かなり独特な弦を作っているメーカーであるアクイーラのぺルラを張ってみました。思っていたよりも普通にいい弦でした。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
また、アクイーラの弦についてはこちらの記事を参照ください:
植物由来の素材を使用した高音弦
ぺルラの最大の特徴は高音弦に植物由来の原料を使っている点です。Bionylon(バイオナイロン)と呼ばれるこの原料を63%配合しており、二酸化炭素排出量を30%抑えているそうです。
…実はアクイーラというメーカーは同じ製品の変更をよく行うメーカーで、現在のぺルラはBionylonなのですが、ちょっと前はスーパーバイオナイロンだったりしました。さらに昔は違う材料で、なんともややこしいです。
見た目はこんな感じで白っぽいです。触った感じもツルツルではなく少し抵抗があり独特です。
テンションもいわゆる普通のノーマルテンションのギター弦と同じくらいです。
低音弦はNylgut(ナイルガット)
低音弦の芯線はナイロンやカーボンではなく、独自のNylgutという素材を使っています。
アクイーラによると、昔使われていた羊腸のガット弦はナイロン弦とカーボン弦の間くらいの硬度だったそうです。ナイルガットはこの硬度を狙ったものだそうで、3種類のプラスチックからできているのだとか。
「ガット」とついていますが材料はプラスチックなのでガットほど使いづらいことはなさそうです。
また、吸湿性もナイロンよりも低いそうで、安定した音を期待できそうです。
見た目はこんな感じで、普通です。
低音弦は空気を遮断するパッケージに入っているところが好感度が高いです。
音は意外と(?)普通
変わった材料を使っているので変わった音が出るのかと思ったら意外と普通の音でした。
高音弦は張った直後はかなりぼんやりした感じの音がしました。しかしながら、一日たつとナイロン弦に近い音がするように。しかしながら、3弦はナイロン弦よりもぼんやりしません。カーボンのように鋭い音はしないのですが、木質系の木を振動させている音がして良いです。
前述のつるつるしない表面のおかげで爪や指のかかりがいいところも良いです。
一方、音の変化という意味ではナイロン弦の方が大きい気がします。また、控えめな音なので中音や低音が際立って聞こえます。
低音弦も金属的なギラギラした音はしません。しかしながら、爪を立てて弾けば金属音がし、肉で弾けば柔らかい音がして、音の変化が大きい気がします。もっと古楽器を意識したようなぼよんぼよんした音かと思いますが、そうでもなかったです。
意外と普通に使える弦、エコ重視の人にも
もっと独特な音がする弦かと思いましたが、普通に使える弦で拍子抜けしました。
高音弦が自然に優しい素材なのでエコ重視の人にもいいかもしれません。
…でも、低音弦が金属巻弦である限り完全にエコにはなれませんね。
(追記): それほど音の輝きがないので寿命は長く感じました。サステインはザッフィーロと同じく短めです。