クラシックギターを弾くための必須アイテムの1つといわれるのが足台です。様々な支持具があるのは確かですが足台が基本であることに異論はないでしょう。しかしながら、足台にもいろいろなものがあります。どういったタイプを選べばいいのでしょうか?
クラシックギター用の足台や支持具の記事は以下のまとめ記事を参照ください:
素材で選ぶ足材
まず最初に考えるのはどのような材料でできた足台を選ぶかです。
それぞれにそれぞれの特徴がありますので、自分の使い道にあったものを選ぶのが良いかと思います。
スチール(鉄)製足台
一番基本的なのがスチール製の足台です。
とにかく安くて丈夫なのがスチール製足台の特徴です。少々のことでは壊れませんし、折りたためば場所も取りません。重さもそれほど重くありません。
1台だけ選べ、となればスチール製を選ぶのが無難です。
アルミ製足台
持ち運びの楽さを求める人におすすめなのがアルミ製の足台です。
アルミ製はスチール製に比べて軽いです。この特徴を活かして持ち運び用に設計された製品が多く、小さめの足台が多くリリースされています。
さらに、値段も高くありません。スチールと大して変わりません。
レッスン等持ち出す場合にはアルミ製が一番かと思います。木製やスチール製でも軽いものはあるのですが、同じ強さであればアルミの方が薄く小さく作れます。このため荷物が小さくて寸時ます。
一方でこの軽さがあだになるケースもあります。何しろ軽いので少し触れただけで倒れてしまいます。このため、練習中にちょっと足を外し、再び乗せようと思ったら倒してしまうこともあります。
また、軽さを売りにするがゆえに材料が薄く、たわむようなものもあります。
たとえばアリアのAFT-100がそれでした:
天板が大きいのに軽い製品は、安定さを犠牲にしていることが多いので注意してください。
木製足台
最後が木でできている足台です。
木製の足台は足を乗せた時の触感が良いです。アルミやスチール製はヒヤッとして冬はちょっと辛いこともありますが、木製はそんなことはありません。
また、アルミやスチールがカチッとしたのせ心地なのに対し、木製はほどよく柔らかさを感じます。このため疲れも少ない気がします。
木製だと重いような気もしますがそうでもないものもあります。例えばうえで紹介している現代ギター社の足台は450gしかありません。
難点はかさばるところです。同じ強度を持たせようとすると木製は厚く大きくなるのでしょうがないのですが。
どうやって素材を選ぶか?
以上の特徴から私は以下のように足台の素材を選べばいいかと思っています。
- 1つですべてを済ませたい場合:
- オールマイティーにしたい: スチール製
- 持ち運び重視: アルミ製
- 家でしか使わない、移動するときでも自動車: 木製
- 時と場合で使い分けたい:
- 木製とアルミ製の2台持ち
これは私の意見なので他の意見があっても良いと思います。
その他注意点
他には以下のような点に注意する必要があります。
足が当たる面の素材および形状
木製の場合は大体木なのですが、スチールとアルミの場合は足の当たる部分に異なる素材を使っている場合があります。
特にアルミの場合、重量を抑えるためにアルミを凸凹に加工しただけのものになってる場合があります。この場合は結構滑ります。ゴム底の靴であれば問題ありませんが、靴下等の場合は注意が必要です。たとえば以下の製品は220gと軽いのですが、アルミ1枚板に表面加工がしてあるだけです:
高かったり軽さを売りにしていないものはゴム等の別素材が表面に張ってあり、滑りも考慮されています。
また、値段が安いものはここに気を使っていないものが多いのでご注意を。
高さと角度
足台と一口に言っても最低/最高の高さや角度が結構違います。また、高さ調整の段階数もまちまちです。
さらに、見逃しがちですが、足を乗せる面の角度も結構違います。先の方が上がっているものや、それほど上がっていないものなど様々です(下がっているものは見たことないですが。。。)。
今使っているものに対してどうしたいか、という点で選べばいいかと思いますが、1台目を買う場合は安いのを買ってそこから発展させるか、名のあるメーカーのものを買った方が良いかと思います。
E.D.GEARのEFS1は「インクラインアジャスター」という構造で、通常の足台よりも高さや角度が自在に調整可能です。このようなものを使えば高さや角度の調整には困らないかもしれません。
また、OHASHIのFT-3/FT-5は特殊機構で高さの無段階調整ができます。実際にFT-3を購入してレビューしましたのでこちらの記事を参照ください:
足台にとことんこだわりたいなら、Tadpole FS-1を試してみてはいかがでしょうか?
足台の高さと角度の決め方
実際に弾くときの高さと角度については以下の記事を参考に決めてみてください:
実は奥深い足台の選択、自分に合った選択を
このように足台といっても色々な要素があり、実は選択は奥深いです。自分の用途に応じて最適なものを選びたいものです。