ギターの演奏には脱力が必要だとは言ってもある程度の筋力は必要です。また、すべてをギターの練習だけでまかなえればいいのですがそうもいかないのも事実。特に筋力が重要なセーハと速弾きのために必要な筋肉とそれを鍛えるグッズを紹介します。
「脱力」という甘い言葉
良く世の中でいわるのが「ギターを弾くのに筋力はいらない。むしろ脱力が大事」という言葉です。
でも、これを言う人は大体ギターを長年弾いていてある程度弾ける人なんですよね。ものすごくジムとかで鍛えた人が「50kgのバーベルなんて簡単に上がるよ」と言っているのとあまり変わらない気がします。そりゃ鍛えている人にとっては全力を使わなくても上がりますよ。
脱力が大事であるのは確かですが、「ギターを弾くのに脱力は大事、でもある程度の筋力もいる」が正解なのではないかと思います。
特に筋力が必要なセーハと速弾きについて考えてみたいと思います。
セーハには握るための筋肉が重要
ギターの中で初心者がまず最初に躓く技術はセーハだと思います。
一本の指で複数の弦を同時に押さえるわけですが、人差し指と親指だけで複数の弦を押さえつけるわけで、それなりに筋力がいります。
もちろん、ただただ力で押さえつけてもだめでコツもあるわけですが、必要最低限の筋力があってのコツです。
パワーボールがおすすめ
そんな筋力強化にはパワーボールと呼ばれる筋トレグッズがお勧めです。
このパワーボールはツイストボールとかパワーボムともいわれますが、遠心力を使った筋トレグッズです。
使い方はこちらの動画を見ていただければわかるかと思いますが、球の中に入った球を回転させることで遠心力を発生させ、それを抑え込むための力で筋肉を強化します:
このパワーボールの良いところは指だけでなく手首と前腕を同時に鍛えられるところです。
ギターのための筋トレグッズでよくあるのは指だけを強化するものですが、ギターを弾くときに使う筋肉は指だけでなく手首や前腕も重要です。
手首や前腕はいわば弦をおさえるための土台です。これらがしっかりしていないと、難しい押さえの時に安定せず、うまく弦をおさえることができません。
パワーボールは一見簡単そうに見えますが、結構力が必要です。ちょっと回すのにコツがいるのが難しいですが、慣れてしまえば簡単です。
手首や前腕を鍛えたいときはボールを手でがっしりつかみ、指を鍛えたいときは指先でつまむようにして使います。
ギター好きの人にはダダリオブランドのものもあります:
ハンドトレーナーで筋力強化
パワーボールは良いのですが、自分の指のどの指が弱点とかそういった気付きを与えるのには向いていません。
また、回転しているときに音がなったり回し始めに動作が必要だったり、外出先等で手軽に鍛えるのには向いていません。
そんな場合におすすめなのはこちらです:
こちらはクラシックギター弦のプロアルテで有名なダダリオの製品ですが、指で握ることにより筋力を強化するためのグッズです。各指用に独立のピストンがついており、その強さは調整できます。
ちなみに、ブランドを気にしなければもっと安いものもあります:
指専用の筋力強化グッズですが、指が鍛えられれば弾きやすくなり、それに伴って手首や前腕も鍛えられるので、まずはこれでもいいかもしれません。
指の持久力をつけるためにも
長い曲やセーハが多い曲を弾いていると途中でばててくる人も多いかと思います。
パワーボールやハンドトレーナーを使っていると筋力とともに持久力をつけられるため、難しい曲に挑戦したい人にもお勧めです。
「指を開く」筋肉が重要な速弾き
速弾きもギター弾きにとっては難しい技術です。
この速弾き、実はセーハのように握力だけを鍛えてもだめです。
指を閉じる筋肉と開く筋肉は別
指を動かす筋肉は実は握る筋肉と開く筋肉が独立して存在しています。
このため、セーハと同じように握力を鍛えても弦を弾いたり指で押さえるスピードは速くなるのですが、次の弦を弾くためや次のフレットをおさえるために指を戻すスピードが上がりません。
速弾きを鍛えには握力だけでなく、指を開く筋肉を鍛えることが大事です。
グーパー運動でスピードを上げる
一番お手軽なのはグーパー運動です。
やり方は簡単で、腕を前に伸ばした状態で指を開いたり閉じたりを繰り返します。スピードを上げていけば指を閉じるスピードも開くスピードも上がっていきます。
これなら何の道具もいらないしお手軽です。
指を開く動作専用の筋トレグッズも
また、指を開くための筋肉専用の筋トレグッズも販売されています。
穴に指を通して開くと、シリコンの抵抗で筋肉を鍛えることができます。
上で紹介した閉じる方を鍛えるグッズと合わせて使うと効果大です。
Fiddilinkでスピードと正確さをアップ
スピードに加えて、動きの正確さを向上するならダダリオのFiddilink(PW-FDLK-25)がおすすめです:
ウォーミングアップや緊張予防にも役立ちます。
やりすぎには注意!
筋トレは効果的ではあるのですが、やりすぎると逆に指を痛めてしまいます。
一日で頑張ってやるよりも、少しずつ毎日続けた方が効果的です。
なかなかギターを弾く時間が取れない人の日常練習用としてどうでしょうか。