フロロカーボン製のカーボン弦はこもらない音と大きな音量から人気を博し、プロの中でもクラシックギターに使っている人が増えてきています。各社がカーボン弦を出していますが、今回はラベラのヴィヴァーチェというカーボン弦のレビュー。21世紀のカーボン弦というなかなか面白そうなうたい文句の弦です。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています:
カーボン弦なのに柔らかい音がする
クラシックギター弦のカーボン弦というと、音がこもらない代わりにキンキンした音がするというのが一般的です。また、音の変化もナイロン弦よりも少ないというのが一般的な印象ではないでしょうか。
このため、3弦のみカーボン弦を使い、1,2弦はナイロン弦にするという使い方をする人が多く、サバレスは公式に「クリエイション」というシリーズでこの使い方のセットを販売しています。
これに対し、ラベラのヴィヴァーチェは「柔らかく暖かい音がして、音の変化がつけやすい」ことをうりにしています。フロロカーボンに21世紀の新しい組成を使っているそうで、カーボン弦の輝かしい音を保ちながら、美しい音を実現しているそうです。
これが本当ならかなり魅力的な弦であるように思います。
低音弦もヴィヴァーチェ用に設計されたものらしく、耐久性があり、高音弦と完璧にバランスが取れた音がするそうです。
。。。なのですが、弦の太さとテンションを見るとラベラ2001の低音弦と同じもののようにも見えます。まあ、ラベラ2001の低音弦も魅力的な弦なので問題はないのですが。
触った感じも柔らかいカーボン弦
パッケージの中はラベラらしく、親切に1つ1つの弦に弦番号を示すさいころがついています。
各社弦番号の示し方には工夫をこらしていますが、ラベラのやり方はその中でも一番親切な部類に入ると思います。
そしてさらに、弦が入っている透明のパッケージは空気を通さないだけでなく、窒素が封入されているそうです:
右下に日本語で「無酸素/窒素封入パッケージ」と書かれています。空気を通さないパッケージは各社採用していますが、窒素まで入れるというのははじめてです。
これなら長期間保管しておいても安心かもしれません。
高音弦の見た目はこんな感じ。ギターに張ってるのは普通のナイロン弦です。
見た目には少し白みがかった半透明の弦です。触った感じが柔らかく、ああなんか柔らかい音が出そう、という感じがします。もちろんカーボン弦らしく細めの弦です。
確かに柔らかい高音弦の音
実際にヴィヴァーチェを張って音を出してみました。
高音弦は確かにキンキンしません。1弦のハイポジションを弾くと一般的にカーボン弦は金属的な音がしますが、この弦は柔らかく甘い音が出せます。
それでいてカーボン弦らしくこもらない音です。
今回はミディアムテンションを使いましたが、それほど張力も高くなく、なかなか魅力的な弦です。
どっしりとした音が出る低音弦
ラベラの弦は太く重厚な音が出る低音弦が印象的ですが、ヴィヴァーチェの低音弦もやはり同じ印象です。やはり同じ弦なのかもしれません。
確かに高音弦のカーボン弦ともよく合っていて、違和感はまったくありません。
総じてなかなか魅力的なセットではないでしょうか。
キンキンした音は嫌だけどこもらない音が欲しい人におすすめ
ナイロン弦の音はどうもこもっていやだけど、カーボン弦はキンキンするからしょうがないのでナイロン弦を使っているという人も多いのではないでしょうか。
このラベラ ヴィヴァーチェはナイロン弦とカーボン弦の良さをいいとこどりした、確かに新世代のカーボン弦のように思います。
いまいちラベラ自体がメジャーではないので話題になりませんが、一度試してみることをお勧めします。