テヌートギターサポート(Tenuto-light Guitar Support)を買ったのでレビュー

4.0
テヌートギターサポートのピボット ギター用品

腰痛に悩むクラシックギター弾きの必須アイテムといえば足台に代わる何かです。

これまでギターレスト、ダイナレットと試してきましたが、新たなものに手を出しました。

その名もテヌートギターサポート。カナダ生まれの比較的新しい製品です。

カナダ製のギターサポート

テヌートギターサポートのパッケージ表面

テヌートギターサポートはカナダのメーカーが作っているギターサポートです。日本では名古屋にあるミューズ音楽館というところが輸入して販売しているようです。

日本ではTenuto LiteとTenute Slimという製品しか売っていないようですが、テヌートの公式HPではTenuto Proという製品も売っているようです。Tenuto Proの方が調整がいろいろできそうですが、その分大型化しています。

今回は日本で手軽に買えるTenuto Liteを購入してみました。

テヌートギターサポートのパッケージ裏面

裏面にはカナダを象徴するカエデの葉のシールがついています。

4つの大型吸盤で安定感あり

テヌートギターサポートのパッケージの中身

テヌートギターサポートのパッケージを開けると、本体とシール、それに持ち運び用のきんちゃく袋がついています。本体は非常に薄いです。シールはなんか雑な感じのものがついていました。今は使っていません。きんちゃく袋は持ち運びに良さそうです。

テヌートギターサポートの良いところは大きな吸盤が4つついているところです。吸盤はセラック塗装やラッカー塗装などの弱い塗装にはよくないとも言いますが、やはり大きな吸盤が多くついている方が安定します。付属のシールを張れば弱い塗装のものでも大丈夫なようです。

このテヌートギターサポートに似た製品にアリアのギターサポートがあります。

この製品の場合2つしか吸盤がありません。このため、弾いている途中で外れるという被害が多いとか。このため、アリアを購入した人も吸盤を追加で2つ購入し、吸盤を4つにして使うということをやっているそうです。

テヌートの場合は最初から4つついているので安心です。実際、最初使っていたときは吸盤をつける位置やつけ方に問題があったのか吸盤が外れてしまったのですが、4つのうち2つしかはがれなかったのでギターが落ちるとか致命的なことにはならずにすみました

テヌートギターサポートをギターに張り付ける

実際にギターに張り付けるとこんな感じです。折りたたんでもギターが金属部分と接することはなく安心です。また、ぴったりとギターに張り付くのでこのままギタースタンドにも置けます。

吸盤が劣化した時のために予備パーツも売っていて安心です。

ギターの手前/奥方向の角度を変えれるピボットあり

テヌートギターサポートのピボット

テヌートギターサポートのアリアにないもう1つの特徴がピボットです。

調べてみると、販売元のミューズ音楽館では、

ベルトの付いているアームを回転させることで、楽器を身体の方に斜めに傾けることが容易となります。

とか書いてあるのですが、いまいちどういうことかわかりませんでした。

試してみると、角度を変えるとネックの角度が手前になったり奥になったりします。体に対して上下方向ではなく、前後ろ方向に確度が変わるということです。

この手のギターサポートの構造上、ギターの横板に対してまっすぐにつけることになります。すると、太ももと接する部分は太ももに対して直角方向になり、結果的にギターが太ももに対して直角方向になることになります。

せっかくギターサポートを使っているので両足を広げ気味にして楽に弾きたいのですが、こうしてしまうとネックが体の後ろ方向に傾いてしまうというわけです。足をまっすぐ前に出せばいいのですが、それでは足台を使っているときの体のひねりがそのままになってしまいます。

テヌートのピボットを使って角度を調整

実際に少しピボットを調整したのがこれです。わかりづらいのですが、足と接している部分は太ももに対して直角なのに対し、ギターはそれから少し傾いていることがわかるかと思います。

