弦をリサイクルするサービス「ミュージックドネーション “Strings save the world”」でギターをサステナブルに弾こう

ミュージックドネーションの画像
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ギターの弦は消耗品であり、短い場合は数週間で交換する方もいらっしゃいます。しかしながら、ナイロンも金属も燃やせないゴミのため、捨てることに心を痛めている方も多いのではないでしょうか。「ミュージックドネーション “Strings save the world”」は使用済みの弦を回収し、資源として再利用するサービスです。

2022年4月に始まったサービス

このサービスは2022年4月に宮城県で始まりました。

宮城県のNPO法人が運営しており、誰でも送料だけ負担して使用済みの弦を送れば、弦をリサイクルできます

同様のリサイクルサービスはアメリカ本国ではダダリオが行っているのですが、日本では行っておらず、貴重なサービスです。

弦に使われている金属をリサイクル

ギターの弦にはニッケル、ステンレス、錫、銅、リンといった金属が使われています。

こういった弦に使われている金属を回収し、リサイクルして売却することで利益を得る仕組みのようです。

これまでに回収した弦の総重量は544.8kg(2025年3月30日現在)とのことなので、3年ほどで544.8kg、一ヶ月当たり約15kg、一日当たり500gもの弦を回収しています。

弦の重さを量ったことがないのですが、何セット分くらいなのでしょうか?

アコギの弦の場合は金属がメインなのでかなりの量の金属が集まっていそうです。

ちなみにこの活動で得た利益は、

みなさんから集めた使用済み弦は責任を持って換金し、このサイトで報告します。

引用元:https://sstw.hp.peraichi.com/

とあるのですが、私が確認した限り見つけられませんでした。

植樹会やイベントを行っているようなので、そちらに使っているのでしょうか?

ナイロン弦や特殊な弦も回収可能

金属をリサイクル、ということで気になるのはクラシックギターに使われているナイロンです。

ナイロンは回収してくれないの?と思ったら、ちゃんとナイロン弦も回収してくれるとのこと。

また、素材が不明な場合やギター以外の弦についても、事前に問い合わせれば対応可能かどうか教えてくれるそうです。

東北や北陸には回収ボックスも

リサイクルは大切と思っていても、わざわざ送るのはお金と手間がかかると二の足を踏む方もいるかもしれません。

そんな方のために、一部のライブハウスや楽器店などに回収ボックスが設置してあります。

こんな感じのカホン型の回収ボックスが設置されているそうです:

出典:https://sstw.hp.peraichi.com/

このボックスが全国に広がれば良いのですが、サイトを見ると「2023年6月8日現在、回収拠点の受付はしていません。」とあります。

現在設置されているのは宮城県を中心とした東北と北陸だけですが、人口が多い地域にも広がると良いですね。

大手の楽器メーカーや楽器店も取り組んでほしい

弦をリサイクルする取り込みをNPO法人が行っているのは素晴らしいですが、本来であれば楽器メーカーや楽器店に取り組んでほしい活動です。

家電などは製造者のリサイクルが義務づけられていますし、消費者もリサイクルのためのゴミの分別を多くの地域で求められています。

弦なんて他のゴミに比べれば微々たるものかもしれませんが、NPO法人が行っている活動だけで3年間で544.8kgもの弦が集まっているということは、日本全国で捨てられている弦はもっと多いはずです。

楽器をリサイクル(アップサイクル)する活動は島村楽器が行っていますが、ゴミの量としては弦の方が多い気がします。

ギターでは木材資源の枯渇ばかりが叫ばれますが、金属資源が不足すれば弦が高騰したり、あるいは理想的な弦が作れなくなるかもしれません。

ギター演奏者も一人一人がこういった活動に積極的に参加していきたいものです。

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