ギターを趣味にしている方は、できれば年を取っても楽しみたいですよね。でも、年を取ると体と脳が衰え、指は動きづらくなるもの。ギターを弾く能力にもアンチエイジングが必要です。
そんな年を取ってもギターを弾く技術を維持する方法を記しているのが中林淳眞氏の「年齢を超える!ギター技巧維持教本」。ギターの技術の維持には右手のch指(小指)が重要なのだとか。
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86歳にしてカーネギー・リサイタルホールで演奏をした中林淳眞
中林淳眞氏は1927年生まれのギタリストであり、ナルシソ・イエペスに演奏を師事した人物。
作曲をモレノ・トローバに師事し、作曲や編曲も多数おこなっています。
なんと2013年に86歳にしてカーネギー・リサイタルホールで演奏するほど、年を重ねてもギターの腕を維持しています。
そんな中林淳眞氏がいかにして年齢に負けずにギターを弾く技術を維持しているかを書いたのが、「年齢を超える!ギター技巧維持教本」です。
実践的なトレーニング方法を解説
この本では、理論だけでなく、実践的なトレーニング方法を多数解説しています。
ギターを持たずにおこなう準備運動や筋力、脳神経のトレーニングに始まり、ギターをもっておこなうトレーニングも多数掲載。
実際に86歳になってもバリバリの現役を続けている中林淳眞氏だけに説得力があります。
右手の小指が重要?
印象的だったのが、ギターの技術を維持するためには右手の小指が重要という点。
右手の小指はクラシックギターにおいてはあまり使われない指であり、トレーニングしたことがない方も多いのではないでしょうか?
小指を鍛えなくてはならないのは、薬指と小指は腱が独立しておらず動作が弱くなりがちであり、小指の動作が悪いとほかの指全体に負担がかかるからなのだそうです。
なかなか新しいアイデアであり、試してみる価値がありそうです。
全然トレーニングしたことない方であればすぐに効果がでるかもしれません。
爪の劣化防止方法などのコラムも掲載
この教本のなかでは、爪の劣化防止方法などのコラムも掲載されています。
爪もやはり年齢とともに劣化していくものであり、クラシックギターを弾き続けるならアンチエイジングが大切。
この点でも役立ちそうですね。
オリジナル曲/編曲の楽譜も掲載
巻末には中林淳眞氏が作曲したり編曲したりした楽譜が5曲掲載されています。
特に年齢による技術低下とは関係ないようなので、おまけといった立ち位置でしょうか?
教本としてはページ数が少ない
この「年齢を超える!ギター技巧維持教本」、巻末の楽譜を入れても全部で32ページしかありません。
たとえばカルカッシ・ギター教則本が149ページで2,200円、教室用 新ギター教本が100ページで1,650円であることを考えると、32ページで1,980円という価格にはコストパフォーマンスの悪さを感じる方もいるかもしれません。
包括的にクラシックギターの技術を教えるための教本ではなく、年齢による技術低下防止に特化したものなのでページ数が少ないのはしょうがなく、価格は著者のノウハウを余すところなく伝えていると思えば納得できる、でしょうか?
年齢に負けずにギターを楽しみたい方へ
高齢の方でギターを趣味にしている方は多くいますが、意外とこの手の年に負けないようなトレーニングをするための本というのはありません。
ギターを弾くと指を良く動かし、認知症などの予防にもつながりますし、退職してからの人とのつながりにも役立つことでしょう。
氏によると、人間は40歳後半から気づかないうちにギターを弾く技術の衰えが始まるのだとか。
まだ若いけど年を取ってからもギターを続けたい方も、高齢になってからギターを始めた方も、この本でトレーニングをしてみてはいかがでしょうか?