ギターという楽器は指のみならず体全体を使って音楽を表現できる楽器です。しかしながら、クラシックギターやアコースティックギターの場合は椅子に座って弾くことが多く、体の動きが制限されてしまいます。サンワダイレクトのエルゴノミクスオフィスチェアは座面が少し傾くというギミックがあり座りながらにして体の動きを使うことができます。
座面が14度傾く椅子
この椅子はサンワサプライというパソコン用品を作っているメーカーの椅子です。
特徴はなんといっても14度座面が傾くというところ。こちらがその動画になります:
本来の目的としては座面が前後左右に動いてくれるのでパソコン作業をやるときに少し体を傾けて伸ばしたり、前後方向に傾けて最適な角度でキーボードを打ったりするためのものです。
でもまてよ、この椅子、ギターを弾くときに体全体を使って演奏するのに良いんじゃないか?というわけで買ってみました。
開封の儀と組み立て
というわけでやってきたのがこの箱です。椅子といっても分解されて薄い状態で配送されてきますので、組み立ては自分で行う必要があります。
正式な名称は「マルチスツール」みたいです。買ったのはブラックなので型番は150-SNCERG9BKですが、グリーンもありそちらは150-SNCERG9Gです。
中身は実にシンプルです。台座とガスシリンダー、それに傾きを加えるための部品と座面しかありません。これに一枚だけのマニュアルがついています。
シンプルな方が信頼性は高いと思うので特に問題はありません。
組み立てもシンプルで台座にガスシリンダーを差し込み、傾けるための部品を差し、さらにその上に座面を乗せるだけです。
あっという間に完成しました。簡単な組み立てではありますが特にがたつくこともなく堅牢です。
ピンボケしてしまいましたが、底には傷を防ぐためのシリコンがついています。
座骨を使って座れる感覚があって腰に優しい
まずはパソコン作業に使ってみました。
背もたれもないし腰に悪いんじゃないか?と思いましたがそんなことは全くありませんでした。
座面の形がお尻にぴったりになっており、座骨を使って座っている感覚があります。このため自然と背筋が伸び、腰に負担がかからないようになっています。長時間座っていても普通の背もたれがある椅子よりも楽です。
また、14度傾く機構は確かに快適です。普通の椅子だと体重をかけても傾きませんが、傾いてくれることで自分の体が動きたい方向に体が動いてくれます。
さらに、座面が360度回転するので傾く機構と相まってちょっと横のものをとったりといった動作が非常に楽です。
傾く機構がぐらぐらだといやだなぁと思っていましたが、ちょっと体重をかけたくらいでは傾かないので安心です。意識して体重をかけないと動きません。
高さも48cm~63cmと調整範囲が広いのでたいていの人にはマッチしそうです。
ギターの演奏にはどう?
肝心のギターの演奏に使ってみました。
うん、これは音楽に体を乗せながら弾くのに良いです。
本来音楽というのは音だけではなく体全体で楽しむものだと思いますが、この椅子で演奏するとそれが自然とできます。
14度しか傾かないので倒れるということは全くないですし、意識して体重をかけないと傾かないので倒れそうになるということもありません。
ただ、調整範囲が48cmからなのでちょっとクラシックギターには高いかな、というのが残念なところですが、気軽に楽しみながら弾くという意味ではなかなか良い椅子なのではないでしょうか。
体全体を使って音楽を楽しもう
特にクラシックギターの場合はどちらかというとかっちりとしてフォームで安定感を持って弾くことが推奨されます。
しかしながら、音楽を全身で楽しむという意味では体は動きやすい方が良かったりします。
この椅子はそのことを思い出させてくれる椅子でした。
コンパクトでしまいやすく軽いので、普段はパソコン用として使い、ギターにもたまに使うという使い方もありかもしれません。