ギターを弾くときはきれいな指の形を保つのが重要です。しかしながら、癖というのはなかなか直しづらいもので、どうしても指が反ったり曲がったりしてしまうという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。「Ovaring(オーバリング)」はそんな方々のために開発された矯正グッズです。
たまご型のアーチを保つのは難しい
ギター演奏において、左手の指はきれいなたまご型のアーチを保つのが理想と言われています。
これによって無駄なく弦を押さえることができ、結果的に脱力につながり、きれいな音を出すのはもちろん速弾きにも役立つでしょう。
しかしながら、実際に演奏してみると常にきれいなアーチを保つのは難しいです。
初心者はもちろん、長年弾いている方の中にもきれいな形を保てない方は多く、癖になってしまって矯正が難しいケースもよく見られます。
この問題はギターに限ったものではなく、あらゆる指を使う楽器に存在するようです。
きれいな指の形を作る「Ovaring(オーバリング)」
そこでリブレッシュという会社が東京芸術大学音楽部の三界秀実准教授と共同で、指の癖を矯正するための「Ovaring(オーバリング)」という商品を開発しました。
このOvaringについて解説します。
指の第2関節を適切な角度に保つ矯正器具
Ovaringは、指の第2関節を適切な角度に保つ矯正器具です。
指の形をアーチ型に保つのに重要な第2関節を、反ったり曲がったりしすぎないように固定することで、適切な形を保つことができます:
Ovaringという名前は、たまごを表すOva(オーバ)から来ているそうです。
医療機器の開発から生まれた矯正器具
このOvaring、元々はヘバーデン結節やブシャール結節といった指の変形性関節症のための固定器具から生まれたそうです。
その固定器具を扱っていた医師に先述の三界教授が、クラリネットを学ぶ学生の中に指の癖が直らない生徒が多いという話をしたところ、固定器具を開発しているリブレッシュを紹介され、共同開発につながりました。
つまり、Ovaringは決して素人が開発した適当な商品ではなく、楽器のプロと指の固定器具のプロがタッグを組んで開発した器具ということです。
さまざまな楽器で効果が見られる
Ovaringを実際にさまざまな方に試してもらったところ、いろいろな楽器で効果があることがわかりました。
そのなかには、
- クラリネット
- フルート
- バイオリン
- ピアノ
- ドラム
が含まれており、ほぼすべての指を使う楽器に効果がありそうです。
もちろんたまご型のアーチを作るのはギターも同じですから高い効果が期待できそうです。
サイズは3種類
Ovaringには指の太さに合わせて3種類のサイズ展開があります:
サイズ | 第2関節の周囲の長さ |
S | 30 – 38 mm |
M | 38 – 48 mm |
L | 40 – 52 mm |
サイズの見極め方は簡単で、糸を関節の周囲に巻き、一周した長さを測ればOK。
ちなみにサイズ境界の場合は小さめがおすすめだそうです。
高価なのが玉に瑕
このOvaring、価格は送料込みで9,000円ほどとそれなりに高価です。
1つ当たりの商品に含まれる個数が明記されていませんが、書かれていないということはおそらく1個あたりの価格でしょう。
すべての指につけようと思うと4つ必要になり、36,000円ほど必要になってしまいます。
お金で解決できるなら楽といえば楽なのですが、気軽に買えるものではなさそうです。
そのうちコピー商品が出てきそうな気もしますが…品質はやはりオリジナルのほうが良いでしょうね。
初心者はもちろん行き詰まりを感じる中級者は上級者も
このOvaringは初心者が使うのはもちろん、中級者や上級者にもおすすめだと感じました。
ギターなどの楽器はある程度のレベルまでは時間をかければうまくなれますが、その先は指の形など細かいところをしっかりと矯正する必要があります。
ただ、先に行けば行くほど矯正は難しくなり、行き詰まりを感じる方も少なくありません。
Ovaringを使えば指の形の悩みを解決し、さらに先のステップに進める可能性が生まれるでしょう。
少々高価な器具ではありますが、指の形に悩みを持っている方は試してみてはいかがでしょうか?