ギターはピアノやバイオリン、管楽器に比べれば音が小さいですが、環境によっては同居している家族や近所の人に対して遠慮無く演奏できるとは限りません。かといって防音室を導入するほどの音量ではないし予算もないし…。そんな時はDIYで騒音対策をしてみてはいかがでしょうか。さまざまな防音グッズを駆使し、快適な演奏空間を自作することができます。
ギターの生音の音量は何デシベル?
ギターの生音はピアノやバイオリン、管楽器に比べれば小さいというのは誰もが同意するところですが、実際どれくらいの音量なのでしょうか。
ギターの生音は意外に大きい
カナデルームが実験したところによると、アコースティックギターの平均音量は77.5dB、最大音量は93.2dBだったそうです。
これに対してピアノは約80dB~90dB、あるいは100dBとされており、やはりピアノに比べればギターの音量は小さいといえます。
アコースティックギターでこれであれば、クラシックギターはさらに小さいといえるでしょう。
ただ、思ったよりも大きいという印象も受けます。
隣の部屋にもしっかり伝わる
また、カナデルームはギターの音が隣の部屋に伝わる音量についても調査をおこなっています。
それによると、
- 一般的な木造住宅: 61dB
- 一般的なマンション: 46dB
という結果だったそうです。
環境省が定めている一般的な住宅地で許容される音量は、昼間で55dB、夜間で45dBだそうで、ギターといえどもやはり周りの迷惑になりかねないことがわかります。
ギターの音量を抑えるためのグッズもあるけど、思いっきり弾いた方が気持ちいい!
比較的構造が単純であるギターについては、音量を抑えるためのグッズが多数販売されています。
具体的な音量を抑えるグッズについてはこちらの記事を参照ください:
しかしながら、常に音量を抑えながら弾いているとストレスがたまります。
せっかく練習しているのですから、時には思いっきり音を出して弾きたいこともあるでしょう。
最近では安くなっていますが、防音室というのも大げさだし…。
そんな方には防音グッズを使ったお手軽なDIYでの騒音対策がおすすめです。
場所別のギターの騒音を抑えるDIYグッズ
それでは具体的にギターの騒音を抑えるためのDIYグッズをご紹介します。
部屋と一口に言ってもさまざまな場所がありますので、以下の4カ所について対策方法と対策用品を解説しましょう。
- 壁
- 窓
- 床
- 扉の隙間
1. 壁から伝わる騒音を抑えるDIYグッズ
まずは部屋の大半を占める壁から伝わる騒音を抑えるDIYグッズです。
特に1つの家のなかを隔てる壁はそれほど厚くないこと多く、ギターの音が伝わる原因となることがあるかと思います。
吸音パネル(吸音ボード)
部屋の見た目も重視するなら、吸音パネル(吸音ボード)の設置がおすすめです。
これはフェルト、ロックウール、グラスウールなどの音を吸収する素材でできたパネルであり、壁に貼り付けることで音を吸収し、隣の部屋に伝わる音量を減らすことができます。
デザインもさまざまなものがあり、部屋の模様替えも兼ねておこなえるでしょう。
ウレタンフォーム
安さを重視するならウレタンフォームもおすすめです。
見た目が吸音パネルよりもよく言えばシンプル、悪くいえば実用性重視になりますが、断熱効果により光熱費の削減効果も見込めるでしょう。
また、軽くて取り付けが楽なのもうれしいポイントです。
窓から伝わる騒音を抑えるDIYグッズ
窓は一般的に壁よりも薄く、外に音が伝わりやすいです。
ここも対策が必要といえるでしょう。
防音カーテン
一番お手軽なのは、防音カーテンの利用です。
現在使っているカーテンを掛け替えるだけなので、非常にお手軽に設置できます。
また、ニトリなどの量販店にも普通に売っているため、入手しやすいのもうれしいポイントです。
ただ、防音効果についてはカーテンによります。
防音カーテンと書かれていたので買ったら普通のカーテンと変わらなかった、ということもあるかもしれません。
一般的に防音効果はカーテンの重さに比例するため、防音効果が高いものが良いなら重さで選ぶと良いでしょう。もちろん、その分材料費がかさむため、高くなるでしょうが…。
DIYできる二重窓(内窓)
さらに本格的に騒音対策をやるのであれば、DIYで設置できる二重窓(内窓)が良いでしょう。
カーテンの場合は外の光を遮り、昼間でも明かりを付けなくてはいけませんが、窓なら太陽の光を遮らず、明るい環境で演奏ができます。
また、断熱効果を高める効果も期待できるでしょう。
最近はDIYで設置できるものもあるため、自信があればこういうものを使っても良いかと思います。
床から伝わる騒音を抑えるDIYグッズ
床からも音は伝わります。下の階へはもちろん、隣にも床を通じて音が届くこともあり、対策が必要です。
ジョイントマット
お手軽なのは、ジョイントマットと呼ばれるものを床に敷き詰める方法です。
厚みのあるPE素材のシートをパズルのように床に敷き詰めることで、床に伝わる音を抑えることができます。
価格も安く、導入しやすいのがうれしいポイントです。
ラグやカーペット
ラグやカーペットを敷くのにも防音効果があります。
ジョイントマットよりもおしゃれな部屋にするならラグやカーペットが良いかもしれません。
防音効果を望むなら厚手のものを選ぶと良いでしょう。
扉の隙間から伝わる騒音を抑えるDIYグッズ
扉の下や開閉(戸あたり)部分には大概隙間がありますが、ここを埋めることで騒音を抑える効果が期待できます。
隙間テープ
このような隙間を埋めるため、その名も「隙間テープ」というものが販売されています。
これにより音が伝わる隙間を埋め、漏れ出る音量を抑えることが可能です。
こちらも断熱性の向上にも役立つでしょう。
戸あたりだけでなく、扉の下を埋めるための隙間テープもあります。
賃貸物件の場合は原状回復できるように注意
賃貸物件に対してDIYで騒音対策をおこなう場合、元に戻せるような方法でおこなうようにしてください。
借主には原状回復の義務があり、元に戻せない場合は多額の費用を請求される可能性があります。
たとえば壁に何かを貼り付ける場合、マスキングテープを使うといいでしょう。
簡単に剥がせるマスキングテープを壁に貼り、その上から両面テープなどで固定することで、退去時に元に戻すことが可能です。
また、DIYであっても内窓の設置などの大がかりな工事をおこなう場合は、管理会社に可否を確認することをお勧めします。
結局最後は人間関係
たかが騒音ですがご近所トラブルの原因として多く挙げられており、過去にはピアノの音がうるさいという理由で殺人事件も起きています。
この記事で紹介した対策をすることで、聞こえる音を小さくし、家族や他人とのトラブルの発生を抑えられるかもしれません。
ただ、一番大事なのは人間関係のような気がします。
普段から家族や隣人と良好な関係を保っておくことで、ギターの音がうるさいときに気軽に相談してもらうことができ、大きなトラブルになることを未然に防ぐことが可能です。
また、同じ音量であっても、親しい人が出す音は気にならなかったり我慢できたりするかと思います。
騒音を抑える対策とともに、ぜひ良好な人間関係の構築も目指してください。