうか。
弦の寿命は錆によるものと巻線によるものがあります:
上の記事にも書きましたが、よく弾く人は巻線、あまり弾かない人は錆による影響が大きいです。
XTコーティングは直感的には錆による影響は防げそうですが、巻線のずれを防げるかどうか。。。
私は普段は2,3週間で低音弦を変えるので、これがせめて4週間とかになってくれるといいんですけどね。
引き続き劣化具合について追記していきます。
(追記): 低音弦の音程の安定は速い
低音弦ですが、音程の安定が速いです。張ったその日にそのまま使えるくらいです。
また、一週間ほど経つと6弦をDに落としてもそれほど音程がぶれません。さすがコンポジット弦です。
(追記): 銀メッキがはがれにくいが、音はやっぱり劣化する
3週間ほどたちましたが、低音弦の見た目は張った当時と全然変わっていません。
さすがのコーティングのおかげで錆びていません。また、フレットに当たる場所はへこんだりしてはいますが、他の弦のように銀メッキがはがれて銅色が見えるということはありません。
しかしながら、低音弦の音が劣化していないかというとそんなことはなく、だいぶぼやけた音になってきました。
見た目に関しては確かに4倍とか持ってもおかしくなさそうですが、音が4倍持つかというとそんなことはなさそうです。週末だけしかギターを弾かず、だんだんと弦が錆びてきて音が劣化している人には良さそうですが、私のように毎日ギターを弾くような身には多少持ちは良くなるけど劇的には良くならない、というところです。