新型の背面取り付け式支持具「エルゴノミック・サポート」が登場~ギターの構え方に革命が起きる?

エルゴノミック・サポートをギターに取り付けた画像 ギター用品

久しぶりに新型のギター支持具が登場しました。「エルゴノミック・サポート」と名付けられたこの支持具はEmbracingGuitar社によって開発され、人気のギターリフトと同じくギターの背面に取り付けるタイプのものです。ギターリフトと似ているようで違う、私がギターの演奏法に革命が起きるかもと感じている理由を解説します。

背面に取り付けるタイプの支持具

エルゴノミック・サポートは以下の画像のようにギターに取り付けます:

エルゴノミック・サポートをギターに取り付けた画像

3つの吸盤を使ってギターの背面に取り付ける方式であり、曲がっていてかつ幅の狭い側面に取り付けるタイプよりも高い安定性が期待できるでしょう。

本体は透明、足に当たる部分は黒いため客席から見ても全く目立つことなく自然に使えます。

左足だけでなく右足もカバーするのが特徴

エルゴノミック・サポートの特徴は、左足だけでなく右足もカバーしている点にあります。

一般的なギター支持具は左足に接する部分しかなく、右足に接する部分はギター本体です。

一方、エルゴノミック・サポートは上の写真でわかるとおり、ギターのお尻の部分よりさらに先にまで本体が伸びているのが特徴。

これまでの支持具はどうしても右足と接する部分は帰られず、左足と接する部分のみを変えなくてはいけませんでしたが、エルゴノミック・サポートの場合はギターを完全に浮いた状態にできるため、ギターの構え方の自由度が格段に上がります

また、ギター本体には滑りやすい塗装がされていることが多く、本体が足と接すると演奏中にずれがちですが、この方式ならしっかりと安定した状態で演奏できそうです。

ギタリストが設計、ヤマンドゥ・コスタも愛用

このエルゴノミック・サポートはギタリストのAsier Pelaez Moreno氏によって開発されました。

両足を使ってギターを抱いて演奏することで、楽器を自分の身体の一部として感じることができるとしています。

有名なギタリストのヤマンドゥ・コスタ氏も愛用しており、これからエルゴノミック・サポートを使っているギタリストを多く見ることになるかもしれません。

こちらが実際にエルゴノミック・サポートを使って演奏している動画です:

ギターリフトとの違いは?

ギターの背面に取り付ける支持具としてこれまで有名だったのが、ギターリフトです。

私も実際に使用して、その安定性の高さに驚きました:

今回発売されたエルゴノミック・サポートとの違いは以下の点です:

ギターリフトは左足のみカバー、エルゴノミック・サポートは両足をカバー

ギターリフトは伝統的な支持具同様、左足しかカバーされておらず右足にはギターの本体が当たります

これに対してエルゴノミック・サポートは右足もカバーされていますので、開発者のいうところの「一体感」が得られるかもしれません。

また、両足ともギターではなく支持具が触れることから滑りづらそうなのも利点でしょう。

ギターリフトは吸盤の位置を変えられる、エルゴノミック・サポートは変えられない

一方、ギターリフトには吸盤を取り付ける穴がたくさんあり、自由な位置に取り付けられます

エルゴノミック・サポートは吸盤の位置を変えられないため、場合によっては取り付けたい位置に取り付けられないということもあるかもしれません。

また、ギターリフトは吸盤が4つ、エルゴノミック・サポートは吸盤が3つという違いもあります。

どちらも持ち運びは面倒そうだが、エルゴノミック・サポートはさらに厳しいかも

私がギターリフトを使っているときに感じた一番の不満点は、持ち運びがしづらい点でした。

本体が大きなアクリルの1枚板なのでどうしても場所を取りますし、吸盤も地味に厚みを必要とします。

エルゴノミック・サポートは右足をカバーすることからギターリフトよりもさらに大型ですので、これを入れられるかばんも大きくなりそうです。

海外のギタリストはつるつるのハードケースにギターリフトを貼り付けて移動するそうなので、エルゴノミック・サポートもこの手が使えるかもしれません。

日本での価格は17,600円

気になる価格ですが、日本では17,600円ほどで販売されています。

ちなみにアメリカでは90ドル(約13,500円)で販売されており、ギターリフトもそうですが相変わらず日本はクラシックギター関連商品が高いと感じさせられます。

手間を惜しまないなら海外から輸入する手もあるかもしれません。

これまで考えられなかった新しい構え方が生まれるかも

このエルゴノミック・サポートを見て感じたのは、これまで考えられなかったような新しいギターの構え方が生まれるかも、ということです。

従来の足台や支持具は左足と接する部分の角度のみに着目しており、右足に接する部分はギター本体なのが当たり前でした。

これにより構え方に大きな制約が生まれているのが事実です。

しかしながら、エルゴノミック・サポートのように両足とも支持具で支え、ギターを宙に浮かしてしまえばどんな構え方もできます。

ギター自体の形は変えられないでしょうから、こういった両足方式の支持具が今後も普及し、ギターの演奏方法に革命が起きると面白いですね。

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