弦の感想(ハウザー編):ドーガル ディアマンテ エクストラロー(Dogal Diamante Extra Low Tension NR127)

ドーガル ディアマンテ エクストラローテンションのパッケージ

クラシックギター用の弦としておそらく最も張りが弱いであろうドーガルのディアマンテ エクストラローをハウザーに張ってみました。テンションが低いのにしっかりと音が出る特定は相変わらずで、魅力的なセット弦です。

メーカー自ら楽器への負担が小さいことを売りにする弦

ドーガルのディアマンテシリーズは、楽器への負担が小さい点を売りにしている弦です。

パッケージ裏の左下には「AVOID SOUNDBOARD STRESS(表面板への負担を減らす)」と書かれており、その自信がうかがえます:

そんなディアマンテのなかでも最もテンションが低いのがエクストラローテンション(NR127)です。

テンションが低ければ楽器だけでなく奏者の負担も小さいので、ギターを楽に弾きたい方にもおすすめのセットといえます。

高音/低音ともに特殊な素材を使用

ディアマンテは楽器への負担を減らすため、高音弦と低音弦のそれぞれに特殊な素材を使っています

高音弦に使われているのがカーボンとナイロンのコンポジット素材です。普通のクラシックギター弦はナイロンかカーボンのどちらかですが、ディアマンテはその中間を狙った弦といえるでしょう。

低音弦の芯線にはケブラー繊維が使われています。これは防弾チョッキやスピーカーのコーンなどに使われる素材であり、ディアマンテ以外で使われているところをみたことがありません。

かなりとんがった仕様の弦といえます。

柔らかい感触なのにしっかりとした音が出る高音弦

高音弦はテンション表記通り非常にテンションが低いです。

このため左手で押さえやすく、かつ右手で音の変化がつけやすいです。

これだけテンションを低くすると音がボヨンボヨンになりそうですが、カーボンとナイロンのコンポジット素材のおかげか普通のナイロン弦よりもむしろ締まった音が出ます

3弦の抜けもよく、ハイポジションもしっかり。かといってカーボン弦のように金属的でキンキンした音ではなく、柔らかさも備えています

ナイロン弦の弱点をなんとかしたいけど、カーボン弦の音はきらい、という方におすすめです。

重厚さはないけど明るく前に出る音が鳴る低音弦

低音弦もテンションが低く、弾きやすいです。

さすがに低音弦はテンションが低いだけあって重厚感はあまりありません

しかしながら、明るい音が前に出る印象で音量は十分

決してテンションが低いだけの弦ではないです。

弦の安定が早い

ディアマンテを使って好ましく感じたのは、安定の早さです。

一般的なクラシックギターの弦は新しく張ってから2,3日は音が落ち着きませんが、ディアマンテの場合翌日には実戦で使えるほど安定します

当日でもしっかり弾き込めば比較的速く安定すると思われ、いざというときに持っておくと役立つかもしれません。

振れ幅が大きいだけに音がびれやすい

一方、テンションが低いだけに弦の振れ幅が大きく、音がびれやすいのが欠点です。

力任せに弾くとびれるため、うまくコントロールしなくてはなりません。

ガシガシ弾くよりは丁寧に弾くべき弦といえるでしょうか。

4弦の寿命が短い

もう1つ残念なのが低音弦の寿命の短さです。

一般的な弦よりも音の劣化が早く、特に4弦は音が短期間でぼやけると感じました。

これは安定が早いことの代償なのでしょうか?

高音弦の寿命は短くないので、4弦だけあるいは低音弦だけ先に交換して、コストを抑えたいものです。

日本でも入手先が増えてきた

このディアマンテ、日本では入手が難しく、特にエクストラローテンションは海外通販を頼らなければいけないほどでした。

しかしながら、現在では京都のサロットで比較的安く入手でき、しかもバラ弦で購入可能です:

Just a moment...

価格も一時的のほかの弦が値上がりしたこともあり、それほど高くありません。

指や楽器の負担を抑えたい方、3弦やハイポジションの抜けを改善したい方はぜひ一度試してみてください。

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