現代においてクラシックギターは、アコギやエレキに比べて人気が低いといわざるを得ません。その原因は実は人間の脳にあるのではないかと思わせる研究結果が発表されました。人間の脳には先天的に歌にのみ反応する回路があるのだとか。
歌にだけ反応する回路が脳にある
この研究はアメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)によっておこなわれました。
MRIや脳に電極を当てることによって人間の脳の活動を調べたところ、歌にだけ反応する回路があったのだそうです。
面白いことに、この回路は会話や楽器の演奏には反応せず、人間の歌声にだけ反応します。
私たちは歌も楽器演奏も「音楽」として分類していますが、実は脳の中では歌だけは別格に扱われていたということです。
歌に反応する回路は先天的に存在
人間の脳にある回路のなかには、生まれたときから存在するものと、学習や経験によって作られるものがあります。
たとえば読書する能力は後天的な能力であり、先天的な短期記憶力や形状判別力を転用することで読書用の回路を獲得しているのだとか。
これに対し、歌に反応する回路は先天的に存在する可能性が高いのだそうです。
その根拠となっているのが、どの民族や社会を調べても、「歌」と呼ばれるものが存在しているということ。
読書に関しては文字を持たなかったり、文化を文字で残さなかったりする民族もあるのに比べると、すべからく存在する「歌」を処理する回路は先天的である可能性が高いのでしょう。
モテるために歌回路ができた
人間が歌回路を先天的に持つようになったのは異性からモテるためだといわれています。
歌がうまいということは声帯の調節力が高く、言語能力が高いため、コミュニケーション能力に優れ生存能力の高さにつながります。
また、歌の回路を持つことは記憶力向上につながるという説もあります。
歌がある音楽の方が楽器のみの音楽よりも記憶に残りやすいという研究や、歌には音楽よりも感情を刺激する効果が高いという研究があることから、歌の回路を使うことで記憶力が高くなり、生存率が高くなる可能性があるのです。
いずれにせよ、自分が生き延び、かつ子孫が生き延びる可能性を高くするために人間は歌がうまい人をパートナーとして選ぶため、よりモテるために歌専用の回路を先天的に持つようになったとのことです。
確かに歌がうまい人は現代でもモテる気がします。
クラシックギターがアコギやエレキに勝てないのは歌がないから?
現代においてクラシックギターはアコギやエレキに比べて人気が低いです。
もしかするとその理由は、クラシックギターには歌を伴う曲が少ないからなのかもしれません。
アコギやエレキには弾き語りがありますし、バンドなどで歌と一緒に演奏されることも多いです。
一方、クラシックギターには基本的に弾き語りはなく、かつ声楽と一緒に使われる機会も多くはありません。
クラシックギターの人気を上げるには、歌を伴う曲が必要なのでしょうか。あるいは自分で歌詞を付けて歌うとか?
…ん?それって吟遊詩人?