クラシックギターを弾き始めてしばらくたつとローポジションに関してはどのフレットがどの音かわからないということはなくなります。しかしながら、ハイポジションの特に低音弦に関してはなかなかフレットと音階の関係がぱっと出てこないもの。そんな悩みにはスケール練習がお勧めです。
すべての調でセゴビアのスケール練習をする
スケール練習というと普通はハ長調だけやって終わりということが多いかと思います。
おすすめはすべての調でセゴビアのスケール練習することです。
セゴビアのスケール練習の楽譜はたとえばこちらで見れます。ハ長調から始まり、調を変えながら延々とスケール練習をしています。
ハ長調だけだとあまりハイポジションを使わないのですが、調が変わるにつれいろいろな弦のハイポジションが出てきます。これを練習することで自然とハイポジションに関してもフレットと音階の関係が身につきます。
すべての調を毎日やる必要はなく、少しずつでも毎日続けるといいかと思います。右手の指はi, m, aの組み合わせをいろいろやればいいかと。pを交えても良いと思います。
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奥が深いスケール練習
スケール練習の効果は音階とフレットの関係を覚えることだけではありません。というか、それは副次的な効果です。
セゴビアは
2時間の音階練習は6時間の無益な練習に匹敵する
アウラのHPより
と語ったといわれるほどスケール練習を重視していたそうです。
自分の基礎能力の確認に
和音も特殊奏法もなくひたすら単音を弾くこの練習は自分の基礎的な能力を確認するのに役立ちます。
たとえば
- ポジションを変えた時の音のレガートさ
- 各弦間、フレット間での音の均一さ
- 速さと正確さ
といった能力です。
こういった能力、曲の練習になってしまうとなかなか確認するのが難しくなってしまいます。
スケール練習で確認していくことにより自分が何が苦手なのかという課題探しにもなります。
漫然と音階を弾くべきでない
一番注意したい点はただ漫然と音階を弾くべきではないという点です。
スケールを弾く前に今日の目標を設定します。たとえば、
- できるだけレガートに音をつなげる
- 歯切れよく弾く
- できるだけ小さい音/大きい音で弾く
- できるだけ速く弾く
- すべてアポヤンド/アルアイレで弾く
などです。
そして、その目標に対して自分のレベルを確認します。たとえば個々のポジション移動が苦手だとか、6弦は小さい音で弾きづらいとかです。
こういった課題を自己認識し、それを解決するための練習をしていくことで少しずつ自分の能力を高めることができます。
地道に思えるかもしれませんが、実はかなり効率的な方法です。特定の曲のこの部分が弾けない、ではなく、どの曲にも共通する基礎力を養えるわけなので応用範囲は広いです。
練習の初めにやると手を慣らす効果も
スケール練習はその日の練習の最初にやるのが良いと思います。
基礎的な練習ですのでこれをやることで手を慣らし、そのあとの曲の練習にも役に立ちます。
スケールをより徹底的に練習する曲集も
重要なスケール練習をより徹底的におこなうための曲集もあります。こちらの記事を参照ください。
スケールを初心者向けの練習と侮ってはいけない
スケール練習というと初心者がやる練習と思われがちですが、奥は深いです。
クラシックギターだけでなく様々な楽器でスケール練習は重視されています。
もっと派手な練習や曲を弾きたい気持ちはわかりますが、こういった単純でも奥深い練習も取り入れていきたいものです。