クラシックギター用の弦は少なくとも日本に出回っているものは意外と本場のスペインのものは少ないです。その中でも日本で割と入手しやすいのがロイヤルクラシックス(Royal Classics)のものです。取り扱いが限られておりHPにも情報が少なくて謎が多いですが、とりあえずまとめてみたいと思います。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
スペインのギター用弦のメーカー、としか情報がない
ロイヤルクラシックスはスペインのギター弦メーカーです。
HPを見てみてもこれくらいしか情報がありません。ギターを主にターゲットにしている弦メーカーというのはわかるのですが、他の弦メーカーのように歴史とか成り立ちが書いておらず、よくわかりません。
日本ではクラシックギター専門店のアウラが公式ショップとして唯一名前が挙がっています。
さらに、各弦についてもあまり具体的な情報が多く謎が多いです。
私の経験では結構力強い音でかつ甘い音がする弦が多い印象でした。確か日本でチタニウム弦を最初に出したのもここだったような。
ロイヤルクラシックス (Royal Classics, RC) のクラシックギター用の弦 一覧
とはいえ、せっかくまとめ始めたのでまとめてみたいと思います。
現状のカタログでは大きく分けて、
- ソナタ (Sonata) シリーズ
- JG Signature シリーズ
- その他普通の弦
の3ラインがあるようです。
ソナタ (Sonata) シリーズ
現状、カタログの一番上に来ているのがソナタ (Sonata) シリーズです。
テンションが4種類あり幅広い音色を力強い音と遠達性で実現します、と書いてありますが他の情報がありません。
とりあえずラインナップとしてあるのが、
- Sonata (SN10): ノーマルテンション
- Sonata Light (SL10): ミディアムテンション
- Sonata Forte (SF70): ハイテンション
- Sonata ‘X’ Forte (SX80): エクストラハイテンション
- Sonata Titanium(ST30): ノーマルテンションの高音弦がチタニウム弦
の5種類です。チタニウム以外は高音弦がナイロン、低音弦は銀メッキの巻弦です。
不思議なのがSonataとSonata Lightとどっちの方がテンションが高いのか?という点です。”Light”とついているのでSonata Lightな気もしますが、ノーマルテンションとミディアムテンションといわれると何となくノーマルの方が低い気も。。。
データを見るとSonataの方がすべての弦の直径が太いので、ノーマルテンションの方が高い、が正解のようです。
また、型番の法則がよくわかりません。たぶん、先頭の”S”がソナタで、その後のアルファベットがテンションなのでしょうが、じゃあ最後の2つの数字は?
JG Signature シリーズ
このシリーズは色々な「組み合わせ」があるのを売りにしているようです。
ギタリストの音の好みは色々なんだから、低音弦と高音弦で個性的な弦を作り、それらを組み合わせればそれぞれにあった弦があるのでは?というアイデアのようです。
なので、いろいろなラインナップがあります。
そもそも”JG”ってなに?という疑問がありますが謎です。
高音カーボン弦
最初に来るのが高音がすべてカーボン弦のセットです。
- JG Dynamic Carbon (DC10) : ハイテンション
- JG Silk Carbon (SKC50): ノーマルテンション
DC10の方がJG Signatureの基本らしく、低音弦がカーボン弦にあった音になるように設計されているようです。
SKC50の方はまったく情報がありません。単にDC10のテンションが低いものなので”Silk”としているのか、本当に低音弦の芯線に絹を使っているのか、何もわかりません。。。型番にも”SK”とかついていて、かつ価格もSKC50の方が1ユーロ高いのでる絹を使っていそうな気もしなくもないですが。。。単なる比喩の可能性も。。。
高音弦がカーボンとそれ以外のミックス
高音弦がすべてカーボンだとキンキンするというギタリストのためのラインナップです。
- JG Titanium + Carbon (TTC30) : ノーマルテンション
- JG Carbon + Nylon (CNL40): ハイテンション
- JG Black + Carbon (CN20): ノーマルテンション
TTC30とCN20は3弦のみ、CNL40は2,3弦がカーボン弦です。そして、それ以外の高音弦は上のリストの並び順にそれぞれ、チタニウム、ナイロン、ブラックナイロンとなっています。
低音弦は直径を比べる限りJG Dynamic Carbonと同じようです。?
ブラックナイロンとナイロンの高音弦
1,2弦が透明なナイロン、3弦がブラックナイロンのセットです。
- JG Black & White (SBW80) : ハイテンション
クリエイティブなギタリスト向け、とのことですが、ナイロンなので音色の変化がつけやすいからとかでしょうか。
Whiteシリーズ
高音弦が不透明な白色の弦のシリーズです。
- JG Dynamic White (DW90) : ノーマルテンション
- JG Dynamic White ’HT’ (DW70) : ハイテンション
高音弦は新素材で、「純粋で雑味のない音でかつ力強い」ことを特徴としているようです。このセットは’HT’の方が低音弦のみテンションが高く、高音弦は共通です。
なんでこのセットはテンションが高いほうが2つの数字が小さいのか、謎です。
その他の普通の弦シリーズ
SonataでもJG Signatureでもない従来のシリーズです。確か最初に日本に入ってきたときはこれらだけでした。
- Professional (RC10): ハイテンション
- Futura (RC20) : ノーマルテンション
- Recital (RL50) : ミディアムテンション
- Preludio (PR40) : ノーマルテンション
どれも通常の、高音ナイロン、低音銀メッキの巻弦のセットです。
Professional, Futura, Recitalがテンション違いのシリーズで、Preludioは安めのコストパフォーマンスが高いセットです。
ちなみに、”Futura”は日本語では「未来」の意味です。
特殊ギター用
他に特殊ギター用に、ロマンティックギター(19世紀ギター)、バリトンギター、7弦ギター、8弦ギター用のセットがあります。
高音のみセット、低音のみセットも
また、全弦セット以外にTREBLEPAKと呼ばれる高音3弦セットやBASSPAKと呼ばれる低音3弦セットがあります。BASSPAKは4弦が2本入っているものもありお得です。
基本的には、全弦セットの型番に’T’を足したものがTREBLEPAK(RC10TがProfessionalのTREBLEPAK)、’B’を足したものがBASSPAK(RC10BがProfessionalのBASSPAK)になります。
なのですが、なぜかJG SignatureのBASSPAKはなかったり、ラインナップがよくわかりません。セットに対してどのBASSPAKを買えばいいかもわからなかったりして、ちょっと混乱します。
謎は多いけどいろいろな製品を出していて意欲的なメーカー
正直、もう少し情報を出してほしいと思わなくはないです。メーカーによっては英語には上方がなく母国語では情報があったりしますが、そういうわけではないようです。
が、ラインナップの数は結構あり、意欲的なメーカーのように思います。私が使ったときもいい印象を受けました。
日本では取り扱いがほぼアウラのみなのがネックですが、スペインでの価格に比べてすごく高い値付けをしているわけではなく良心的です(どこかのメーカーは…)。
本場スペインの音ともいえるメーカーですので、スペインの音が好きな人は一度試してみると良いかと思います。