クラシックギターの弦は色々ありますが、実際の音は弾いてみないとわからないというケースが多いものです。その声にこたえたのか、アクイーラのHPで各弦の音が視聴できるようになりました。これは弦に迷う人にはありがたいサービスです。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています
同じ人が同じ曲を同じギターで弾いていて音の後処理もしていないフェアな比較
試聴はこちらのページからできます:
録音はすべて以下のような条件で行われています。
- 作曲者: Sylvius Leopold Weiss 1687-1750
- 曲: Opera: Ouverture (excerpt)
- ギタリスト: Alberto Rassu
- 使用ギター: F.lli Lodi
スマホのスピーカーだとわかりづらいと思うので、ぜひ良いスピーカーやイヤホン/ヘッドホンで聞いてみてください。
重要なのは、すべての弦で同じ条件が使われているという点です。この手の比較録音や録画はよくありますが、なぜか演奏者が違ったり、曲が違ったり、ギターが違ったりしています。それでは公平な比較になりません。
また、録音した後の音に対してエコーなどの後処理を行っていないのも重要です。できるだけいい音にしようとあれこれ装飾されることもありますが、アクイーラはそういったことは行っていません。
同様の施策としては、オーガスチンが音の違いについてプロの演奏と、各弦の特徴についてプロが語る動画を公開しています。
音の特徴のパラメータ化も
アクイーラは同時に音の特徴のパラメータ化も行っています。上のページを参照ください。
具体的には、
- Sustain: 音の伸び
- Brightness: 音の輝き、明るさ
- Promptness: 反応の良さ
- Singability: 音色などの変化のつけやすさ
という4つのパラメータで評価しています。
たとえば、私もレビューしたSugarやRubinoは音の伸びや輝きは良いですが、音色などの変化はつけづらく、AMBRA 2000は音色などの変化はつけやすいですが、その他はいまいちだったりします。
ダダリオも同じようなことをやっていましたが、こちらは音の明るさの1パラメータだけでした。
音の傾向は主観でしかないとはいえ、しっかりこういうデータを出してくれるのはありがたいです。
録音とパラメータ化の両方があるとわかりやすい
今回のアクイーラのように録音と合わせて音の評価をパラメータ化してくれると購入者にとっては非常にわかりやすいように思います。
録音だけだと違いがなんとも言えなかったり、パラメータ(あるいは説明、解説)だけだとなんだかよくわからなかったりしますが、両方があることでこの弦メーカーはこういう音作りをしているんだということが非常によく理解できます。
さすがにメーカーをまたいだこういうデータベースは難しそうですが、せめて弦メーカー各社は自分のところの弦だけでもやってほしいものです。