音楽は世界中で愛されており、さまざまなジャンルを好きな人がいます。ある研究によると音楽の好みと性格の関係は普遍的なのだそうです。クラシックギターを弾く人におとなしくていい人が多いというのはあながち間違っていないのかもしれません。
世界6大陸、50カ国以上、35万人以上が研究に参加
この研究はケンブリッジ大学の名誉研究員でありバー=イラン大学の研究員であるデイヴィッド・グリーンバーグ博士によっておこなわれたもので、世界6大陸、50カ国以上、35万人以上が参加した大規模なものです。
それぞれの人に対して音楽の好みと性格の関係を調査したところ、人種や住んでいる地域にかかわらず普遍的な関係性が見えたといいます。
たとえば良心的な性格は気取らない音楽、協調性とメローで気取らない音楽、開放性とメロー、現代的、洗練された音楽の間に正の相関性があったそうです。
一方、良心的な性格と激しい音楽の間には明らかな負の相関がありました。
音楽が人々の分断を超える架け橋に?
この研究の意義についてグリーンバーグ博士は、音楽が人々の分断を超える架け橋になる可能性があるとしています。
人間は地理、言語、文化によって分断され、時にはそれによって争いが起こることもあります。
しかしながら、音楽が世界中で普遍的な傾向を持つのであれば、音楽によって人々が互いを理解し、共通点を見いだすことができるとのことです。
すでにグリーンバーグ博士はイスラエル人とパレスチナ人に対し、音楽を橋渡しとして働きかけているそうで、うまくいくことを祈るばかりです。
新しい治療法にもつながる?
グリーンバーグ博士はまた、音楽による新しい治療にもつながることを期待しています。
たとえば神経症の人がストレスやフラストレーションを感じているときに激しい音楽を聴かされたらより悪い状態に陥ることでしょう。
逆に、それぞれの人の今の状態を元におすすめの音楽を自動でストリーミング再生することで、より生活の質を上げることにつなげられるかもしれません。
激しい音楽が好き = 性格が悪いわけではない
気を付けなくてはいけないのは、この研究は決して音楽の好みによって性格の善し悪しが決まるといっているわけではないという点です。
あくまでこの研究は平均値に基づいており、音楽の好みで人を判断するべきではありません。
また、音楽の好みは変わりますし、人間はさまざまな性格の組み合わせでできており、音楽の好みもさまざまなジャンルの組み合わせです。
クラシックギター好きは穏やかでいい人が多いのはあながち嘘ではないかも
私は以前ある楽器店で、楽器ごとにそれを弾いている人の性格の傾向は異なり、クラシックギターを弾いている人は穏やかでいい人が多いという話を聞きました。
今回の研究結果と、実体験からすると、それがあながち嘘ではないように思えます。
もちろんグリーンバーグ博士がいうようにクラシックギターを弾く人のなかにもさまざまな人がいるのは事実ですが、全体の傾向としては居心地の良いコミュニティが形成できる楽器なのかもしれません。
より多くの人がクラシックギターを弾くようになれば、より世界が平和になるのかもしれませんね。