クラシックギターの曲の中には様々な奏法が出てきます。小さなオーケストラといわれるだけあって様々な音が出せるわけですが、それだけ様々な奏法を使いこなす必要があるということです。ふと気づいた時に自分流になってしまっているものもちらほら。現代ギターから出た「ギター奏法のすべて」で自分の奏法を見直してはいかがでしょうか。
ギター奏法の基本から応用まで
この本はよくあるクラシックギターの初心者向けの教科書ではなく、参考書的に様々な奏法を扱っています。
Part1では構え方や爪の磨き方から始まり、Part2ではセーハ、スラー、ハーモニクスなど、Part3ではカンパネラ奏法やボディや指板をたたく奏法、Part4ではフラメンコ双方が解説されています。
マニアックなところですはPart3で「曲の途中で弦を緩める、締める」というものもあります。ディアンスのヴィラロボス賛歌の5楽章で出てきますね。
この本を持っていればどんな曲のどんな奏法にでも対応できそうです。
DVDつきで目と耳で学べる
こういった教則本は絵と文章で説明が終わるケースが多く、先生につかないと詳細がわからなかったりします。
ギター奏法のすべてではDVDがついており、各奏法を実演した動画が収録されています。
これがあれば独学者でも奏法をマスターできそうです。
フラメンコ奏法がしっかり開設されているところが良い
クラシックギター弾きとしてありがたいのはフラメンコ奏法がしっかりと解説されているところです。
ラスゲアードくらいはなんとなくわかりますが、概してクラシックギター弾きはフラメンコギターの奏法に疎かったりします。教則本にもなかなかでてきませんし。
そういったところまでカバーしているところに「すべて」といっているゆえんがあるのでしょう。
充実したコラムがうれしい
本編のほかにこの本にはコラムが含まれています。
内容は、
- ギター支持具紹介
- いろいろなギタリストの爪
- プランティングとは?
- 弦の取り付け方
- カルレバーロ奏法について
- フィゲタ奏法
- ネック反りのチェック法
となっており、なかなか興味深いです。
ギター支持具の紹介は本サイトでも人気のあるコンテンツですが、これを書籍としてまとめているのは少ないのではないでしょうか?
また、いろいろなギタリストの爪というのは自分の爪の形を作るのにも役に立ちますし、一世を風靡したカルレバーロ奏法は興味のある方もいるのではないでしょうか。
初心者よりもむしろギターを長く弾いている人向け?
このように、この本の内容はもちろん初心者にも役に立つものですが、むしろギターを長く弾いている人に向いている気がします。
特に現在先生に習っていない独学者には役に立つ一冊なのではないでしょうか。
我流の部分もあっていいですが、まずは基本をしっかり押さえたい、そんな人にお勧めです。