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クラシックギター弦の中でも人気のサバレスですが、その歴史は古く、1770年に誕生しています。現在ではカンティーガシリーズを始め、プロの中にも愛用している人が多いブランドです。
そんなサバレスについて、全製品の特徴やレビューを紹介します。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
創業250年の老舗であるサバレス
サバレスはフランスの弦楽器用の弦メーカーです。
Savaresseという一家がイタリアからパリに到着し、丸く加工したガット弦などを手作業で作り始めたのが最初とされています。
サバレスが誕生したのは1770年とのことで、実に250年の歴史を誇る老舗ブランドといえます。
サバレスのクラシックギター弦の特徴紹介
サバレスのクラシックギターといえば、以前は「歯切れが良い」とされていました。
これは、コラムやアリアンスが主力製品だったときの話で、最近のカンティーガやニュークリスタルはそうでもありません。万能選手ともいえる音質で、プロアルテに変わるスタンダートと言っても過言ではないでしょう。
そんなサバレスのクラシックギター弦を紹介します。
高音弦と低音弦で異なるブランドになっている
最近のサバレスのクラシックギター弦の特徴の1つが、低音弦と高音弦で異なるブランド名を付けている点にあります。
そして、それらを組み合わせることで、多くのラインナップを作り出しているのです。
たとえば、低音弦のカンティーガに対しては、高音弦のアリアンスをセットにしたもの、ニュークリスタルをセットにしたもの、それらを組み合わせたものの3通りがあります。
オーガスチンやプロアルテはこのようなやり方をしておらず、クラシックギター弦の中では珍しいやり方です。
「ミックステンション」が存在
もう1つ他のブランドにない特徴として、「ミックステンション」が存在する点が挙げられます。
普通のクラシックギター弦は、低音弦と高音弦のテンションがセットで「ノーマル」「ハイ」などに分けて売られています。
これに対してサバレスには、「ミックステンション」と呼ばれる、低音弦がハイテンションで低音弦がノーマルテンションのラインナップが存在するのです。
ミックステンションの利点は、低音弦の迫力を維持しながら、高音弦が弾きやすくなる点にあります。一般的に張力の高さで苦労するのは低音弦よりも高音弦ですが、低音弦はテンションが下がると迫力も下がる傾向にあります。
このため、プロの中にはバラ弦で低音弦をハイ、高音弦をノーマルとする人がいるのですが、この組み合わせをメーカーが公式で出しているのです。
価格は変わらないので、試してみてはいかがでしょうか。
低音弦
低音弦には以下の3製品があります。
型番 | 製品 | 特徴 |
50x | コラム | 細め、歯切れがいい音 |
51x | カンティーガ | 万能選手、カンティーガプレミアムという寿命が長い製品も |
54x | HT Classic | 主にアリアンスとセット、寿命が長いとされる |
最も人気が高いのはカンティーガシリーズです。プロの中にも使っている人が多く、特にカンティーガプレミアムは寿命が長いことからコストパフォーマンスも良好といえます。
私が最もおすすめの弦の1つです。
コラムは村治佳織が使っていることで有名な低音弦です。村治佳織はこれとオーガスチンのインペリアルを高音弦に使っています。
高音弦
高音弦は以下の4種類です。
製品 | 特徴 |
アリアンス | 世界初?のカーボン弦。こもりのないはっきりした音がする。 |
ニュークリスタル | 新しいナイロン弦。ちょっと硬めだが、音の変化が付けやすい。 |
クリエイション | 1,2弦がニュークリスタル、3弦がアリアンスの組み合わせ |
エボリューション | 1弦がニュークリスタル、3弦がアリアンスの組み合わせ |
昔からのクラシックギター弾きにとって、サバレスといえばアリアンスでしょう。3弦の音がこもるというクラシックギターの問題を、フロロカーボン素材を使って解決した、ある意味歴史的な弦です。
昔は音がキンキンするといわれましたが、最近は時代の変化とともにアリアンスの音も受け入れられるようになってきたように感じます。
また、キンキンしない音のフロロカーボン弦も色々と登場し、カーボン弦はもはやクラシックギター弦にとってナイロンと並ぶ普通の弦と言っても過言ではないでしょう。
アリアンスのなかには、580mm~640mmのショートスケールギター用に開発された「Prodige」という製品も存在します。
一方、ニュークリスタルは音の変化を付けやすい弦であり、アリアンスとセットで使う人もいます。サバレス自身、「クリエイションカンティーガ(プレミアム)」という製品で、1,2弦がニュークリスタル、3弦がアリアンスという組み合わせを販売しています。
また、新たに「エボリューションカンティーガプレミアム」という2,3弦がカーボン弦のセットも登場しました。
もはやクラシックギターとは思えないようなパッケージデザインが特徴です:
昔ながらの低音弦と高音弦がセットになった製品
サバレスの昔ながらの製品は、低音弦と高音弦がセットになっています。
型番 | 製品 | 特徴 |
52x | (昔ながらのサバレス弦) | 昔ながらのピンクラベルもここに含まれる |
53x | LEONIDA | 日本未発売? |
57x | ソリステ | 硬く、輝かしく、パワフルな音。 |
この中で日本で最も有名なのは「ピンクラベル」でしょう。クラシックギターの高音弦の音程が今ほど良くなかった時代、弦を研磨することで真円度を増して音程の悪さを改善したことで人気となりました。
今は各社ナイロン弦の音程を改善しており、積極的に選ぶ理由は今はないかもしれません。
ヤマンドゥ・コスタモデル
特別なセットとして、ヤマンドゥ・コスタ用の特別モデルが登場しました。
Y510MJ7と名付けられたこのセットはヤマンドゥ・コスタ用なので7弦です。
1,2弦がニュークリスタル、3弦がアリアンスなのはクリエイションカンティーガ(プレミアム)と同じですが、低音弦が「synthetic core」とされており、特別な芯線を使用しているようです。
サバレスのクラシックギター弦を愛用しているプロギタリスト
サバレスのクラシックギター弦を愛用しているプロギタリストは多数います。
代表的な人を以下の記事で紹介しているのでご覧ください。
サバレスのクラシックギター弦のレビュー(評価)
メジャーなブランドだけあり、私も数々のサバレス弦を試してきました。
多数の評価をおこなっていますので、レビューは以下のリンクを参照ください。
相性に迷ったらサバレスを選ぶ時代!
昔は迷ったらプロアルテノーマルといわれていましたが、個人的には今は迷ったらサバレスを選ぶ時代だと思っています。
特にカンティーガ/カンティーガプレミアムは高い音質を誇り、プレミアムは寿命が長くてコストパフォーマンスも良好です。
相性問題もあまりなく、どの楽器も合います。
試したことがない方はぜひ、カンティーガ/カンティーガプレミアムから始めて見てください。