クラシックギターを弾く方にとって爪は命。いかに滑らかに磨けるかが文字通り音にダイレクトに響いてきます。一般的には紙やすりを使って磨くのですが、紙やすりは消耗品のうえに、柔軟性が低いのが難点。布ヤスリなら洗えば再利用できますし、布なので柔軟性も抜群です。
ギタリストの爪に関する記事は以下のまとめを参照ください:
布ヤスリとは?
布ヤスリとは、その名の通り綿布を基材としたヤスリです。
布なので破れにくく、耐久性が高いのが特長となっています。
一般的には金属の酷いサビ落しやバリ取り、古い塗装はがしなど、耐久性を求められる研磨に使用されているそう。
また、耐久性が高いことから、洗えば再利用できるのも特徴の1つ。
布ヤスリは目が細かいものはバイオリンの表面の補修にも使われていて、楽器業界的にはなじみがあるものともいえそうです。
ルシエール・クロスネイルファイル(Luthier Guitarist Cloth Nail File)を購入!
そんな布ヤスリを使った爪磨きである、ルシエールクロスネイルファイルを購入しました。
写真で見ると大きく見えますが、実物はかなり小さく、持ち運びしやすそうです。
内側は2パートに分かれています。
左側には説明書きと、布ではなくパッド型のヤスリが入っています。このパッド型ヤスリの番手は#2400と#3200で、一般的に爪の研磨に使われる#2000よりも細かいものとなっています。
また、布ヤスリは石鹸と水で繰り返し洗って使える旨も書かれています。
反対側には布ヤスリが5枚入っています。
見た目や手触りから番手を推測するのは難しいですが、ちゃんと裏に書いてあります。#3600が2枚、#4000、#6000、#8000が1枚ずつ入っています。
触った感じは完全に「布」でかなり柔軟性が高いです。
細かいところまでしっかり磨ける
使ってみた印象は、爪の細かいところまでしっかり磨けるというものです。
ガラスヤスリ、金属ヤスリ、紙やすりはいずれもあるていど硬く、曲線を描いている爪に沿わせるのが難しいところがあります。
しかしながら、布ヤスリは布と同じ柔軟性なので、どんなところでもピンポイントで磨くことが可能です。
#8000で磨くことで雑音が減る
また、#2000よりもはるかに細かい#8000で磨くことで、ギターの音から雑音が明らかに減りました。
この感覚は超精密研磨フィルムを使ったときと同じですが、布ヤスリのほうが柔軟性が高い分より扱いやすいように思います。
少しでもギターの音をよくしたい方にはおすすめです。
入手性が低くなっているのが難点
このルシエール・クロスネイルファイル、良い製品なのですが、製造しているルシエールの創業者がなくなった影響からか、入荷が不安定になっているようです。
ルシエール弦のほうは存続が決まったようですので、こちらもそのうち復活するかもしれません。
同じ布ヤスリとしては、ゴッドハンド 神ヤスというプラモデル用のヤスリが流用できます。
また、バイオリン補修用の布ヤスリも売られていますので、こちらを使うのも手です。コストパフォーマンスはこちらのほうが高いでし、より荒い番手からより細かい番手まで幅広く手に入ります。
Mr.ラプロスという、航空機整備用に開発されたヤスリも布ヤスリのようです。
民間航空機の乗客用窓の最終仕上げとポリッシング用に使用されていたのだとか。
布ヤスリでギターの音を1ランクアップしよう
今まで2000番くらいの紙やすりで満足していた方も、より細かいやすりを使うことで音をよくすることができます。
布ヤスリは番手が細かいうえに柔軟性が高く、爪を磨くのにピッタリです。
また、布ヤスリは洗って使えるのでコストパフォーマンスが高い点もありがたいです。
ぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか。