クラシックギターの古くなった弦や切れた弦の再利用方法、ごみの分別

プロアルテ ライトの内部包装

クラシックギターの中でも最も交換頻度の高い弦ですが、交換のたびに古いものを捨てるのに抵抗感がある人も多いかと思います。この記事では再利用について考えてみたいと思います。

もう一度張りなおす

まずはもう一度張りなおす場合です。

弦を復活させる方法はない

まず初めに、残念ながら音が悪くなった弦を復活させる方法はありません。

以下の記事で劣化の原因を書きましたが、どれも不可逆のものであり、元には戻りません。

昔は悪くなった弦を煮れば復活するという話もありましたが、高音弦及び低音弦に使われているナイロンは吸水性が高い上に吐き出しづらいので余計に悪くなる可能性大です。

劣化しやすい低音弦は錆や汚れによって劣化するという要因もあるので、以下のようなグッズで日ごろからメンテナンスして寿命を延ばした方がいいと思います。

切れた弦を張りなおすのは基本的にはNG

もったいないからと言って、弦の余りを切らずに残しておき、切れた時に切れた部分をのぞいて張りなおそうとしている人がいますがそれはあまりお勧めできません。

まず、切れた時点でその弦は寿命を迎えている可能性が高いです。製造上の品質の理由で張った直後に切れた場合はともかく、時間がたってから切れた場合は切れた部分だけでなく他の部分も劣化しています。

このため、張りなおせたとしても音は悪く、また切れる可能性もあります

また、弦を余らせておくとそこが共振したり振動する部分と触れたりして雑音の原因になります。弦の先はとがっておりケガをする可能性もありますので、余った部分は素直に切りましょう

2台以上楽器を持っている人はローテーションするという手も

2台以上のギターを持っている人もいるかと思いますが、そういう人は使用頻度に応じてローテーションするのも手です。

まず、一番よく使うギターに新品の弦を張ります。その弦が劣化しきらないうちに2番目に使うギターに張り、2番目のものを3番目に。。。というように使用頻度に応じてローテーションします。

これなら一番よく使うギターは常にいい音の弦を使えますし、2番目以降のギターの交換頻度を減らすことができます

ただし、全体として安くなるかどうかは2番目以降のギターにどの段階で弦を移すかに依存し、必ずしも安くなるとは限りません。

別の用途での再利用

次に古くなって捨てる弦の別の用途での再利用方法を考えたいと思います。

何かをつるすための紐にする

ギターの弦は5㎏~10㎏の張力に耐える非常に強いものですので、何かをつるすのに使えます。

たとえば花の鉢をつるしたり、絵や写真をつるしたりなどです。

ただし、どう考えても捨てられる弦の本数に対してつるすものが多くなるとは思えないので、一時的にしか使えません。古い紐を交換していくというのはあるかもしれませんが。。。

猫のおもちゃにする

猫はギターの弦が好きです。しなりのある動き、キラキラした見た目、噛み応えのある硬さがあり、遊び道具になります。

猫は自分のにおいがつくとおもちゃにあきるので、弦を交換するタイミングで新しいのに変えてやるとちょうどいいです。

ただし、低音弦は金属なのであまり使わない方がいいかもしれません。高音弦がお勧めです。

また、やっぱりあきた弦は捨てるので長い目で見ると結局ごみの量が減るわけではありません。。。

アクセサリーに加工する

低音弦は重めの見た目のアクセサリーに加工している人もいるようです。pinterestで検索するとこんな感じです:

「ギター弦アクセサリー」のアイデア 97 件 | アクセサリー, ギター 弦, ギター
2022/06/18 - Pinterest で Aki Uemura さんのボード「ギター弦アクセサリー」を見てみましょう。。「アクセサリー, ギター 弦, ギター」のアイデアをもっと見てみましょう。

販売までできれば捨てずに済んで一石二鳥ですが、センスと根気が問われそうです。

捨てる場合

もう再利用はあきらめて捨てる場合はお住いの自治体の指示に従いましょう。

まず、確実なのが低音弦で、金属を使っているので不燃ごみとして出すしかありません。

難しいのが高音弦です。

燃やせるか燃やせないか

高音弦として使われるナイロンやフロロカーボンは釣り糸としても使われるので、釣り糸の分別を調べてみると、まず、燃やせるか燃やせないかで分かれます

燃やせる場合はプラスチック類を燃やしてもダイオキシンが出ないタイプの焼却炉を持っている自治体で、燃やせない場合は持っていない自治体です。たとえば横浜市は燃やせるごみ横須賀市は燃やせないごみになっています。

プラごみか不燃ごみか

さらに、燃やせない場合でもプラスチックごみとして出すか不燃ごみとして出すかでも違いがあります。ナイロンはプラスチックに分類できるのでプラごみのような気がしますが、「釣り糸」だと不燃ごみとしている自治体が多いです。

これは、釣り糸でも種類がいろいろあるのでいちいち書いていては面倒という理由な気がします。具体的にフロロカーボン(ポリフッ化ビニリデン)がプラごみなのかどうかはどこの自治体を見ても書いてないので、やはり釣り糸の分類に従って燃やせないゴミにするのが無難な気がします

最近ではプラスチックごみの問題が取りざたされているのでできればリサイクルする手段が欲しいところですが。。。

アメリカではダダリオがリサイクルプログラムを実施

日本ではやっていませんが、アメリカでは使用し終わった弦を回収してリサイクルするプログラムを実施しています。

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リサイクルに出すとポイントがもらえて、ギタリストにもメリットがあります。

こういった取り組みが日本でも行われるといいのですが、そもそもの人口を考えるとなかなか難しいのでしょうね。

できるだけゴミは減らしつつ、適切な廃棄を

いくら量が少ないとは言っても、弦のごみは環境に影響を与えます。

楽しく演奏した後は再利用を検討し、だめなら適切に廃棄しましょう。

それがギターという楽器を楽しむ人の義務だと思います。

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