弦の評価: オーガスチン 黒(Augustine Classic/Black)

オーガスチン 黒 BLACK
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オーガスチンといえばクラシックギター用ナイロン弦の元祖。その中でも最初に発売されたのがオーガスチンの黒です。いわば、最もクラシックギターらしい音をした弦であるといえます。そんなオーガスチンの黒を張ってみたのでレビューします。確かに、柔らかい音がしてギターらしい弦でした。

世界初のナイロン製クラシックギター弦

オーガスチンの黒といえば、クラシックギター弾きならだれでも知っている、いわばレジェンド的な弦です。オーガスチンについては以下の記事を参照ください:

オーガスチンの黒といえばナイロン弦の元祖であり、今のクラシックギターの音を作ったといっても過言ではない製品。

なのですが、これまで30年近くクラシックギターを弾いてきて、私は一度もオーガスチンの黒を張ったことがありませんでした。たくさん弦をレビューをしているのにこれではいけないと、試してみた次第です。

かなり変更されたパッケージ

オーガスチン黒のパッケージはこんな感じ:

しっかりとした厚みの紙でできています。プロアルテの弦に近い感じです。昔はもっとペラペラだった気がするのですが、いつのころからかこのスタイルに。

裏にはこれまたレジェンドのセゴビアのお姿が。ちなみに、最終的にセゴビアが愛用したのは、オーガスチンのインペリアルとゴールドのセットだとか。

中は少し変わっていて、1&4,2&5,3&6弦が1つのスリーブに入っています。そして、これらをまとめてビニールで空気を遮断する形で包まれています。

低音弦と高音弦を1まとめにして入れるというのはあまり見ないスタイルです。これも昔はそれぞれの弦が1つずつ入っていた気がするのですが。。。

空気を遮断するビニールはしっかりしていて、保存もききそう。これも、昔はペラペラのビニールで、新品を開けたらさびていた、ということがあった記憶があります。

張ってみるとこんな感じ。これこそクラシックギター!という見た目ですね。

少しくすんだ、柔らかい音の高音弦

早速張ってみました。高音弦は昔ながらのナイロン弦らしく、弾性の少ない硬めの弦。半透明の色が懐かしいです。

オーガスチンの青、赤、黒と呼ばれるシリーズは実はどれも同じ高音弦を使っています(詳しくはこちら)。このため、黒はローテンションという位置づけではあるのですが、違いは低音弦だけ。したがって、高音弦はそれほどローテンションではありません。

音は今どきの弦のようにピーンと透明感のある音が突き抜ける感じではなく、どこかくすんだ、柔らかい音が出ます。昔からクラシックギターをやっている人にとっては、ああ、この音にあこがれてクラシックギターを始めたんだよな、と思わせてくれるのではないでしょうか。

ビブラートもよくききますし、音の変化もつけやすいです。

ただ、音量のことを言い始めると最近の弦のほうに分があります。

ちなみにこの高音弦、太さがプロアルテとまったく同じであることから、実はオーガスチンとプロアルテは同じ高音弦なのでは?といううわさがあります。昔に比べて音程がよくなっていることから、どこかで変わったのでは?とも。

真相はわかりませんが、以下の記事のような話もあるので、まんざら嘘でもないのかもしれません。

丸くて柔らかい音の低音弦

低音弦もやはり丸くて柔らかい音がします。ビーン、という最近はやりの弦の音ではなく、ぽわ~ん、といった感じです。

同じオーガスチンの赤、青と比べても明らかに音が丸くて柔らかいです。個人的にはスピード感の赤、重厚感の青、と思っていますが、黒は丸さと柔らかさの黒、といったところでしょうか。

表面が少しざらざらしていて、指でふれたときに抵抗感があるのはオーガスチン共通のもの。メッキの特徴なのでしょうか?ただ、昔はもっと独特のにおいがしていた気がするのですが、それがなくなっています。何か変わったのですかね?パッケージが変わってさびにくくなったから?

オーガスチンの低音弦というと、先っぽがループ状になっているのも特徴。クラシックギターを始めたころは、これをブリッジ側に使うのかな?と間違ったやり方をしていたのが懐かしいです。それにしても、なんでオーガスチンだけループ状なのですかね。オーガスチン的にはブリッジに使ってほしいとか?

クラシックギター弦の歴史を知るためにも一度は試してほしい

今回初めてオーガスチンの黒を試してみて、やはりこれはクラシックギター弦のレジェンドだな、と思いました。

この弦なくして今のクラシックギターはない。一方で、最近のはやりはもはやこの弦のような音ではない、という事実も確認できます。

価格が安いのも魅力の1つ。寿命も短いといわれていますが、安いのは趣味でやっている人にとっても、プロにとってもうれしいところです。

クラシックギターをやっているならぜひ一度は試してみてください。

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