クラシックギターを弾くには爪を使うためギタリストは爪を伸ばすものですが、どれだけ気を付けていても割れるときは割れるものです。そういう時に限って発表会などの人前で弾く機会があったりします。この記事では割れてしまった爪を補修してギターを弾けるようにするための対処方法を紹介したいと思います。
このサイト内の爪に関する他の記事はこちらを参照ください:
簡単に割れてしまう爪
爪は思っているよりも柔らかく、割れやすいものです。
よく誤解されますが、爪は骨のようにカルシウムでできているのではなく、ケラチンというたんぱく質でできています(下記の記事参照)。
このため、骨のように硬くはなく柔軟性を持ちつつ皮膚よりは硬いといった感じです。
この柔軟性のおかげでギターを弾いた時に良い音が出るのですが、同時にちょっとしたことで割れてしまうという欠点を持っています。
接着剤での補修
一番お手軽なのは接着剤での補修です。
一番お手軽なのは釣り名人での補修
クラシックギター弾きで一番有名なのは、アロンアルファの「釣り名人」という接着剤での補修です。
この釣り名人、何がいいかというと粘度がありやわらかく接着するタイプの接着剤であるという点です。
普通の接着剤は物と物をガチっとくっつけるために使いますが、この釣り名人は曲げ伸ばしするものの製作に使えます。
元々爪は柔軟性があり、その柔軟性を使って弦を弾くため、ガチっとくっつけてしまうと弾きづらくなります。釣り名人なら粘度を残した接着をすることで違和感を少なくすることができます。
また、釣り道具に使うことを想定しているため水にも強そうです。
使い方は、割れたところに釣り名人をつけ、ティッシュを小さくちぎったものをかぶせます。上からも釣り名人を塗っておきます。乾いた後ティッシュがはみ出していたら後から切ります。
爪の割れ専用の補修コートも
釣り名人は安くてお手軽なのですが、世の中には爪の割れに特化した補修コートもあります。たとえばこちらのネイルネイルのスプリットリペアがそうです:
釣り名人は人体に使うことを想定していないため健康への影響はなんとも言えませんが、こちらは人体に使うことを想定しているため安心感があります。
メーカーによると、
ひび割れ、亀裂、二枚爪をぴたっとくっつけて補強するネイルリペア(補修)です。超微細パウダーと補強ポリマーが亀裂の間をしっかりつなぎます。爪の上をたいらに保つラッピングポリマーで、上から塗るネイルカラーもキレイに仕上がります。
とのことなので、塗った後をきれいするのもこちらの方が簡単そうです。ティッシュも必要ありません。
また、リムーバーで簡単に落とせるのも特徴だそうです。釣り名人は落とせないためある意味一発勝負ですが、こちらは落とせるのでやり直しが可能です。
接着剤+αでより美しく強固に
接着剤のみ(+ティッシュ)でも割れは補修できますが、見た目が汚くなったり強度に不安があったりすることもあります。また、割れが広範囲だとそれだけだと補修しきれないことも。
そんな時は+αをつかうとより美しく強固にできます。
シルクラップ
シルクラップはその名の通りシート状の絹(シルク)です(安いものはもしかすると絹じゃないかもですが)。
使い方は釣り名人+ティッシュのティッシュをシルクラップと置き換えるだけです。ティッシュよりも強度はありながら柔軟ですので、しっかりと割れを守ってくれます。
接着剤が乾いたら上からやすりをかけることで見た目の違和感も取ることができます。
ネイルパウダー(アクリルパウダー)
もう1つはネイルパウダーと呼ばれるアクリルの細かい粉を使う手です。
接着剤を付けた後にネイルパウダーを使うことで強度が増し、かつ柔軟性も併せ持つことができます。
思い切って削るという手段も
これまでに紹介してきたグッズで爪の割れの進行を止めることはできますが、使い方によっては進行が止まらないこともあります。
また、風呂に入ったり水仕事をしたりすることで効果が弱まることも考えられるでしょう。
このため、ギターの演奏に支障が無ければひびが入った部分を削り落とすのも1つの手です。
たとえば私の場合、以下の写真のように右手中指の右側にひびが入りました。
見た目よりも割れが深く、すべてを削り落とすと以下の状態になってしまいました。
しかしながら、私の場合右手中指は爪の左側を使って演奏するため、右側は必要なく、この状態でもギターの演奏に支障はありません。
さすがに左側にひびが入ったらこの手は使えませんが、ひびが入る場所によっては削り落としても良いでしょう。
爪の割れが生じると、布などに引っかかって割れが進行し、放っておくとギターを弾くのに必要な部分にもひびが入ってしまいます。削り落とすなら早めの対処がおすすめです。
意外と簡単に治る割れ、割れを補修するグッズを常備しておくと安心
このようにいろいろと世の中には爪の割れを直すための製品があります。
どちらかというとギタリストというよりはネイルをやりたい女性の需要にこたえたものなのでしょうが、このようなものがあるのはありがたいことです。
とはいえ、一番いいのは割らないことなので、そのための努力を怠らないようにしましょう。
そのうえで補修のためのものを常備しておくと安心感があるかと思います。