クラシックギターを弾く際、塗装への影響を抑えたり腕を動かしやすくしたりする目的で右手にアームカバーをつけることが良くあります。ただ、肌が露出する暑いシーズンに使うものだけに、適当なものを使うと汗をかいてかゆくなることも。「たけしくん」は竹でできた糸を使ったアームカバーであり、暑いシーズンでも快適に利用可能です。
アームカバーをつけながらの演奏は暑い!
腕を露出した状態でギターを演奏するシーズンにおいては、多くの方は右手にアームカバーをつけて演奏します。
この目的は大きく分けて2つです。1つ目はギターの塗装への影響を抑えるため。
汗には水分や塩分が含まれており、それがギターの塗装に触れると白濁などの原因になります。
特に高級なギターで使われるセラック塗装は水分、温度、湿度に弱く、ちょっと汗がついただけで溶けてしまうことも。
ギターを美しい状態に保つのにアームカバーは必須といえるかもしれません。
セラック塗装を含めたギターの塗装についてはこちらの記事で詳しく解説しています:
もう1つは腕の滑りを良くするためです。
ギターの音色を変えるには弦をつま弾く場所を変える必要があり、指先だけでなく腕を動かしたほうが良いこともあります。また、低音弦を親指以外で弾くときにも腕から移動させたほうがよいでしょう。
そんなとき、素肌でギターに触れていると摩擦力が大きくて動かしづらいことに。アームカバーをつけることで滑りを改善できます。
適当なアームカバーはおすすめできない
しかしながら、アームカバーなら何でも良いというわけではありません。
特に気を付けたいのが肌に密着するタイプのものです。
せっかくアームカバーをつけてギターに汗がつかないようにしたいのに、アームカバーによって暑くなって汗をかいては元も子もありません。
その汗がアームカバーの外にしみ出し、ギターについてしまうこともあるでしょう。
涼しさにこだわった「たけしくん」
そこでおすすめしたいのが、三重化学工業が販売している「竹糸くん」(たけしくん)です。
実際に購入して使ってみたのでレビューしたいと思います。
竹糸のレーヨンを使用
竹糸くん最大の特徴は、素材として天然竹糸素材のレーヨンを使っている点にあります。
竹糸は熱伝導率が高く、かつ吸水性・放湿性に優れており、一般的な繊維よりもひんやり感が高いそうです。
また、伸縮性が高く丈夫なのもありがたい特徴といえます。
これらの特徴から、メーカーは特に暑い環境で作業をおこなう「工場内作業、土木・建築作業、荷役・ピッキング作業、農業・園芸作業、デスクワークなどオフィス作業、自動車・トラックなどの運転」に最適としています。
竹糸くんをギターの演奏に使ってみた
そんな竹糸くんを使ってギターを演奏してみました。
いろいろな長さがありますが、ギター用なら一番短い20cmのもので十分です:
長いのでもよいとは思いますが、短いほうが暑さ対策としては有効かと。
また、私は黒色を買いましたが、グレーや紺もあります:
裏面には竹糸くんの有効性が示されています。竹糸くんと綿の糸で作られたアームカバーを比べると、竹糸くんのほうが実測した温度が低かったのだとか。
1つのパッケージに2つ(両腕分)入っていますが、ギター用としては右腕分だけで十分です。もう1つは予備ということでとっておきます。
ちくちくすることはまったくない、装着感は快適
パッケージを見ると少し短めかな?と思いましたが、腕に着けてみると十分な長さでした:
むしろ、これ以上長いと着脱が面倒そうです。
また、竹といわれるとなんとなく硬いとかちくちくしそうというイメージがありますが、全くそんなことはありませんでした。
触った感じは普通の繊維と変わらないくらい柔らかく、腕やギターを傷つける心配はないでしょう。
また、宣伝文句通り伸縮性に優れており、着け心地は良好です。
普通のアームカバーより確かに涼しい
肝心の涼しさですが、確かに普通のアームカバーよりも涼しいと感じました。
装着した時点で長袖の服や一般的なアームカバーに比べてひんやりとした感じを受けます。
そして、長時間着けていてもベタベタすることがなく快適です。
伸縮性が高いことから演奏時に邪魔になることもありません。
見た目的にも悪目立ちしないので、ステージで使っていても違和感がないのではないでしょうか。
価格も安くておすすめ
この竹糸くん、珍しい素材を使っているのでそれなりの値段がするのかと思いきや、なんと2つ入りで500円もしません。
1つあたり200円くらいの計算です。ありふれた植物なので安いのでしょうか?
ギターをできるだけきれいに保ちたい、腕の滑りを良くしたいけど、アームカバーは暑いから嫌だという方には竹糸くんがおすすめです。