クラシックギターの弦を交換した後、余った弦を切る必要があります。この時、ハサミや爪切りを使ってないでしょうか?また、あまり考えずにニッパーで切っていないでしょうか?それはあまりお勧めできないやり方です。
クラシックギターのメンテナンスに関する記事は以下の記事にまとめてあります:
ノイズの原因になる余り弦
クラシックギターの弦は張りやすいように長さに余裕を持たせて作られています。
このため、張った後はブリッジ側か糸巻側があまっているものです。
余った弦をそのままにしてしまうとノイズの原因になります。
ブリッジ側で余った場合は振動する表面板に触れてノイズが出ますし、糸巻側もネックから伝わる振動でビビり音が出ます。
見た目的にも良くないですし、けがの原因にもなるので、余った弦は切るべきです。
もったいないと感じるかもしれませんが、余った分を残しておいても何かに使えるわけではないので。弦が切れた時に張りなおせる、と思うかもしれませんが、その時には弦はもう寿命ですし、うまいところで切れてくれないとやっぱり長さが足りません。
爪切りやハサミは刃を痛め、けがの原因になる
弦を切るときどうやって切っていますでしょうか?
爪切りやハサミがもっとも手元にある刃物なのでこういったもので切っていないでしょうか?
爪切りはその名が示すように爪を切るためのものです。これで太いナイロンや金属巻線を切ると刃こぼれの原因になります。刃こぼれが起こった爪切りで爪を切ると、切りづらくなり、最悪けがの原因になります。
また、ハサミも一般的なものは紙などの薄くて柔らかい紙を切るためのものです。これで弦を切るとやっぱり刃こぼれの原因になります。
また、切れ味の悪い刃で切ると弦の切断面がきれいにならず、けがの原因になります。
ニッパーも要注意!
それならニッパーならいいだろうと思うかもしれませんが、そうとも言えません。
実はニッパーは用途別にいろいろと分かれています。その中には「プラスチックニッパー」というものがありこれは金属の切断を禁止しているものが多いです。
これはプラモデル用のニッパーで、プラスチックを切るときに断面をきれいに仕上げることに特化しています。このため金属を切るには強度が足りず、刃こぼれしてしまいます。
このため、何かわからないニッパーを弦の切断に使うのはお勧めできません。
また、ニッパーの中には刃の部分が大きいものがあり、細かいところの作業に適していないものがあります。
たとえばこのようなものです:
余り弦の処理を行うときは狭い糸巻の周りや、絶対に傷つけたくない表面板の近くで作業を行います。切れ味がいいからと言ってこういうニッパーを使うのもお勧めできません。
弦を切るにはストリングカッターが最適
弦を切るには専用の道具のストリングカッターというものがあります。特に定評があるのはピックボーイのSC-150というものです。
要は小型かつ刃の小さいニッパーなのですが、金属弦を切っても大丈夫というお墨付きが安心感があります。
これはアコギやエレキ用のスチール弦が切れるものなので、ナイロン弦のクラシックギターは余裕です。というか、ナイロン弦専用というのは見たことがありません。
刃が薄くて先端も小さいので細かい作業もしやすいです。切れ味も良いので、切断面もきれいになります。
私も実際に使ってそのよさを実感しました:
ただし、ちょっと大きいため持ち運びには不便です。自宅での作業では最強ですが、念のため外出先にもって行きたい場合はプロアルテで有名なダダリオのこの製品がお勧めです:
このストリングカッター、ペグワインダーもついているので弦の交換が非常に楽になります。
正しい道具を使ってストレスを減らす
正しくない道具を使うとギターを傷つけたり、自分がけがをしたりする原因になります。
また、使いづらい道具を使うとストレスがたまり、弦を交換したくなくなるかもしれません。
正しい道具を使って楽しく弦を交換しましょう。