クラシックギターに限らずギター関連の製品を数多く取り扱っているARIA(新井貿易)からギグバッグが発売されていました。ABC-700CFとABC-300CFの2種類です。どのような特徴と違いがあるのでしょうか?
クラシックギター用ケースについてはこちらの記事も参照ください:
フレームがなくクッションで保護するギグバッグ
まず、ギグバッグとはフレームがなくぶ厚いクッション材でギターを保護するケースのことです。各ケースの違いについては以下の記事を参照ください:
ARIAから発売されたのはABC-700CFとABC-300CFはどちらもこのギグバッグタイプのケースになります。
クッションの厚みが大きく違う
この2つのケースのスペックを比べると以下のようになります:
最も大きく違うのはクッションの厚みかと思います。18 mmのABC-300CFに対してABC-700CFは23 mmもあります。フレームのないギグバッグはクッションの厚みが保護する能力のすべてなので厚いほうがいいといえます。
また、ABC-700CFには外側の生地として1680Dナイロンが使われています。「1680D」とは長さ当たりの重さを示したもので、数が大きいほうが丈夫な生地であるといえます。1680はトップクラスの数値です。ABC-300CFは何もうたっていないということはABC-700CFには劣るものなのでしょう。
その分、ABC-700CFは重さがあり、2.5 kgもあります。セミハードケースであるスーパーライトケースが2.1 kgなので、ギグバッグなのにセミハードケースより重いです。ただし、一概にセミハードケースよりもギグバッグの方が保護力が弱いとは言えません。どのような力や衝撃に耐えられるかはクッション材の性質によって変わり、硬質なセミハードケースよりもギグバッグの方が力を受け流せる場面もあります。
価格はさすがに安いです。セミハードケースよりもお買い得なのは間違いありません。
スマホやタブレット収納ポケットを持つABC-700CF
それぞれの製品の詳細を見ていきます。まずはABC-700CFです。
ギグバッグらしくフレームはありません。しかしながら、結構分厚いクッションがあり、保護力の高さをうかがわせます。ネック部分にある赤いものはネックピローで取り外しも可能だそうです。
ポケットは糸巻のあたりとボディのあたりの2か所にあります。下はA4サイズの楽譜や書類も入るサイズです。上は予備弦やチューナーを入れる感じでしょうか。
上にはスマホを入れるポケットが、下にはタブレットが入るポケットがあり、荷物を減らすことができます。
信号待ちをするときなどに地面に置くときに役に立つクッションも底部にあります。
もちろん背負えるようになっており、不要な場合は肩ひもを収納することも可能です。また、縦持ちができるグラブハンドルがついています。電車の中とか順番待ちの列でちょっと動かしたいときに手軽に持ち上げられるので便利です。
価格は10,000円(税抜)と、保護力の高さの割にお安いです。
軽さがうれしいABC-300CF
一方、ABC-300CFは軽さがウリです。
取り外し可能なネックピローはこっちにもついています。クッションはやはりABC-700CFに比べると控えめです。
ABC-700CFと異なり、2つのポケットが一か所にまとまっています。どちらもA4サイズが収納可能です。スマホやタブレット用のポケットはないようです。
背中に背負うこともできそうですが、ショルダーストラップの収納はできなさそうです。グラブハンドルはあります。
価格はさらに安い6,000円(税抜)です。
柔らかいクッションを求めるならいい選択肢
ギグバッグというとエレキギターやアコギのものが多く、クラシックギターのものはなかなかありません。あってもポケットとかがいまいちだったり、安さを追求したものになっています。
アリアから出たABC-700CFとABC-300CFはギター弾きが求める機能を備えた、分かっている人が作ったケースのように思います。
ギグバッグということで耐久性に不安があるかもしれませんが、クッションがしっかりしていれば下手なセミハードケースよりも強かったりします。また、価格は圧倒的にギグバッグの方が安いです。
いい選択肢が増えたということで検討してみてはいかがでしょうか?