ヘルマン・ハウザーといえばクラシックギターをやっている方であれば知らない人はいない名工。あこがれを抱きつつも、その価格から手が出ないという方も多いことでしょう。そんなヘルマン・ハウザーが出荷時に楽器に張っている弦が日本で発売されました。張ってみたのでレビューしたいと思います。
以下の記事で本ブログの弦のレビュー/感想/情報記事をまとめています:
ハウザーの出荷時に張られている弦
ヘルマン・ハウザー弦は、ハウザーの楽器の出荷時に張られている弦です。
有名なクラシックギター製作家のなかには、自分のブランドでクラシックギター用弦を製作しているところがあり、ヘルマン・ハウザー弦もそのなかの1つとなっています。
この弦、海外では売られていたのですが、日本国内では売られておらず、ある意味幻の弦でした。
しかしながら、2021年についにクロサワ楽器で取り扱い開始。
日本でも気軽に買えるようになっています。
ちなみに、価格は3,300円とクラシックギター弦のなかではちょっとお高め。
ただ、内外の価格差が大きいクラシックギター弦のなかで、ヘルマン・ハウザー弦は海外でも同じような価格で売られており、クロサワ楽器は頑張っています。
シンプルなパッケージ
パッケージはこんな感じです。
紙のエンベロープに包まれた弦がビニールの包装のなかに入っている、シンプルなものです。
もちろんMade in Germany、ドイツ製です。
各弦が入っているエンベロープは単色刷りでかなりシンプル。弦番号を表す部分はハンコで押されており、手作り感があります。
左上の枠には何が入るのでしょうか?
裏には、伝統的な方法で専門家により手作りされている旨と、3つのテンションがあることが書かれています。
太めの弦、普通の見た目
張った感想としては、全体的に少し太めだと感じました。
テンションが高いわけではないのですが、最近の弦に比べると太めであり、懐かしさを覚えます。
高音弦は割と透明度の高いナイロンで、端に青い色が付けられています。テンションを区別するためなのでしょう。
ただ、この色が取れやすく、弦をつける作業でかんたんに指に色がついてしまいました。
確かハナバッハもこんなのだったような。。。
洗い落とすのもかんたんなのでいいのですが、ギターにはつかないようにしたいところです。
太めの音で鳴る、和音が気持ちいい
それでは音の感想を。
第1印象としては、とにかく太く柔らかく鳴ると感じました。
最近はやりのスピード感のある音や、音量が大きい音からはかけ離れ、よく言えば太く、悪く言えばこもった音です。
単音で弾くとそんな感想なのですが、実際に曲を弾くと印象が変わります。
太めの音が気持ちよく響いてくれて、癒される音がするのです。
ああ、クラシックギターってこんな音だよね、こういう音にあこがれて始めたんだよね、ということを思い出させてくれます。
また、小音量できれいに響くのも印象的でした。
最近の音量やスピード感重視の弦は、しっかり弾くと良い音が出るのですが、小音量での音がいまいちなものがあります。
しかしながら、ヘルマン・ハウザー弦は、小さい音の和音が美しいです。いつまでも慈しみながら弾いていたくなります。
時間とともに音が変わったら追記したいと思います。
クラシックギターの音を楽しみたい、癒されたい方へ
ヘルマン・ハウザー弦は、最近のとにかく音量を!反応の速さを!という風潮とは違い、クラシックギター本来の音を楽しませてくれる弦です。
少しお高めの価格はネックですが、クラシックギターの良さをもう一度見直すのにピッタリです。
ハウザーの楽器を持っている方も持っていない方も、ぜひいろいろな方に使ってもらいたいと思います。
追記:ハウザーIII世にハウザー弦を張ってみました