ギターに限らず、ピアノ以外のあらゆる楽器演奏に必要な譜面台。これまではデザインも機能も保守的なものばかりが販売されてきた印象があります。クラフトギークのカプセル譜面台は魅力的なデザインとこれまでにない機能を持ち、NAMM 2024でBest in Showを受賞したり、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のデザインストアで販売されたりと、高い評価を得ています。ありがたいことに、カプセル譜面台およびアクセサリ一式のサンプルをご提供いただきましたのでレビューしたいと思います。
実用性とデザインを両立させた革新的な譜面台
クラフトギークのカプセル譜面台にはさまざまなこだわりが詰まっています。
こちらがその写真なのですが、写真を見るだけで「これまでの譜面台とは違う!」という印象を受けるのではないでしょうか。

色が美しいシルバー(黒色もあります)というだけで未来を感じますし、何よりデザインが素晴らしい!
現物のレビューの前に、まずはそのこだわりを紹介したいと思います。
組み立て不要、たたむと片手で持てるサイズに
一般的な譜面台の多くは持ち運ぶために分解し、使うときに組み立てなくてはなりません。
この手間が意外と面倒なのですが、カプセル譜面台は組み立て不要で簡単にしまったり出したりできます。
その手順ですが、まず、たたんだ状態ではこのように片手で持てるサイズに折りたたまれています:

ここから使える状態にするには、最初に楽譜を載せる部分を持ち上げます:

そして、底面をひねってロックを外し、ぐっと伸ばせば足が出て立てられる状態に:

あとは楽譜を置く部分の腕を広げて完了です。
折りたたんでいるときのサイズ感はこんな感じ。重さもサイズ感も1リットルペットボトルとほぼ同じとされています:

特許技術で楽器を持ちながら高さ調整可能
譜面台を使うときの悩みの1つが高さ調整。
高さを調整したくても普通の譜面台の場合、片手で譜面台を持ちながらもう一方の手でネジを緩め、慎重に高さ調整しなくてはなりません。
ギターのように大きな楽器を持ちながらは難しいですし、何かの拍子に譜面台が倒れてきて楽器が傷つくというリスクもあるでしょう。
カプセル譜面台は特許技術により、ネジを緩めなくても片手で高さ調整ができます:

絶妙な硬さになっており、力を入れなければ譜面台が勝手に下がることはないのに、少し力を入れると高さ調整可能。
高さを下げるときは下に押し下げるだけで良いですし、上げるときも足で台座を押さえながら引っ張りあげればOKです。
頑丈で強い風でも倒れない
カプセル譜面台は丈夫さにもこだわっており、最大荷重は2kgです。
思いファッション系の実施でも600gほどなので、この耐荷重を超える譜面はなかなか無いのではないでしょうか。
譜面はもちろん、電子楽譜ビューアーとしてよく使われるiPad Pro 12.9インチモデル(約700g)も余裕で置けます。
一般的な譜面台はiPad Proを置くとふらふらしますし、首の部分が突然後ろに傾いてiPadが落ちないか心配になりますが、カプセル譜面台なら安心です。
また、長く愛用してもらえるように素材にもこだわっており、本体は腐食に強く強度が高い6063アルミニウム合金、譜面を置く部分の腕は軽くて腐食に強い亜鉛合金製となっています。
従来の譜面台は長く使っていると錆が出てきがちですが、クラフトギークのカプセル譜面台なら長く使えそうです。
豊富なアクセサリ
カプセル譜面台には豊富なアクセサリが用意されています。
具体的には、
- ポータブル三脚バッグ
- 楽譜を照らすライト
- スマホ/タブレットホルダー
の3種類です。
持ち運びに困る譜面台に専用のバッグがあるのはありがたいですし、暗いところで演奏するためのライト、電子楽譜や録音、メモ、チューナーなどに使えるスマホ/タブレットホルダーもあると便利ですね。
これらのアクセサリについては別記事でレビューしたいと思います。
NAMM 2024でBest in Showを受賞、ニューヨーク近代美術館(MoMA)でも販売中
このような特徴を持つカプセル譜面台は世界的にも認められており、アメリカで開催されている楽器見本市のNAMM(the National Association of Music Merchants) 2024において、Best in Showを受賞しています。
また、そのデザイン性はアートの分野からも認められており、あのニューヨーク近代美術館(MoMA)のデザインストアで販売中です:
クラフトギークの譜面台を実際に使ってみたレビュー ~優れていると感じた点
それでは、私が実際にクラフトギークのカプセル譜面台を使ってみた感想を紹介します。まずは「これは!」と思った優れている点編です。
組み立ては確かに簡単
上でも紹介した組み立ての簡単さは、実際にやってみて確かに簡単だと感じました:

手順が簡単なのはもちろんなのですが、1つ1つの操作に遊びが少なく、なめらかに動くため、上質な印象を受けます。
ありがちな可動部がぐらぐらするとか、ギシギシとかの異音がするということは一切ありません。
例えるなら、一般的な譜面台は大昔のAndroidスマホ、カプセル譜面台はiPhoneといったところでしょうか。
実際に使ってもらえれば違いがすぐにわかると思います。
高さ調整は安定感と手軽さが両立されている
目玉機能の1つである片手での高さ調整は、確かに便利でした。
下の動画のように、非常にスムーズに動きます:

