フレット浮きの音への影響と簡単な見分け方、修理について

メンテナンス

先日ハウザー2世を購入したのですが、どうにも弾きづらさや音の詰まりが気になって修理に出したところフレット浮きが発生していると診断されました。修理してもらったところ音や弾きやすさが激変!見た目ではわからないフレット浮きもあったため、使っているギターに不満を感じている方は、買い換えの前にまずはフレット浮きを疑ってみてもよいかもしれません。

やたらと弾きづらく、音が荒かったり詰まったりしたハウザー2世

私が購入したハウザー2世は状態が良いとの触れ込みでした。確かに見た目的に大きな問題はありません。

しかしながら、購入して弾き込んでいくとだんだんと気になるところが生まれてきました

具体的には、

  • しっかり押さえないと音が割れたりびびったりする
  • 大きな音で弾くと全体的に音が荒い
  • 良い音を出すのに左手はもちろん右手のタッチにもかなり気をつかう

という点です。

それでも最初は「還暦近いギターだし、昔のギターだからこういうものなのかな?」と思って我慢して使っていました。

「ハウザー2世は良い音が出しづらい」という先入観もあった気がします。

一度目の修理では解決せず

実は購入直後にギターの健康診断をしてもらったのですが、そのときにはフレット浮きは見つかりませんでした

私が「こういうものだ」と思い込んでいたためにチェック項目として挙げていなかったからなのでしょう。

糸巻きの動きが渋いというわかりやすいところは直してもらえたものの、フレット浮きまではたどり着きませんでした。

ただ、チェックしてくれた方は音のびびりが取れないということはおっしゃっておられ、音に違和感は感じておられたようです。

12フレットの音の詰まりに我慢できず2度目の修理へ

その後ハウザー2世を弾いていく中で、どうにも12フレットの音の詰まりに我慢できなくなりました

フレットのギリギリを押さえれば良い音が出るものの、少しでも外れると音が詰まってしまいます。

さすがにこれは修理かな?と思い、いつも修理でお世話になっているギターショップアウラに症状を伝えたところ「フレットに問題があると思われるので、交換で1カ月ほどかかるかも」との事前診断。

1カ月もハウザー2世が手元から無くなるのはつらいですが、今後のことも考えて修理に出すことにしました。

原因は「フレット浮き」と判明

予約した日時にハウザー2世を持っていったところ、原因がすぐに判明しました。

なんと予想していなかった「フレット浮き」が原因とのことです。

フレット浮きとは?

フレット浮きはその名の通り、フレットが指板から浮いてしまった状態を指します。

フレットは本来指板に埋め込まれているものですが、何らかの原因で両端が反った状態になり、指板から浮いてしまうことがあります。

ひどい状態になると明らかに指板とフレットが離れてしまうようですが、私のハウザー2世はそこまでではなく、素人がぱっと見ただけではわかりませんでした。

ただ、そんな状態でも後述の通り音や弾きやすさに大きな影響があるようです。

全部で6カ所のフレット浮きが判明

フレットが浮いているのは気になっていた1弦12フレットだけかと思いきや、見てもらったところ全部で6カ所浮いていことがわかりました。

まさかそんなに浮いているとは思わず驚きです。

1弦側だけでなく6弦側が浮いているフレットもあり、弾いているときに見ているはずですが、やはり見た目ではわからないものもあるようです。

フレット浮きの修理で弾きやすくクリアな音に!

修理はギターショップアウラで、禰寝碧海(ネジメマリン)先生にお願いしました。

5~6時間でその日のうちに完了です。

結果、素晴らしく弾きやすくかつクリアな音になりました。

これまで個性と考えていた音の荒々しさが取れ、いわゆるハウザーらしい透明な音に。

それでいて決してキンキンすることなく丸みがある音で、かつ大きな音や迫力のある音も出ます。

これがハウザー2世の実力か!と驚かされました。

簡単にできるフレット浮きの見分け方

修理の際にフレット浮きの見分け方を教えてもらったので紹介します。

それは「フレットを横から見る」、でもなく、「フレットを押さえてみる」、でもありません。

実際、私のハウザー2世は見た目ではわからず、12フレットのひどい浮きは押さえると動きましたが、ほかの5カ所は押さえてもわかりませんでした。

なんと、「コインでフレットを叩く」が正しい方法なのだとか。

フレットが正常であれば「カンカン」や「キンキン」といった金属が響く音がするのですが、フレットが浮いていると「ボスボス」のように響かない音が返ってきます。

正常なフレットをコインで叩いたときの動画がこちらです:

動画だとわかりづらいですが、要はフレットの端を叩いたときにその振動が指板へと伝わって響くかどうかを判定しているわけです。

ほかのフレットと比べて響きが悪いフレットがあればフレット浮きの可能性があるので、修理によって弾きやすさや音質が改善できるかもしれません。

素人の修理はおすすめできない

一方、修理は専門家に任せることをおすすめします

修理のやり方を聞いたところ、瞬間接着剤をフレットと指板の間に入れ、アイロンで押しつけるのだそうです。

素人がやるとフレット浮きが直らないばかりか、より悪い状態で固定されてしまうかもしれません。

また、瞬間接着剤がはみ出してしまう可能性もあるでしょう。

フレット浮きはすぐに修理を

今回フレット浮きの修理をして感じたのは、フレット浮きはその名前から想像するよりもずっと大きな影響をギターに与えるということです。

修理前後でハウザー2世の音が1ランクも2ランクもアップしたように感じましたし、今まで弾きづらいと感じていた曲がすいすい弾けるようになりました。

一方、私のハウザー2世のフレット浮きが1度の健康診断で見つからなかったように、見た目ではなかなか判別しづらいこともあります。

たとえ気にならなくとも、定期的にコインで叩いてフレットの状態を見てあげることをおすすめします。

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