Amazon MusicやApple Music、Spotifyなどのサブスクリプションサービスはどんどん普及しており、使う人もどんどん増えています。しかしながら、これらのサービスはクラシック音楽の愛好家には困ったことがあります。それはマイナーな曲を探しづらいという点です。サブスクリプション型音楽サービスでクラシックの曲を探す方法について書いてみたいと思います。
アルバム/曲のデータベースが充実していないクラシック音楽
この問題はひとえにサブスクリプション型音楽サービス上のアルバムや曲のデータベースが充実していない点に問題があります。
たとえば、こちらはあるアルバムの内容をAmazon Music上で表示したものになります:
それぞれの曲の表題(PreludeとかAllemandeとか)しか各トラックにありません。これだけを見ても、何かの組曲っぽくて、バッハっぽいことはわかっても、特定はなかなか難しいです。
ちなみに正解はリュート組曲などのバッハのリュート曲です。
また、クラシックギターでは有名なプホール(Maximo Pujol)の曲が聴きたいと思って検索すると結果はこうなります:
Maximo Pujol自身が演奏しているアルバムか、たまたまアルバムのタイトルなどにMaximo Pujolの名前が入っているものしか出てきません。曲ごとに作曲者の情報を入れているケースなど皆無なので出てこないのです。
いわば、CDの裏表紙にあるトラック情報以上の情報がデータベースにないのです。
ベートーベンやブラームスの交響曲のようにアルバム全体がその曲なら探すのは簡単なのですが、小曲やマイナーな曲は特にサブスクリプション音楽サービス上で探すのが難しいです。
Amazonなどの名誉のために書いておくと、これは楽曲を提供しているレーベルがデータベースをちゃんとしてないのが問題なのであって、サブスクリプション側の問題ではないと思います。もちろん、改善をしていないのは困るのですが。。。
日本語が良ければNAXOS Music Library(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)を利用
そこで私は日本語で検索したいときはNaxosのミュージックライブラリを利用させてもらっています:
このデータベースはものすごく充実していて、
- 一曲ずつの作曲者/演奏者情報がある
- 日本語/英語を横断して検索できる
- Naxosレーベル以外のレーベルも対応している
と素晴らしい内容になっています。これを利用して特定の曲が収録されているアルバム名を探し、そのアルバム名でサブスクリプションサービス側で検索します。
有料会員でなくてもでも検索に使える
このNaxosミュージックライブラリは有料会員なら音楽も聴けます。しかしながら、有料会員でなくても検索には利用できます(ナクソス的には不本意でしょうが。。。)。
作曲者名で検索
ここでは”Maximo Pujol”の”Color Sepia”という曲を検索することにします。
Maximo Pujolで検索すると以下のような結果になります:
ご覧の通り、”Maximo Pujol”で検索したのに”プホール”と日本語で登録されている内容も表示されています。
上の方に「有料会員でないから10件しか出さないよ」とありますが、ここでどれかのアルバムをクリックします。
そして、出てきた作曲者名(マキシモ・ディエゴ・プホールというところ)をクリックすると、以下のように作品リストが出てきます:
ご覧の通り、その作曲家のすべての作品リストが出てきます。ちゃんと英語と日本語併記です。
所望の曲が収録されているアルバムを特定
ここで所望の曲をクリックすると、その曲が収録されているアルバムが表示されます:
タイトルをクリックするとアルバム名がわかります:
アルバム名でサブスクリプションサービスを検索
そのアルバム名でAmazon Musicなどのサブスクリプション型音楽サービス上で検索すると出てきます:
手数はかかりますが、Amazon Musicなどで検索するよりも正確に探し出せます。
作曲者だけでなく演奏者でも検索できる
上の例では作曲者での検索を行いましたが、演奏者でも検索できます。
Naxosミュージックライブラリのトップから「演奏家」タブを押します。すると、以下の画面になりますので、頭文字を選びます。
たとえば、「村治佳織」を探すなら「ム」を選びます。
「村治佳織」をクリックするとこのようにアルバム一覧が出ます:
すべてのアルバムに対応しているわけではない
このように便利なNaxosなのですが、残念ながらすべてのアルバムに対応しているわけではないようです。
Naxosによると、
世界中から943レーベルが参加。作曲家の数35,571人。
とのことなので相当数あると思われますが、マイナーなレーベルなどは非対応です。また、マイナーでなくても非対応なレーベルもあります。
たとえば、上で検索した村治佳織はもっと多くのアルバムがありますが、Victor自体のアルバムなどは出てきません。
英語で検索できるならALL MUSICで検索
そこで、Naxosで見つからない場合はALL MUSICで検索します:
こちらは残念ながら日本語には対応していないので、「村治佳織」とか「プホール」では検索できません。しかしながら、”Kaori Muraji”とか”Maximo Pujol”なら検索可能です。
こちらで”Kaori Muraji”で検索し、Discographyを出すと、以下のようにNaxosよりも多くのアルバムが表示されます。
また、クラシック以外でもしっかり日本のアルバムにも対応しており、あいみょんなども出てきます:
ん?”Let the Night”じゃAmazon Musicの検索で出てこないのでは?と思いきや、ちゃんと「今夜このまま」が出てきます:
これくらいの英語/日本語対応はサブスクリプションサービス側でやられているようです。
このため、英語での利用に抵抗感がなければ最初からALL MUSICで検索するのもありです。
もちろんCDやMP3を探すのにも
この方法はサブスク型のサービスのみで使える手ではありません。
もちろん、CDやMP3を購入する際にも同じように調べることで容易に目的の曲が収録されたアルバムを探し出すことができます。
せっかくの膨大な音楽をしっかり活用したい
サブスクリプション型の定額音楽サービスは何千万曲もの曲が聴き放題ですが、その多くはおそらく聴かれずに眠ってしまっています。
その原因の1つは私はデータベースが貧弱であることにあると思います。
弾きたいと思ったあの曲や、コンサートで良い曲だと思ったあの曲を聴いてみたいときにそのままサブスクリプション型サービスを利用したのではうまくいきません。
現状はユーザーがワンクッションおいて検索してやる必要がありますが、これをやることで出会える音楽が何倍にも広がります。ぜひとも無料期間もありますので一度Amazon Music Unlimitedを試してみてください:
こで紹介した方法は私がやっている方法ですが、他にいい方法がありましたらコメントいただければ記事に追加させていただきます。
追記:アーティストを検索するときのコツについても書きました: