弦の潤滑液「MUSIC NOMAD String Fuel」と「ダダリオ XLR8」を比較レビュー

4.5
MUSIC NOMAD String Fuel(MN109)と補充液のセット ギター用品
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ギターを弾くのに欠かせない弦は、その弾き心地がギターの弾きやすさや音質を左右します。また、弦は消耗品であり、できるだけ長く使える方がお財布に優しいです。今回は弦の滑りを良くし、かつ寿命を延ばすという触れ込みの潤滑液「MUSIC NOMAD String Fuel」と「ダダリオ XLR8」を比較しながらレビューしたいと思います。

塗るタイプの弦の潤滑液

MUSIC NOMADのString Fuel(MN109)とダダリオのXLR8はどちらも弦に塗るタイプの潤滑液です。

弦の潤滑液は昔からあるのですが、その多くはスプレー方式で吹き付けるものでした。

この場合、指板やボディーへの影響が気になるところですが、塗るタイプなら弦にしか触れないため安心です。

当ブログではXLR8を先にレビューしました:

今回はString Fuelを購入し、これらを比較しながらレビューしたいと思います。

MUSIC NOMAD String Fuelとは

MUSIC NOMADのString Fuelは、弦の汚れを取り滑りを良くする潤滑液です。潤滑液の効果についてはXLR8の記事で詳しく解説していますのでご覧ください

パッケージを開けると本体とメンテナンス用クロスが付いています:

このクロスも単なるおまけではなく、1平方インチあたり9万本の繊維を持つ結構こだわったもののようです。

クロスは本体の上部に収納できます:

つまり、String Fuelの青い部分は空ということです。XLR8の缶も空でしたし、この手の商品はこういうものなのでしょうか。

人間工学的なデザインで塗りやすいというのを売りにしており、せっかく空間ができたからクロスでも入れてみるか、という感じなのかもしれません。

弦の潤滑液としての本体は下部の黒い部分にあります:

フタを開けるとなかに潤滑がしみこんだスポンジが入っており、これを弦に押しつけて塗るという仕組みです。

潤滑液としては上質な天然オイルと高品質鉱物油が使われています。ラッカー塗装についても安心だそうです。

String FuelとXLR8の違い

String FuelとXLR8を比べてみると、さまざまな違いがありました。

スポンジの大きさ

まず見た目からわかるのはスポンジの大きさです。

String Fuelが横長なの対し、XLR8は丸形となっています:

XLRはクラシックギターの6本の弦をカバーするには小さすぎ、低音3本と高音3本で分けて塗る必要があります:

これに対してString Fuelは幅広なので全部一気に塗れる!といいたかったのですが、ブリッジ側がわずかに足りませんでした:

サドル側は余裕でカバーできるので惜しい感じです:

スポンジの硬さ

写真ではわからない違いとして、スポンジの硬さが挙げられます。

XLR8がいわゆるスポンジでかなり柔らかいのに対し、String Fuelは押してもへこまないほど硬いです。

硬いほうが複数の弦を一気に塗る際にぶれずに塗りやすいのですが、一方で弦の側面をカバーするのにはXLR8のような柔らかいスポンジの方がよいのかもしれません。

String Fuelは主に指や触れる弦の表面を重視した設計なのでしょう。

XLR8のほうが柔らかいため、弦にたっぷりと液がつきます。このため弦の滑りを良くする効果はXLR8のほうが感じられるでしょう。その分早くなくなるということでもあるのですが…。

持ち手の大きさ

持ち手の大きさという意味ではString Fuelの方が大きくて握りやすいです。

XLR8はつまむほどのサイズしかありません:

ダダリオのXLR8をギターに塗布する

XLR8が塗りにくいかというとそうでもないです。慣れればどちらでもよいかなという気がします。

全ての弦を一気に塗る際はやはりString Fuelのほうが扱いやすいのは確かです。

一方、持ち手の大きさ故に場所を取るのが難点でしょうか。かといってXLRが小さいかというと、無駄に大きい缶に入れる必要があるのでどっちもどっちです。

潤滑液の揮発防止

String FuelとXLR8はどちらも揮発性の潤滑液を使用しており、普段は空気に触れないようにしなくてはなりません。

XLR8はスポンジにかぶせるプラスチック製のカバーに加え、金属缶でしっかりと守っています

ダダリオのXLR8の缶の中

String Fuelはプラスチックカバーしかないので、揮発のしにくさはXLR8のほうが上でしょう。

ただ、潤滑液自体の揮発性はどちらが上かわからないため、総合的には不明です。

補充液の有無

String FuelにはMN120という補充液が用意されています

この補充液は完全に乾いたString Fuelを2回補充する容量があるそうです。

本体と補充液がセットになったMN145という製品もあります:

こちらのほうがお得なので、私は今回MN145を購入しました:

XLR8には補充液がないため、ランニングコストという意味ではString Fuelのほうが有利かもしれません。

肝心の潤滑液としての使い心地は?

肝心の潤滑液としての使い心地ですが、弦の滑りをよくするという意味では同等だと感じました。

左手に加えて右手の滑りも良くなるため、速弾き、スラー、トレモロなどに効果があります。

一方、寿命が延びるか?という意味では残念ながらXLR8の場合は効果を感じませんでした。String Fuelに関してはこれから使ってみて追記します。

私は基本的に毎日ギターを弾くタイプなので、弦が錆びるより前に芯線がへたります。String FuelにしてもXLR8にしても汚れや錆を防止して寿命を延ばすタイプなので、私のような弾き方の場合は効果があまりないのでしょう。

ギターを毎日弾けず、弦が錆びてしまうことが多い方はこれらを使うと錆を防いで長く弾けるようになると思います。

String FuelとXLR8、どちらがおすすめ?

String FuelとXLR8というよく似た製品を両方使った結果として、私のおすすめはString Fuelです。

本体が大きいので塗りやすいですし、補充液が販売されているのでコストパフォーマンスも期待できます。

ただ、String Fuelの唯一の欠点が潤滑のニオイです。シンナーのようなニオイがするため、揮発するまでは少し気になります。

ニオイが少ないほうがよいのであればXLR8のほうがよいかと思います。

クラシックギタリストはあまり使っていない弦の潤滑液ですが、使ってみるとそのよさがわかるかと思います。ぜひ一度試してみてください。

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