新しい楽譜を渡されてもそれがどんな音楽かパッとわかる人は少なく、ちょっとずつ弾いてみたり他の人の演奏を聴いてみたりしないとわからないことが多いのではないでしょうか。世の中には楽譜読み取りアプリやソフトがあり、楽譜をスマホやパソコンに演奏してもらうことができます。無料で使えるものもあるのでぜひ試してみてください。
輸入楽譜や教本の英語や外国語に悩んでいる方は、スマホのカメラを使った翻訳アプリがおすすめです:
スマホでのリアルタイムからパソコンでの本格的な読み取りまで
この楽譜の読み取りという技術、様々なものがあり、その用途も様々です。こちらの記事で紹介するのは以下のアプリやソフトです:
アプリ/ソフト名 | スマホ/パソコン | 内容 | 特徴 |
PlayScore 2 | iPhone/Android/パソコン | カメラで撮影した楽譜を認識して演奏 | 無料でもかなり高精度に再生可能、サブスク契約するとさらに高機能に |
楽譜カメラ | iPhone | カメラでリアルタイムに楽譜を読み取って演奏可能 | とにかくお手軽だが、音の長さ等は読み取り不可 |
楽譜スキャナー | iPhone/Android | カメラで撮影後の画像から楽譜を読み取って演奏可能 | 音の長さも読み取れるが、コーダやダブルフラット、ダブルシャープなどには非対応 |
スコアメーカー | パソコン | カメラあるいはスキャナで取り込んだ画像をパソコンで読み取り | かなり高機能だが高価。パソコンで行うのであまりお手軽でない。 |
PlayScore 2
最初に紹介するのは海外で開発されている「PlayScore 2」というアプリです。
無料で利用できるのが特徴で、かなり高精度にカメラで読み取った楽譜を演奏してくれます:
無料なので気軽に試せるでしょう。
サブスク契約をするとさらに高機能になり、読み取った楽譜から楽譜を再生成する、MIDIとして出力するなどが可能に。
iPhone、Android、パソコン(Windows)のマルチプラットフォーム対応なのもうれしいポイントです。
楽譜カメラ
次に紹介するのはカワイ楽器がリリースしているスマホアプリ、楽譜カメラです。
このアプリのすごいところはリアルタイムに楽譜の読み取りが可能であるという点です。
普通の楽譜の読み取りだと、カメラやスキャナで撮影した画像をアプリやソフトに与えるイメージかと思います。この楽譜カメラの場合、カメラに楽譜をかざすだけで読み取りができます。
そして、楽譜にかざしただけでその楽譜の演奏ができるのです。
ただ、リアルタイムに処理しなくてはいけないことから、読み取れるのは基本的に音の高さのみです。四分音符も八分音符もありません。演奏時に自分で指示することになります。
ただ、撮影すらしなくても良いというのはかなりお手軽なので、ちょっとどんな曲なのか聞いてみたいという程度の使い道であればこれで十分です。
アプリはiPhone版のみリリースされており、Android版はありません。
楽譜スキャナー
何やら楽譜カメラと似た名前ですが、別のアプリです。
こちらはリアルタイム読み取りではなく撮影したカメラ写真やスキャナで取り込んだ画像を使います。
このため、楽譜カメラではできない音の長さの読み取りもできるのですが、完ぺきではなく、現状以下のような制限があります:
• 次の記号は現在サポートされていません:コーダ、パーカッション表記、ダイナミクス、ダブルシャープ、ダブルフラット、装飾音。 これらは将来のアップデートで対応する予定です。
楽譜スキャナーンのアプリページ
将来のアップデートでの対応となっており、実際以前は3連符などに非対応だったのがアップデートで対応したため、期待できそうです。
読み取った楽譜をPDFで出力できるのも特徴です。また、楽譜を演奏した音楽も音楽ファイルとして出力できるので、他の人にどんな曲なのか伝えたいという場合にも使えます。
iPhoneだけでなくAndroidでも使えるのが特徴です。
スコアメーカー
こちらはパソコン用のソフトで、カメラで撮影した写真やスキャナでスキャンした画像を使って読み取ります。
このソフトは楽譜作成・作曲ソフトです。この手のソフトだとFinaleとかSibeliusが有名ですが、スコアメーカーは楽譜の読み取り機能の優秀さに定評があります。
パソコンでしか動作しないのでいちいち画像をパソコンに持ってきて処理する必要はありますが、作曲ソフトなので
- 読み取った楽譜を手直し
- 読み取った楽譜をもとに編曲
- 運指や注意書きを加筆
- 楽譜の移調
といったことが簡単にできます。
読み取った楽譜をもとにいろいろやりたいのであればスコアメーカーを買っても損はありません。
使い方の公式ガイドブックも出ています:
なお、スコアメーカーにはラインナップが4種類ありますが、プラチナムかスタンダードしか読み取り機能は使えないので注意してください。
また、より使用期間の長いものの方が1カ月あたりの価格は安くなります。
たとえばこの記事を書いている時点でスタンダードの3カ月版の場合1カ月あたり2,100円ほどですが、12カ月版なら1,200円ほど、36カ月版なら1,000円ほどです。
用途に合ったアプリ/ソフトを使った効率をアップ
このように楽譜の読み取りと言っても様々なレベルのものがあります。
レベルが低いものが悪いというわけではなく、用途に応じて選ぶべきものです。
楽譜からどのような音楽なのか読み取るのに苦労している人は一度使ってみてはいかがでしょうか。