最近はスマホが普及してクラシックギターに限らず自分の音楽演奏が気軽に録音できるようになりました。
しかしながら、その音質は「いまいち」とも言われています。専用のリニアPCMレコーダー(ICレコーダー)等に比べてどれだけ違うのか実験してみました。
(追記): スマホに接続できて良い音で取れるマイクを以下の記事でまとめました。
https://cooksealphoto.com/iphone%e3%82%84android%e3%82%b9%e3%83%9e%e3%83%9b%e3%81%a7%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%b7%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%ae%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%81%ae%e6%bc%94%e5%a5%8f%e3%82%92%e8%89%af%e3%81%84%e9%9f%b3/
リニアPCMレコーダーと動画も一緒に撮れるレコーダーを用意
実験に用意したのは以下の2つの機器です。
TASCAM DR-22WL
ICレコーダーの中でも、「リニアPCMレコーダー」と呼ばれる製品です。
圧縮しないPCM形式で音楽を録音することができます。さらに、最近はやりのハイレゾにも対応していて、24bit/96kHzでの録音が可能です。
さらに、無線LAN接続やスマホとの連携にも対応しています。
一般的にICレコーダーはSDカードに音楽を記録します。それをパソコン等に持っていくにはいちいちSDカードを抜き差しする必要がありますが、この製品は無線LAN経由で転送可能です。
また、スマホのアプリを使うと、録音開始や停止といった制御がスマホからできてしまいます。マイクは楽器のすぐ近くに置くとは限りません。そうすると、ICレコーダーのところまで行って録音を開始し、戻って演奏し、またICレコーダのところに行って録音を停止する必要があります。このアプリを使うと、スマホを手元においておけばリモコンのように操作ができて便利です。
TASCAMはこの分野では有名な会社なので録音品質も期待できます。
大体1万5千円くらいで売ってるみたいです。
Zoom Q2n
こちらもハイレゾでの音楽録音に対応した機器です。
特徴は何といっても動画を同時に撮れることです。Youtube等に動画をアップしようと思ったときに、音だけ別で録音していると、あとから動画と音楽をくっつける必要があります。これが意外に面倒です。
この機器なら動画と音楽が一緒に撮れるので便利です。しかしながら、今回の評価の対象ではありませんが、動画の質はスマホのほうがずっといいです。。。
また、コンパクトさや操作の簡便さも優れています。動画も一緒に撮れながら一般的なリニアPCMレコーダーよりも小型です。手軽に持ち歩けるので使い勝手がいいです。
価格はだいたい2万円弱みたいです。
実際に録音した結果がこちら
論より証拠なので、実際にすべて買って試してみました。ギターの前1mくらいのところに3つの機器を置いて禁じられた遊びの冒頭を録音しています。横に並べているのでそれぞれ聞こえてくる方向が違います。
まずはスマホです。スマホはHuaweiのMate9というSIMフリースマホの中ではハイエンドのものになります。
思ったよりも良い音でとれている感じがあります。しかしながら、爪が現に当たる音とか、ノイズが弾いている時よりも強調されて聞こえる気がします。
次はリニアPCMレコーダーのTASCAM DR-22WLです。
スマホに比べるとノイズが減ってギター本来の音がより出ている気がします。音の艶も再現できています。これを聞くとスマホよりもやはり専用のリニアPCMレコーダーのほうが良い気がしますね。
最後にZoom Q2nです。この機器はカメラが付いているのですが、今回は音声のみ記録するモードにしました。
かなり元気な音に聞こえます。同じ演奏を録音したにもかかわらず、DR-22WLはおとなしい音、Zoom Q2nは元気な音に聞こえるのは面白いですね。
練習ならスマホでもいいかも、演奏を録音したいなら専用機器がおすすめ
今回の実験で、やはりスマホに比べて専用のレコーダーの音質は優れていることが分かりました。
しかしながら、自分のギター演奏のノイズとか荒い部分を知りたいという意味ではスマホで録音したものを参考にするのもいいかもしれません。
一方で、他人に聞かせる音楽としてはやはり専用のリニアPCMレコーダーを使ったほうがよさそうです。その中でも機器によって特徴が違うようなので、色々試したいところではありますが、なかなかそうもいかないところが難しいですね。
個人的にはZoom Q2nが気に入りました。元気な音もさることながら、やはり動画が一緒に撮れるのが便利すぎます。これにWi-FiかBluetoothがついてくれれば最強なんですけどね。