試しにギターを持ちながら片手で高さ調整してみましたが、まったく不安感なくできました。
本体の安定性が高いため、高さ調整している間に譜面台が倒れそうになることもありません。
その秘密と思われるのが足の部分で、足の先が平たくて地面と接する面積が大きく、かつゴムあるいはシリコンのようなグリップがついています:

一般的な譜面台は細くてかつグリップもないので、不安定になりがちです。
高さを変えるときはもちろん、楽譜を触るときも倒れそうになる心配が少ないです。
譜面を置くところの展開にもこだわりが
カプセル譜面台は細かいところにもこだわりがあります。
上の手順で譜面台を展開した後、譜面を置く部分を展開する必要がありますが、このときに一方の腕を展開すると連動してもう一方も自動的に展開されます:

普通の譜面台の場合、腕を片方ずつ展開しなくてはいけませんが、カプセル譜面台なら1回で両腕です。
ちょっとしたところですが、こんなところもこだわりを感じます。
ちなみに一番上の腕は上下に動きますので、小さめの楽譜でも安心です。
楽譜を止めるクリップつき
分厚い楽譜を譜面台に置くとき、どうしても楽譜が勝手に閉じられるので見たいページで押さえる必要があります。
そんなときのため、カプセル譜面台の真ん中の腕の端にはクリップがついており、手軽に固定可能です:

一般的な譜面台はクリップではなく、腕で挟み込む形が多いですが、いまいち使いづらいのですよね。
なんでこれまでクリップ方式のものがなかったんだろう?というくらい便利です。
譜面を置く部分に溝と滑り止めがある
カプセル譜面台の譜面を置く部分には、以下の写真のように溝と滑り止めがあります:

この溝のおかげで譜面がずれたり落ちたりしづらいです。
コピーした楽譜は滑って落ちがちですが、この溝と滑り止めがしっかりと守ってくれるでしょう。
また、電子楽譜ビューアーを置くときにもこの溝と滑り止めが役に立ちます。
一般的な譜面台の場合、譜面を置く部分がまっすぐかつツルツルなのでちょっと傾くとiPadが滑り落ちそうになりがちです。
まさに新世代の譜面台と呼ぶにふさわしい仕様といえるでしょう。
クラフトギークの譜面台を実際に使ってみたレビュー ~イマイチと感じた点
続いて、カプセル譜面台の「イマイチだな」と感じた点を紹介します。
小さいが軽くはない
カプセル譜面台は折りたたむと片手手で持てるサイズになりますし、別売りアクセサリでポータブルバッグが用意されていますので、外に持ち出すことを意識していると思われます。
しかしながら、本体の重さは1.16kgと決して軽くはありません。
たとえば私が使っているヤマハのアルミ製譜面台は600gと、クラフトギークの譜面台の約半分の重さです:
もちろん安定性や機能、おしゃれさなどはカプセル譜面台が圧倒しているわけですが、軽さという一点だけ見ればスチール製譜面台と同じような重さです。
3枚以上横続きの楽譜への対応が無い
暗譜できていない長い曲や、重奏や合奏の曲を弾くとき、楽譜をコピーするなどして3枚、4枚続きにすることがあります。
このような場合に備え、たとえばヤマハの譜面台には腕を延長するアタッチメントが用意されています:
カプセル譜面台には私が調べた限りこのような3枚、4枚続きの楽譜に対応する機能やアクセサリがありません。
時代は電子楽譜なので、そういうときは電子楽譜を使ってね、ということなのかもしれません。

当ブログでは初心者にもわかりやすい電子楽譜の始め方を解説しています:
価格が高価
これだけのデザイン、質感、機能なので仕方ないところではあるのですが、価格は高価です。
1万円以上する譜面台は、これまでは指揮者用やオーケストラ用のものなのど、据え置きで使う大型のものだけだったのではないでしょうか。
ただ、実際にカプセル譜面台を使ってみるとこの価格になるのは仕方ないかなと思います。
安い譜面台は作りがしょぼく、使い心地はもちろん倒れたり壊れたりといったリスクがありますし、ヤマハの譜面台もだんだんと値上がりして5,000円くらいするようになりました。
高い買い物ではありますが、その価値がないわけではないです。
価格で悩んでいる方のために、割引クーポンを発行していただきました。
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高価だがその価値のある譜面台
実際に使ってみて、クラフトギークのカプセル譜面台は高価ではありますがその価値がある譜面台だと感じました。
収納や展開の容易さ、細かいところまでこだわった機能性はもちろん、何よりそのデザインは唯一無二のものです。
安い譜面台に比べれば高価ではありますが、機能やデザインを考えれば決して高くはありませんし、丈夫で長く使えるでしょう。
次の記事ではカプセル譜面台のアクセサリについてレビューしたいと思います。