楽器を桜井RFからハウザーIII世に変えたため、弦をもう一度試し直すことにしました。まずは桜井RFで愛用していたサバレスのクリエイションカンティーガプレミアム ノーマルテンション(510MRP)です。最近プロの間でも使っている方が多いだけあってよい弦だと思いましたが、桜井RFに比べて相性がいまいちで、改めて弦選びの難しさを感じました。
以下の記事で本サイトの弦のレビュー(70種類以上)や感想、情報記事をまとめています:
現代的な音で総合性能が高い弦
510MRPはサバレスのニュークリスタル、アリアンス、カンティーガプレミアムの3種類の弦をセットにしたクラシックギター用弦セットです。
弦番号 | 弦の種類 |
1弦 | ニュークリスタル |
2弦 | ニュークリスタル |
3弦 | アリアンス |
4弦 | カンティーガプレミアム |
5弦 | カンティーガプレミアム |
6弦 | カンティーガプレミアム |
高音弦は1弦と2弦にナイロン弦のニュークリスタルを使ってキンキンした音を避けつつ、3弦にカーボン弦のアリアンスを使って音のこもりを防止しています。
ナイロン弦とカーボン弦の違いについてはこちらを参照ください:
低音弦はしなやかな音に定評のあったカンティーガの上位モデルであるカンティーガプレミアムを使っています。
カンティーガよりも重厚な音がするとともに、寿命が長くなった優秀な弦です。
私は桜井マエストロRFを使っていたときに、河野ギター製作所がこのセットを推奨していることもあり、510MRPを愛用していました。
ハウザーIII世購入後に弦を替えるとなったとき、まずは在庫があったこの弦を試した次第です。
サバレスの弦についてはこちらの記事を参照ください:
相変わらず安定感のある音、重厚で満足度が高い
510MRPをハウザーIII世に張って最初に思ったのは、相変わらず安定感があってよい弦だということです。
全体的に重厚で豪華な音ですし、音の変化も付けやすいです。現代的なギターにはかなりよく合うのではないでしょうか。
3種類の弦を使っているため音のつながりが心配になるかもしれませんが、2種類よりもむしろつながりがよいかもしれません。
普通は4弦と3弦の間に大きな差が生まれますが、巻き弦からナイロン弦の変化の間にカーボン弦をはさむことでうまくまとめているかと。
価格的にも他のメーカー(というか代理店)が軒並み大幅値上げしたのに比べると比較的値上げが緩やかで、お買い得感があります。
ハウザーIII世には合わないかな
クリエイションカンティーガプレミアムは間違いなくよい弦です。その点は間違いありません。
ただ、私のハウザーIII世との相性はよくないと感じました。
最も不満があるのは1弦です。ナイロン弦にもかかわらずどうもキンキンした音になります。
頑張って丸い音を出そうとしても出ないですし、他の弦では柔らかい音が出るので、楽器と弦(と弾き手)の相性かと。
また、高音弦の張りが桜井マエストロRFのときよりも強く感じられました。
ノーマルテンションなのでそれほどでもないはずなのですが、なぜかハウザーに張ると硬く感じられます。元々ハウザーは音が出しづらいといわれる楽器なので、その特性が出てしまったのでしょうか。
張りが強く感じられるせいか、スラーがやりづらいのも弾いていて疲れます。
全体的な音自体はよいのですが、これらの不満点のため、常用はつらいかもしれません。
弦と楽器の相性は難しい、弦の旅は再出発へ
桜井マエストロRFでは相性のよかったクリエイションカンティーガプレミアムがハウザーIII世と相性が悪いということで、あらためて弦と楽器の相性の難しさを感じました。
弦は楽器のよいところを弾き出し、悪いところを隠すのが仕事です。その意味で、楽器の特性が変われば相性のよい弦も変わるのでしょう。
私の弦の旅も70種類以上を試して終わりかと思っていましたが、ハウザーIII世とともに再出発になりそうです。
それにしても510MRP、まとめ買いしていて7セットあるのですがどうしましょう…。楽器の音や私の弾き方も変わるだろうから、そのうち相性がよくなるかな…。