まあ、ギターサポートを太ももと直角に置かなければいいといえばいいのですが、やっぱり直角に置くのが安定性が高いので、なかなか便利な機能です。

高さや角度、位置は張り付ける位置とベルトのたるみ具合で調整

ギターを構えた時の高さや角度、位置はテヌートを楽器に張り付ける位置とベルトのたるみで調整できます

4つも吸盤があるのでこれらをつけるにはギターに張り付けられる位置は限られているのでは?と思ったのですが、意外と吸盤が柔軟なので張り付けられる位置はいろいろあります

ネックに近くなると高さが低く角度が緩やかに、ネックから遠くなると高さが高く角度が急になります。

あまりにも丸いところにつけると吸盤がはがれやすくなるので試し試し探すのが良いです。

また、太ももに接するベルトの長さを調整することで、ベルトのたるみ具合が変わり、角度を調整することができます。短くすれば角度が急に、長くすればネックの角度が緩やかになるようです。

ダイナレットに比べて安定感はあるけど体重はかけられない

テヌートギターさぽーを使ってギターを構える

実際にギターを構えるとこんな感じです。思ったよりも安定感があります。

これまでダイナレットをメインで使ってきたのですが、ダイナレットはただ置いただけなので安定感にかけるところがありました。テヌートはギターに張り付けられているので安定感があって安心です。

また、ダイナレットは表面の皮とギターがすれるときにキュッキュッという音がして少し気になりましたが、それもありません。

テヌートギターサポートをギターにつけて構える その2

ただ、安定感が完璧かというとそうでもなく、体重をギターに預けてしまうとやっぱり吸盤がはずれます。前述の通り、4つのうち2つしか外れないので致命的なことにはならないのですが、ギターに体重をかけずに弾くことが必要です。

ベルトはちょっと滑る

太ももと接する部分のベルトはナイロン製のベルトです。特に滑らないようにする加工もされてないので、ズボンの素材によっては少し滑ります

このため、滑り止めを挟んで使うと安心です。

ベルト自体に張り付けてしまってもいいのかな、と思っています。慣れてきたら試してみようか。

ギターケースのポケットに入るコンパクトさ

ギターケースのポケットに入るテヌートギターサポート

テヌートギターサポートの特徴の1つはコンパクトさです。上の写真のように、ハードケースの中のポケットに収まってしまいます

ちなみに、きんちゃく袋がついているのですが、これに入れると真っ黒になってなんだかよくわからなくなるので写真では出しています。

ダイナレットの最大の問題はかさばるという点でした。何しろ体積が大きくて小さくできないので、別のカバンに入れるか、袋に入れてケースにぶら下げるしかありません。いずれにしても面倒です。

テヌートならギターケースに入ってしまいます。足台よりも小さくて軽いです

小さくて手軽で安定感があるものを求める人にお勧め

テヌートギターサポートはとにかくコンパクトなので、荷物を小さくしたいけど安定感はほしいという人にはお勧めです。

最近はギターリフトという製品が人気のようですが、あれも大きいのでハードケースの中のポケットには入りません。コンパクトさと安定感のバランスという意味では最高の製品ではないでしょうか。

一方、角度や高さの調整範囲はどうしても限られます。こればっかりは試してみないとわからないところではありますが、極端な構えをするのは難しいかもしれません。もちろん、クラシックギターを念頭に置いて開発された製品でしょうから、たいていの人には合うのでしょうが。。。

安定感という意味では、体重をすべて預けるだけの耐久性はありません。そもそもそんな弾き方をするな、という話もありますが、弾いてる途中で時々そんな体勢になってしまう人には安定感が足りないと感じられるかもしれません。

価格的には5000円ほどとこの手の製品にしては高くはないといったところでしょうか。ギターリフトは15000円もしますが、それに比べればずっと安いです。しかしながら、足台やアリアのギターサポートに比べると高いかと。

個人的には気に入ったのでダイナレットに代わってメインで使おうかと思っています。長く使ううちに使い心地等でまた気づいたことがあれば書きたいと思います。

(追記) : いろいろ不満が出てきたのでギターリフトを買いました。

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