さまざまな弦をラインナップしているサバレスのなかで、ちょっとマイナーともいえる存在がニュークリスタルです。高音弦はカンティーガシリーズとセットになって使われていますが、実は低音弦にもニュークリスタルがあることをご存じでしょうか。この記事ではそんなニュークリスタルのノーマルテンションセットをレビューします。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています:
2000年代に登場した比較的新しい弦
このニュークリスタル、私の記憶が確かなら2000年代に登場した比較的新しい弦です。
それまでサバレスといえば、ピンクラベルの研磨弦か、アリアンスのカーボン弦だったのですが、そこに新たなナイロン弦を出してきたということで話題になりました。
そして、ニュークリスタルの高音弦は人気のカンティーガシリーズと組み合わされ、今ではプロアマ問わず広く使われています。
一方で、ニュークリスタルの低音弦はあまり使われず、マイナーな存在となってしまった感があります。いまいちな音で人気がないのでしょうか?そのあたりを確認したいと思います。
空気を遮断するパッケージに紙エンベロープ入り
ニュークリスタルのパッケージは、一番外が空気を遮断するビニールのパッケージで、そのなかが紙エンベロープとなっています。
カンティーガシリーズは外側も紙なので、ニュークリスタルのほうが湿気には強そうです。とはいえ、その分実は低音弦にコーティングがないのかな?という推測もできます。
高音弦はその名の通り、透明度の高いクリスタルクリアなナイロン弦です。
低音弦は銀メッキの弦です。
…と書いていて、すごく普通過ぎてあまり書くことがない弦だと思いました(笑)。いや、変に奇をてらうよりもずっといいです。
歯切れがよく、よく鳴る低音弦
まずはニュークリスタルオリジナル(と思われる)低音弦から。
歯切れがよく、前に出る音がする弦だと思いました。
カンティーガだとこれにもっと繊細さや柔らかさが加わるのですが、より昔ながらのサバレスっぽい歯切れのよさを感じます。特に5弦がよく鳴るように感じました。
ただ、音の重量感という意味では、カンティーガと比べると同等、カンティーガプレミアムに比べると劣っているかなとも感じました。
個性があってなかなか面白い弦です。なんでこれがこんなに人気がないんだろう?というか、カンティーガの人気がありすぎるのかな?
音がこもらずに前に出る高音弦
そして、カンティーガやコラムと組み合わされる高音弦です。
こちらは安定感があっていいですね。音の芯がしっかりしていて、ナイロン弦なのにこもらない音が魅力です。
そりゃ広く使われるよね、という高品質の弦といえます。
低音弦との相性ももちろん抜群。どちらも前に出るタイプの弦なので、弾いていて楽しくなります。
思っていたよりずっといい弦、カンティーガに飽きた方は試してみては?
ニュークリスタルのセットは思っていたよりもずっといい弦でした。
ただ、カンティーガに比べて安いわけではなく、同等の価格なので、それならカンティーガを買うよという方が多いようにも思いました。
みんながカンティーガ使っているからカンティーガを使ってるけど、なんか低音弦が違うんだよね、と思っている方は一度使ってみる価値があるかと思います。