現代ギターから新しく発売された、「ギターソロのためのヴァイス作品集〜組曲「異邦人」他〜」を購入しました。それほど高くない楽譜にもかかわらず内容が盛りだくさんで、編曲も優れておりお買い得です。
後期バロック時代の作曲家、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス
シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスはドイツの後期バロック時代の作曲家です。自身がリュート奏者でもあり、数多くの作品を残しました。
Wikipediaにはトレモロ奏法の発明者とありますが(出典なし)、本当だとするとクラシックギターにとってさらに偉大な人物といえそうです。
ヴァイスが残したリュート曲は650曲以上あるといわれ、クラシックギター向けに編曲された曲も数多くあります。
ファンタジア、ロジー伯爵の墓になどが有名どころでしょうか。
福田進一が新しいヴァイス編曲集を出版
そんなヴァイスのリュート曲をクラシックギター向けに編曲された新しい楽譜が出版されました。クラシックギター界の巨匠である福田進一編曲の「ギターのためのヴァイス作品集〜組曲「異邦人」他〜」です。
収録曲はファンタジーやロジー伯爵の墓にだけでなく、さまざまな曲が収録されています。
楽譜のタイトルからして、組曲第25番「異邦人」がメインなのでしょうか。
また、この楽譜を見てファンタジーも組曲16番の一部であることを初めて知りました。この組曲からプレリュードも収録されており、プレリュードからファンタジーが切れ目なしで演奏されます。
優れた編曲で新しい発見も
ファンタジーやロジー伯爵の墓にの楽譜を見ると、これまでの編曲とは一味違う、優れたものだと感じました。
ギターはリュートに比べて弦の数が少なく、編曲には限界がありますが、そのなかでも原曲のエッセンスがしっかりと盛り込まれていると思います。
これまで他のアレンジでこれらの曲を弾いてきた方にもおすすめです。
また、異邦人などの他の曲もヴァイスらしい曲調で、ボリュームもあるので長く楽しめるでしょう。
楽譜の準拠CDが発売中
この楽譜に準拠したCDが発売されています。
編曲者の福田進一が演奏する、「バロック・クロニクルズ」および「バロック・クロニクルズII」です。
実際に聞いてみましたが、正直言って異邦人などはリュートでの演奏よりも良いと思います。
自分がギターの音を聴き慣れているというのもあるかと思いますが、ギターらしい艶やかな音がヴァイスに合っているかと。
この内容で2,200円はお買い得
この「ギターのためのヴァイス作品集〜組曲「異邦人」他〜」、定価は2,200円です。
かなり盛りだくさんですし、編曲も良いので長く楽しめ、お買い得だと思います。
準拠CDと合わせて買うとさらに楽しめるでしょう。
バロック時代というと地味な印象があるかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。