ヤマハから登場した「【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック」は入門教則を終えて中級者を目指す人向けの本とされています。実際に試してみましたが、基礎的な技術を見直したり磨いたりするのに有効であり、上級者であっても毎日の練習始めに取り入れるべきと感じました。
クラシックギターの練習についての記事はこちらのカテゴリーも参照ください:
また、おすすめの教則本についてはこちらの記事を参照ください:
短いフレーズをじっくり練習するワークアウトブック
この本は1日に3つのフレーズを5分ずつ練習すればうまくなれるというコンセプトのフレーズブックで、クラシックギター以外にアコギやエレキ用のものもあります。概要はこちらをご覧ください:
この手の中級者向け技術向上本では練習曲などのある程度長い楽譜を題材として使うことが多いですが、この本はひたすら短い楽譜を使うのが特徴です。
以下はヤマハのHPでサンプルとして無料で見ることができる例ですが、全編にわたってこのような短い楽譜を練習します。
それぞれの楽譜には弾くときに注意すべき点が書かれており、それを守りながら練習することで技術向上が図れるでしょう。
ヤマハのHPには目次も公開されていますが、どれも基礎的ながら非常に重要なものばかりで、やり応えがあります。
練習内容は短いが濃い
この本のタイトルにもあるとおり、1日にやるべきは上の画像の片ページにあたる3つのフレーズのみです。
そして1つのフレーズは5分で終わるので、短時間で練習を終えることができます。
この仕様、短いように思うかもしれませんが、実際やってみると長く感じます。
前述の通り楽譜が短いため、1つのフレーズをさらっと弾くだけなら10秒もかかりません。それを5分かけ、じっくりと、指示に従って弾くので長く感じるのです。
しかしながら、指示にきちんとしたがい、美しくしっかりとした音で弾くのは意外と難しいです。
確かに1日にやるべき量は少なく時間は短いですが、その内容は濃いと思いました。
動画もチェックすると効果が倍増
それぞれの日に割り当てられた課題にはQRコードが付いており、YouTube上の解説動画を見ることができます。
言葉だけでなく、実際にギターを弾いている様子を見せながら解説してくれるため、自分に足りない部分がわかりやすく理解可能です。
大変ためになるので、たとえわかりきっていると思っても動画もあわせて見ることをおすすめします。
上級者であっても何回も繰り返し練習したい
クラシックギターの演奏にはコツがありますが、そのコツをすべて頭のなかに入れて意識しながら弾くのは不可能であり、多くの場合無意識にやっていることでしょう。
この本はそんなコツを1つ1つ思い出させてくれるため、自分の現在の演奏を省みるのに役立ちます。
上級者であっても、あるいは上級者だからこそこのような練習が必要ではないでしょうか。
毎日の練習始めに取り入れたいワークブック
この「【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック」は、毎日の練習始めに取り入れたいワークブックだと感じました。
日々練習を重ねるなかでついつい忘れてしまいがちな基礎技術を思い出すのに役立ち、中級者を目指す人だけでなく上級者であっても基礎力向上に役立つでしょう。
1日に3つのフレーズを弾く必要はなく、1つのフレーズでも良いと思います。それなら1日5分です。
クラシックギターには基礎力が大事と思いながら練習の方法がわからないという人や、日々の生活に追われて練習する時間が無いという人は、ぜひ試してみてください。