クラシックギターでいい音を出すのに欠かせないのが爪の手入れです。なかでも、爪ヤスリは爪の形を決めるものであり、その使いやすさや削り具合が音に大きな影響を与えます。クラシックギタリストにおすすめとされている3つの爪ヤスリを比較レビューしたいと思います。
ギタリストの爪に関する記事は以下のまとめを参照ください:
3つのクラシックギター用おすすめ爪ヤスリ
今回エントリーしたのは以下の3つの爪ヤスリです。
番外編として2つの気になる爪ヤスリも紹介します。
サウンドファイル メタル爪ヤスリ
サウンドファイルは最近登場して話題となっている、クラシックギタリスト用につくられた爪ヤスリです。
私が購入したのは13 カリビアンローズ ヴィルトゥオーゾというものです。
金属製ヤスリと書かれていますが、実際にはサファイア粒子を使っており、耐久性が高くなっています。
サウンドファイルに関する詳細はこちらの記事を参照ください。
とにかく「クラシックギタリストのためにつくられた」というところに心引かれます。
非常にシンプルな道具である爪ヤスリにおいて、どのような工夫が施されているのか、楽しみです。
サウンドファイル単体のレビュー記事もありますので、こちらもご覧ください。
資生堂 NA501
ちょっと前までクラシックギター弾きの爪ヤスリと言えばこれ、とされていた爪ヤスリが資生堂のNA501です。
このブログでのレビュー記事はこちらを参照ください。
このNA501、元々千円以下の価格で安かったのですが、資生堂が生産をやめたことで価格が高騰し、現在ではサウンドファイルよりも高い価格で売られています。
化粧品メーカーである資生堂のナウハウを投入したものであり、使い勝手の良さに期待できるでしょう。
貝印 Beセレクション 宝石ツメヤスリ HK0651
最後が貝印のBeセレクション 宝石ツメヤスリ HK0651です。
こちらの爪ヤスリ、とにかく安くて長持ちなのがうれしいポイント。
価格は500円しない上に、人造サファイア使用で半永久的に使えるとメーカーが言っています。
Amazonのレビューも悪くなく、気になる商品でした。
番外編その1 ワタオカの爪ヤスリ
今回比較の中には入れませんでしたが、気になる商品がワタオカの爪ヤスリです。
この爪ヤスリ、「爪の細胞を壊さずに削れる」というところが売りで、爪を大事にしたいクラシックギター弾きに適したものといえます。
番外編その2 サウンドファイルのガラス版
上で紹介したサウンドファイルには、金属ヤスリのほかに、ガラスヤスリのバージョンもあります。
紙やすりを使わなくても良いくらい爪がなめらかになるといわれていますが、私はガラス爪ヤスリについて、
- 踏むと割れる
- 柔軟性が少なくて爪を思った形にしづらい
- 削れすぎる
という理由であまり好きでないため、今回は金属版を試しました。
3つの爪ヤスリを比較レビュー
それでは、この3つの爪ヤスリを比較していきたいと思います。
柔軟性が高いのはNA501、サウンドファイルはしっかりしている
まずこれらの爪ヤスリを使って気づいたのは、柔軟性の違いです。
資生堂NA501は非常に柔軟性が高く、爪に当てると曲がるのに対し、サウンドファイルはほとんど曲がりません。貝印はその中間といったところです。
現代的なクラシックギターの奏法では、右手の爪は直線部分をつくることが重要と言われていますが、そのためにはサウンドファイルが適していると感じました。
さすが、クラシックギター用につくれられただけのことはあります。
一方、NA501は柔軟性が高く、自由な形に爪を整えるのに適しています。昔ながらの、爪を曲線的な形にするにはNA501のほうが合っていますし、本来の目的であるネイルを美しく整えるにはこちらのほうが合っているのでしょう。もちろん、直線的に整えることも可能です。
貝印は中間で、ほどよく柔らかい感じです。
よく削れるのは貝印、NA501は細かく削れる
削る速度としては、貝印が最もよく削れるように感じました。
弱い力でもしっかりと削れて、長さも整えやすいです。
一方、NA501は目が細かく、少しずつ削るのに適しています。削りすぎた!ということは少ないでしょう。
サウンドファイルは中間的です。特徴としては、荒い面と細かい面の差が大きいように感じました。
NA501は耐久性が低い
耐久性については、サウンドファイルと貝印がサファイア粒子を使っているのに対し、資生堂NA501はステンレスです。
このため、NA501は耐久性が低いといえるでしょう。
実際、私は5年ほどNA501を使っているのですが、以下の写真のようによく使う部分の目がほとんどなくなってしまいました。
貝印はサファイア粒子について、半永久的に使えるとしており、サウンドファイルも同等の耐久性が期待できます。
持ちやすいのはサウンドファイル
手に持ったときの感触は、サウンドファイルが一番良いです。
サウンドファイルはほかと異なり、持ち手の部分に厚みがあります。
この厚みと斜めになった部分が手にフィットし、持ちやすいです。
資生堂NA501は持ち手の部分が長いため、手のひらでしっかり握れ、こちらも悪くありません。
貝印はちょっと持ち手が短すぎるかと思います。
重さはサウンドファイルが一番重い、けど9g
重さは、持ち手がしっかりしている分、サウンドファイルが一番重いです。
といっても、実測で9gしかなく、重くはありません。
NA501は6g、貝印は5gでした。
価格は貝印が安い
価格面では、前述の通り、貝印が圧倒的に安いです。
500円以下で購入でき、しかも半永久的に使えるとあってコスパも最高です。
次に安いのがサウンドファイルで、2,750円で購入できます。こちらもサファイア粒子使用で半永久的につかえるため、長期的にはコスパはいいかと。
一方、NA501は価格が高騰している上に耐久性が悪く、コスパはよくありません。
個人的にはサウンドファイルが1番おすすめ、次点でNA501
これら3つの爪ヤスリを比較レビューした感想としては、サウンドファイルが1番クラシックギター弾きには合っているかなと思いました。
直線が出しやすいのは現代的な奏法には欠かせないですし、持ちやすいという点も理想的な爪の形を作るのに適しています。
価格はちょっと高めですが、サファイア粒子使用で半永久的に使えるので、コスパは悪くないかと。
次点は資生堂のNA501です。さすが、以前はクラシックギター弾きの定番といわれていただけあり、柔軟性が高いおかげで爪の形を自由に整えられます。
ただ、ステンレス製のヤスリで耐久性が低く、かつ製造終了で価格が高騰しているのが残念です。
貝印の爪ヤスリも悪くありません。悪くありませんが、こだわるなら上の2つかなぁと思います。ただ、価格はとにかく安いので、コスパ重視ならこれ一択でしょう。
世の中にはほかにもさまざまな爪ヤスリが存在しますが、ぜひご自身にあったものを選んでみてください。