最近登場した「サウンドファイル」は、クラシックギター弾きのためにつくられたという爪ヤスリであり、ちょっとお高めです。爪ヤスリは百均にも売っていますが、あえて高級な爪ヤスリを使う価値はあるのでしょうか?実際に購入して試してみたのでレビューしたいと思います。
ギタリストの爪に関する記事は以下のまとめを参照ください:
ギタリストのためにつくられた「サウンドファイル」
サウンドファイルの特徴は、なんといっても「ギタリストのためにつくられた」という点です。
普通の爪ヤスリは美容および健康のためにつくられています。
それらの目的と、ギタリストが爪を整える目的は同じではなく、別の特性が求められます。
そして、ギタリストが使うための工夫があるからこそ、それなりの値段がするのでしょう。
金属ヤスリの「13 カリビアンローズ ヴィルトゥオーゾ」を購入レビュー!
私が購入したサウンドファイルは、13種類あるラインナップのうち、 「13 カリビアンローズ ヴィルトゥオーゾ」 というモデルです。
まずはこれを選んだ理由や手に持った感想などについてレビューしていきたいと思います。
定番といわれていた資生堂のNA501や、貝印の爪ヤスリとの比較は以下の記事でおこなっていますので、そちらもご覧ください。
なぜこのモデルを選んだのか
このモデルを選んだ理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は、個人的にガラス製ヤスリよりも金属製ヤスリのほうが好きだという点です。
ガラス製ヤスリは割れやすく、誤って踏むと簡単に壊れてしまいます。実際、一度やりました…。
そして、ヤスリ本体に柔軟性がなく、かつ分厚いため、爪の形を整えにくく感じます。この点は柔軟性があるメタルヤスリのほうが有利でしょう。
2つ目は、なんとなく「ヴィルトゥオーゾ」という響きに惹かれたためです。「音楽演奏の達人」というような意味ですが、ほかのメタル版モデルが音楽形式を表しているのに比べ、なんとなくかっこいいと思いました。
サウンドファイルのすべてのラインナップおよび選び方についてはこちらの記事をご覧ください。
見た目はかなりかっこいい
購入したサウンドファイルの見た目はこんな感じです。
普通の爪ヤスリに比べて、なんというか圧倒的にかっこいいです。
普通の爪ヤスリはこんな感じですね:
サウンドファイルは写真で見るよりも実物のほうが重厚感があり、アウトドア用ナイフのような「実用的な道具」という感じがします。
やはり、柄の部分に分厚い木を使っている効果が大きいのでしょう。
本体のほか、写真の上に移っている収納用の袋が付いてきます。
サファイア粒子使用で半永久的に使える
このメタル版のサウンドファイル、メタルといいながらヤスリにはサファイア粒子を使っています。
サファイアなので非常に硬く、同じくサファイア粒子を使用しているほかの爪ヤスリはメーカーが公式に「半永久的に使える」としています。
もちろん、サウンドファイルも長期間にわたって使用することができ、長い目で見れば元を取れるかもしれません。
ヤスリが分厚い!
実際に触って気づいた普通のヤスリとの違いとして、ヤスリ部分が分厚いという点があります。
こちらがサウンドファイルを横から見たところです。
これに対して私が今まで使っていた資生堂のNA501はこれくらいです。
サウンドファイルのほうがかなり分厚いのがわかりますでしょうか?
このため、ヤスリ本体が曲がりにくく、力を加えたときに力が逃げずに伝わり、しっかりと爪を削ることができます。
また、現代的なギター奏法で求められる、爪に直線部分をつくることがやりやすいです。
ヤスリの細かさは#120と#320
ヤスリの目の細かさを表す数値は、片面が#120、もう一方が#320です。
一応写真に撮ってみましたが、違いはちょっとわかりづらいかもしれません。
触ってみると違いがわかります。
この数値、仕上げ用の紙やすりが#2000とかなのに比べるとかなり荒く感じますが、実際に削ってみると意外となめらかになります。
品質がよく、粒が均一だからでしょうか?
とはいえ、紙やすりはかけた方がよく、一発で仕上げまでしたいのであればガラスヤスリ版のほうが良いでしょう。
実際の使用感や感想
実際にこのサウンドファイルを使って爪を整え、ギターを弾いてみましたので、その使用感や感想を書きたいと思います。
握りやすい柄で爪が整えやすい
デザインのポイントとなっている木製の柄は、握りやすさにも貢献しています。
普通の爪ヤスリがペラペラな形状なのに対し、しっかりとした厚みがあるため、手に持ったときに安定感があります。
このため、爪を削っているときの安定感が高く、思った通りに動かしやすいです。
コストをかけているだけのことはあります。
ほどよい硬さと薄さで使いやすい
また、前述の通りヤスリ部分が分厚いため、力が逃げずに爪に伝わり、ヤスリ部分が反ることもないため、思った通りの形に爪を整えやすいです。
ガラス製爪ヤスリはもっと硬いので良いのではないかとも思うかもしれません、硬すぎてもだめなのですよね。
そして、ガラス製ヤスリは分厚すぎて細かいところをやりづらいです。
サウンドファイルはギタリストのためにつくられただけのことはあり、ちょうどいい厚みのように感じます。
弦が爪の上をなめらかに滑る!
サウンドファイルで爪を整えた後でギターを弾いてみて気づいたのは、弦が爪に引っかかる感じが少なく、非常になめらかに滑るようになったという点です。
以前の爪ヤスリも、もちろんあからさまに引っかかる感じはありませんでした。しかしながら、比べるとサウンドファイルを使ったときの方が明らかになめらかなのです。
予想ですが、サウンドファイルは分厚くて曲がりにくいので、爪に直線部分をつくるときにしっかりとまっすぐな直線ができているのではないかと思います。
曲がりやすい爪ヤスリの場合、どうしてもなだらかな山/谷型がうまれ、そこが引っかかる感じがする要因なのではないかと。
なめらかに滑るようになることで、弦の弾き方をコントロールしやすくなり、音も変わりました。
爪ヤスリだけでこんなに違いがあるとは思わなかったので、びっくりです。
収納袋はいまいち
残念だったのが付属の収納袋です。
明らかに収納袋が長すぎ、サイズが合っていません。
奥まで入れると取り出しづらいし、手前に入れておくと奥側が余ってしまうでしょう。
また、内側も外側もフェルト状の素材なのですが、ヤスリに付いた爪の削りかすがこすれて落ち、袋の中にたまりそうなのも気になります。
いや、もしかすると袋に入れるたびにきれいになる、というのが狙いなのかもしれませんが、個人的にはなかにどんどんたまっていきそうで心配です。
せっかく本体にこだわったのだから、収納にもこだわってほしかったです。
爪ヤスリでギターの音が変わる!
この記事で書いたとおり、サウンドファイルで整えた爪は、弦がなめらかに通過し、ギターの音を変える効果がありました。
爪ヤスリなんて安いのでいい、と思っている方はぜひ一度試してほしいと思います。
私が買ったのはメタル版ですが、きっとガラス版も素晴らしいのだと思います。
どうも爪が弦に引っかかる感じがする、爪を思った通りに整えられない、そんな悩みをお持ちなら、サウンドファイルを試してみてはいかがでしょうか。